第163回 サッカー選手の食事〜試合当日《試合後》〜

アスリートフードマイスター1級の杉浦杏奈が
現役サッカー選手の妻ならではのリアルなアスリートフードについてお伝えします。

こんにちは、杉浦杏奈です!旦那さんはサッカー選手の杉浦恭平です。
第五回目となる今回も、現役サッカー選手の妻ならではの内容をお届けします。よろしくお願いします!

まず、サッカー選手のスケジュールです。
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火曜日~金曜日:練習
土曜日:試合(メンバー外の選手は練習)
日曜日:リカバリー(メンバー外・試合に出なかった選手は練習試合)
月曜日:オフ
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火曜日:練習期
水曜日:練習期
木曜日:試合2日前
金曜日:試合前日
土曜日:試合当日
    (試合前)
    (試合直前)
    (試合直後)
    (試合後)
日曜日:試合翌日
月曜日:オフ
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チームや監督にもよりますが、上の段のような一週間を毎週繰り返します。
そして我が家では下の段のように区切って食事を考えています。

今回は、試合後の食事についてです!

サッカーのように持久力を使うスポーツは、グリコーゲンを大量に消耗します。グリコーゲンが不足してしまうと、自分の筋肉などのたんぱく質を分解してエネルギー源にしようとしてしまうため、試合後はとにかく早く糖質補給することが大切です。
そして、試合で酷使した筋肉を修復するために、たんぱく質も早めに補給します。

試合後30分以内に糖質とたんぱく質を補給し、その後少しでも早く「栄養フルコース型」の食事を摂ることが理想です。
【栄養フルコース型】:
  〈主食、主菜、副菜、果物、乳製品〉
  一汁三菜に果物と乳製品をプラスした食事

試合直後の選手ロッカールームには軽食が用意されています。内容はチームにより異なりますが、おにぎり、バナナ、おだんご、オレンジジュースなど素早く糖質補給できるものが多いようです。
ここで梅干しおにぎりやオレンジジュースを選べばクエン酸も摂れるため、疲労回復の促進が期待できます。

試合後の夕食で大切にしていること
・栄養フルコース型
・様々な食材を使う
・消化がしやすい食材、調理法にする
・食が進むメニューにする
・帰ってきたらすぐに食べられるよう用意しておく

試合後というのは、お腹をすかせて帰ってくることもあれば、疲れすぎて食欲がないということもあります。どんな状態であっても、しっかり食べて栄養を摂り少しでも早く身体を回復させてほしいため、食欲の湧く食事を用意するようにしています。(以前は栄養面を考えてコラーゲン鍋を出すことが多かったのですが、食欲が湧かないと言われてから好物を出すようになりました)

【試合当日の夕食】

夕食メニュー

  • スパイスカレー(スパイス多種類、鶏挽肉、たまねぎ、にんじん、トマト、にんにく、しょうが)
  • 雑穀米、ゆで卵
  • 野菜スープ(豚肉、にんじん、かぼちゃ、ブロッコリー、トマト、たまねぎ、キャベツ、しめじ)
  • 馬レバーの赤ワイン煮
  • ピクルス(にんじん、きゅうり、赤パプリカ、黄パプリカ、カリフラワー、プチトマト)
  • ヨーグルト(いちご、ブルーベリー、はちみつ)
  • 果物(キウイ、オレンジ)

この夕食のポイント
・カレーはルウではなくスパイスを使う(辛みスパイスは控えめ)
・生野菜サラダではなく具沢山スープで消化のしやすい温野菜をたっぷり摂る
・ピクルスとすっぱい果物でクエン酸を摂る
・レバーで鉄分を摂る

カレールウを使わない理由は、油脂を摂りたくないからです。食べ慣れた味で美味しいのですが、試合後は内臓も疲れているため、消化に負担のかかるものは控えます。また、カレーに使うスパイスには抗酸化・抗炎症・疲労回復・食欲増進・・・など、試合後にぴったりな効能がたくさんあります。(胃腸のことを考え刺激の強い辛みスパイスは控えめにします)
どれだけ疲れて帰ってきてもカレーだと必ずお代わりをしてくれるので、我が家の試合後にはカレーが合っているようです!

疲労回復が遅れたまま週明けの練習が始まりそのまま次の試合を迎えてしまうと、溜まった疲れでパフォーマンスは低下し怪我のリスクも高まってしまいます。ついつい試合前の食事に重きを置きがちですが、試合後に素早く栄養補給し疲れを持ち越さないよう気をつけることが、シーズンを乗り切るためにとても重要になります。

5回に渡って我が家の食事を紹介させていただきました!いかがでしたか?
我が家で実践していることは、あくまで「杉浦恭平」に合わせた食事なので、他の選手に合うとは限りませんが、いつも『栄養フルコース型』の食事を摂ることを意識しています。これはどの選手にとっても同じように基本になることです。
情報が溢れていて何が正しいのか、何を取り入れるべきなのか見極めることが難しいですが、毎食『栄養フルコース型』の食事を続けることを基本にし、その上で新しい食材や食事法を選手本人の身体で試していくことが一番良いのではないかと思っています。ご覧いただきありがとうございました!

●アスリートフードマイスター1級
杉浦 杏奈 (すぎうら あんな)
Jリーグでプレーするサッカー選手、杉浦恭平を夫に持つ。
結婚を機に栄養学の勉強を始め、毎日の食事で夫をサポート。基本のスポーツ栄養をベースに新しい食材や食事方法を取り入れ、試行錯誤しながら”杉浦恭平に合った食事は何か”を大切にしている。

杉浦恭平選手(アスリートフードマイスター3級)
静岡学園→川崎フロンターレ→愛媛FC→川崎フロンターレ→ヴィッセル神戸→ベガルタ仙台→ツエーゲン金沢(2017年現在)

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