第75回 噛む力を鍛える

ジュニア・アスリートフードマイスターの尾澤真紀が
ジュニア期の『元気に食べて強くなる』をテーマにお伝えします!

こんにちは。ジュニアアスリート・フードマイスター、尾澤真紀です。

アスリート食が広まってきて、スポーツされる方に中に、運動前はどんなものを食べたらいいか、運動後にはどんなものを食べたらいいかなど、考えながら食事をされている方も増えてきていると思います。
実際に、栄養素の事なども質問されることがあり、それらがパフォーマンスに繋がると思う嬉しいです。
ですが、それらの栄養素、ただ身体の中に入れればいいというわけではありません。

突然ですが、普段よく噛んで食べていますか?
小学校の時に、先生から『よく噛んで食べましょう!』と言われていました。
もしかしたら、大人よりもジュニアアスリートたちの方が意識しているかもしれませんが・・・
実際、『硬いもの』より『柔らかいもの』が好まれ、噛もうとしない人が増えています。
『柔らかいメニュー』が増えることで、噛む回数も減り、その回数は、弥生時代のなんと約6分の1と言われています。

さて、昨日一日の食卓に並んだものを思い出してみてください。
噛みごたえのあるものはありましたか? ハンバーグや煮物など『柔らかいメニュー』ばかりになっていませんか?
普段の食事、よく噛むことで身体にいいことがたくさんあるので、いくつかご紹介します!

まず、食べ物を噛むと唾液が出ますよね。唾液というのはアミラーゼという消化を助けてくれる成分を含んでいて、よく噛むことでたくさん出てきます。
つまり、噛むほど食べたものが細かくなり、唾液によって消化されやすくなります。
せっかく摂った栄養素なので、できるだけ無駄のないように取り込みたいですよね!

また、細かくなることで胃や腸の負担も少なくなります。
逆に、よく噛まずに早食いしてしまうとそのまま胃に運ばれ、消化するのに時間がかかり、消化不良が起こりやすくなってしまいます。特に、運動後は胃も疲れているので、余計負担もかけることにもなってしまいます!

ゆっくりよく噛んで食べることで、脳にある満腹中枢が刺激されて、少ない量でお腹がいっぱいになり、食べ過ぎ防止になります。
この満腹中枢が刺激されるのは、食べ始めてから約20分。食べ過ぎが気になる人は、時間を意識してみるといいですね。

そして、意外にもスポーツとも繋がっています!!
噛む力が備わっていれば、しっかり歯を食いしばることができます。
瞬発系の競技や、ここぞという時に歯を食いしばることで、集中させ、パワーを発揮できるのです!

ここまでで『しっかり噛むこと』が大事ということは分かったけど、じゃあ食べるものすべて『柔らかいもの』から『硬いもの』にすればいいのか?!
そんなことはありません!それでは、食べることが苦痛になってしまいますよね。

では、噛む力を鍛えるためにできることは何か・・・
まず、食材を工夫しましょう!
噛み応えのあるもの、つまりしっかり噛まないと食べられないものを取り入れてみます。
例えば
野菜なら・・・れんこん・ごぼう・たけのこなど
果物なら・・・りんご・かきなど
魚介類なら・・・いか・たこ・貝類など
肉類なら・・・ひき肉より、かたまり肉
主食なら・・・食パンより、全粒粉のパン・ベーグル 白米より、玄米
その他・・・こんにゃく・油揚げなど

そして、調理法を工夫しましょう!
例えば
・煮込み料理の野菜の切り方を少し大きめにする
・煮込み料理や炒め物の加熱時間を短くして、噛み応えを残す

食材や調理法次第で噛み応えのあるメニューは作れます。
まずは一品から食事の中に取り入れて噛む力を鍛えていきましょう!

●ジュニア・アスリートフードマイスター
尾澤 真紀(おざわ まき)
愛知県出身。管理栄養士。スポーツクラブ勤務を経て、現在は給食会社で厨房業務に携わる。スポーツ栄養士を目指しており、休日などボランティアで地元の高校の部活動の生徒に向け、栄養アドバイス等を行う。
大学時に栄養教諭の免許を取得。

アスリートフードマイスター養成講座はこちら>

カテゴリー: 未分類   パーマリンク