第169回 走食健美~残暑に負けない疲労回復食

アスリートフードマイスター1級の庄内菜穂子が
ランナー向けの食事実践術を紹介します。

 みなさん、はじめまして。アスリートフードマイスターの庄内菜穂子です。夏は世界陸上ロンドン大会の話題で熱く盛り上がりましたね!マラソンを続ける私も日本代表選手の活躍にパワーをいただきました。

今回からの連載では“しっかり走り、美味しく食べて、身体と心の健康美”を大切にして欲しい…そんな思いを込めて、秋のレースで快走を目指すランナーにお役立ち!食事実践術をお伝えします。
(ここでの「美」は身体の中からキレイになるインナービューティー、それはお肌や笑顔のキレイに繋がります。)

【残暑に負けない疲労回復食】
私世代はもちろん、若いランナーの皆さんからも、夏は①筋肉疲労が抜けない ②食欲がない⇒夏バテ・身体が重い、走る気力がない、という声を多くお聞きします。このような負のスパイラルから抜け出すため、疲労回復食をしっかり摂り、食欲を取り戻す食事術が今回のテーマです。

① 疲労回復食のポイント
トレーニング後の食事タイミング+栄養素の効果的な足し算はレース期でなくても重要です。

    疲労回復のためと筋肉超回復のためのゴールデンタイム
    ・運動終了後30分以内:運動エネルギーとして使われた筋グリコーゲンの回復タイミング
    を逃さずに栄養補給しましょう。
    糖質摂取で筋グリコーゲンを回復
    +糖質からエネルギーを作るのに必要なビタミンB1(豚肉、豆類、バナナ、緑黄色野菜等)
    +たんぱく質(又は吸収のより速い)アミノ酸、プロテインの同時補給で筋グリコーゲンの
    合成が促進され、次のステップの筋肉の超回復に繋げます。
    コンビニ利用例: 鮭のおにぎり、ハムサンド、豆大福、大豆バー、果物・野菜ジュース
    高運動量の場合は栄養補助食品:プロテインバー、アミノ酸系ゼリー・スポーツドリンク
    ※運動で枯渇したBCAA(体内で合成できない必須アミノ酸のうち、筋肉の構成・回復に重要なバリン、ロイシン、イソロイシン)を含む栄養補助食品・飲料は運動後も効果が期待されます。
    ・運動終了後1~2時間以内:破壊された筋繊維を修復し、更に太くする筋肉の超回復を図るため、高たんぱく質な主菜をメインに、ビタミン・ミネラル含めバランス良い食事を摂りましょう。たんぱく質は通常1日体重1kg7あたり1gの摂取が推奨値ですが、運動後はその1.5倍まで、筋肉強化には2倍までを目安に摂りましょう。
    たんぱく質
    +たんぱく質の合成と分解を促進するビタミンB6(レバー、肉、卵、牛乳、魚、緑黄色野菜等)
    +コラーゲンの生成に必要なビタミンC(赤ピーマン、トマト、ブロッコリー等の野菜、果物) 

    サプリメントに頼るのではなく、食事でBCAAを多く含む食材(鶏肉、大豆製品、卵、マグロ赤身、鮭等)を意識して摂ることも大切。また、食事ではビタミンB1の働きを助ける
    アリシン(ネギ類に含まれる香味、辛に成分)も加熱せずに薬味等として加えると糖質の代謝に効果的です。

② 夏の食欲不振対策メニュー
☆味覚(夏は特に酸味、辛味)香り(香味野菜、スパイス利用)、色素で”美味しそう”を引き出す
例1:ランチにアレンジそうめん

・午前のトレーニング日:白ごま坦々そうめん

    糖質+たんぱく質にビタミンB1豊富な豚肉+ネギのアリシン ⇒疲労回復栄養素の足し算!

・トレーニングお休み日:三種のヘルシートッピングそうめん

    ⇒レモンのビタミンCに酸味とクエン酸で食欲アップ、心身の疲労回復を助けます!

例2:しっかり走った夕食にお肉でスタミナ系vs.お魚あっさり系の主菜

・週末午後ラン日:豚肉と野菜のカレー炒め

    一汁三菜善:たんぱく質を豆腐でプラス、夏野菜の塩麹浅漬け、岩海苔とモロヘイヤのスー
          プ、塩豆と舞茸ご飯、青ねぎの薬味 ⇒ビタミン、ミネラルも十分摂取

・平日帰宅ラン日:マグロアボカド丼

    一汁二菜丼善:マグロ丼には紫玉ねぎでアリシン効果。具沢山味噌汁(豆腐、ワカメ、椎
           茸、小松菜)、オクラのジャコのっけ、ルビーグレフルサラダ ⇒加熱調理
           最小限の速攻食

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最後に、疲労回復のゴールデンタイムをご存知の方は多いと思いますが、もう一つアスリートに大切なゴールデンタイムもご存知でしょうか? それは成長ホルモン分泌のゴールデンタイムで、血糖値の総じて低い空腹時、トレーニング時、睡眠時と言われています。アスリートには睡眠も大切ですね。
それでは次回をお楽しみに。(メニューのレシピはBlogに掲載予定)

●アスリートフードマイスター1級
庄内 菜穂子 (しょうない なおこ)
アスリートフードマイスター1級の他にもアクティブ野菜ソムリエの資格を保有。
「ヘルシー・エイジング」をコンセプトに、ランニングや登山を長く楽しむための食事作りを提唱。
アスリートフードセミナーや野菜ソムリエとしての講演を多数実施。
食事のとり方も練習のひとつと捉え、江東シーサイドマラソン壮年女子ハーフの部で3年連続1位等、年代別で入賞。
「アスリートフードマイスター&野菜ソムリエ」として美味しく食べてパワーアップできる食事術を伝授します。

【ブログ】ネイチャー&ベジタブルのHaruna-Café

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