第124回 脳をイキイキさせて運動機能向上につなげよう!

ジュニア・アスリートフードマイスターの嶋根理恵が
「スポーツ」「食事」「健康」をキーワードに役立つ情報をお届けします!

過日、脳機能開発を研究されている教授のご講演を聴く機会がありました。

人の脳機能は、加齢により低下してくることは、周知のことと思います。
加えて、何でも便利になった現在、人の脳機能は確実に衰えてしまっているとのこと。
例えば、テレビを見ている時の人の脳は、リラックスし眠っている状態だそうです。
また、パソコンやスマートフォンの使用に伴い、記憶を消去してしまう可能性についてもお話がありました。

そこで、脳機能の回復や改善について提唱されていたのが、音読や計算による「脳トレ」でした。昔からの日本の初等教育の基本である「読み書きそろばん」が大切であることを再認識しました。

脳に負担をかける「脳トレ」を一日5分することによって、
ワーキングメモリー(脳に入った情報を一時的に保ちながら、その情報を使う脳の機能)を鍛えると、前頭葉の体積が増えるというのです。
そして、一番興味深かったのが、
スポーツ選手の運動能力向上にも効果があるということ!

「脳トレ」をすることにより、集中力を高めることを期待できます。
そして、脳を鍛えることにより記憶する容量が増えるだけでなく、
同時に、予測力や判断力が向上し、競技能力が上がったというのです。

アスリートにとって、肉体的向上をはかるトレーニングだけでなく、
脳の機能を向上させるトレーニングをすることも
運動機能や競技能力を向上させることにつながるのだとわかりました。

では、アスリートフードの視点から脳機能への助けとなることを考えてみましょう。
今回は、2つの視点で脳に必要な栄養素をご紹介したいと思います。

【ブドウ糖とビタミンB1】
脳の唯一のエネルギー源はブドウ糖と言われています。
脳は体重の約2%程ですが、一般に、基礎代謝量の約20%のエネルギーを消費しているそうです。アスリートはエネルギー消費量が大きいので、特に糖質不足にならないようにする必要があります。

そして、ビタミンB1は糖質からエネルギーをつくりだす手助けをしていて、
糖質を摂取して脳を働かせるには欠かせない栄養素です。
ビタミンB1を多く含む食品としては、豚肉、大豆、緑黄色野菜などがあげられます。

おすすめなのが玄米です。
白米よりもビタミンB1を多く含む玄米は、糖質とビタミンB1を同時に摂ることができます。
玄米は低GI(グリセミック・インデックス)の食品でもありますので、
適度な血糖値に保つことができ、エネルギーを持続させることができます。
特に朝食に玄米ご飯を食べて、活動的な一日のスタートにするのに適していると思います。
(ただし、食物繊維が多いので、試合当日に食べることはおすすめしません。)

【DHAとEPA】
脳の発達に必要な栄養素といわれているのが、オメガ3系不飽和脂肪酸の
DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)です。
人の体内ではつくることのできない栄養素ですので、食品で積極的に摂る必要があります。
特にDHAは、脳や神経組織の発育や機能維持の効果が期待されています。
主に、青魚(マグロ・カツオ・イワシ・アジ・サバ・ブリなど)に多く含まれています。

ちなみに、同じオメガ3系不飽和脂肪酸であるα-リノレン酸は、体の中でDHAやEPAに変わります。α-リノレン酸を多く含む食品としては、亜麻仁油、エゴマ油、くるみなどがあります。

食べる「脳トレ」メニューを考えてみました。
【光りものニンニク風味】

<材料(2人分)>
・真アジのお刺身(たたき用) 2尾      <DHA・EPA>

・大葉(千切り)       5枚 
・ニンニク(すりおろし)   1/2かけ    <ビタミンB1の吸収促進>
・ゴマ            大さじ1    <ビタミンB1>

・酒             大さじ1
・醤油            大さじ1
・エゴマ油          小さじ1    <α-リノレン酸>

作り方は、材料全てを和えるだけの簡単レシピ!
アジ以外の青魚でもOKですので旬のお魚でアレンジしてみて下さい。
ご飯が進むおかずです。

ご飯と一緒に食べて、脳をイキイキとさせてみましょう。
皆さんの競技能力アップにつながることを期待します!

●ジュニア・アスリートフードマイスター
嶋根 理恵 (しまねりえ)
Hula歴10年以上、ウォーキング歴2年。ハンドボール熱血応援歴10年以上。
スポーツ・報道・国際系番組制作会社勤務後、専業主婦に。
製薬会社に勤務する夫の影響で、国内・世界各国における健康へのアプローチを見聞し、「食」と「健康」を考えるように。
食事・栄養面でのサポートで「スポーツの力」の一翼を担いたいという思いから「アスリートのための食事学」を学び始めました。
ジュニア・アスリートフードマイスターの知識と主婦力を家庭の食卓に生かしながら研鑽を積んでいます。

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