なぜ、御社は企業対抗駅伝に出場されるのですか?
「インナーコミュニケーション」「健康経営」「働きがい」・・・。 会社として企業対抗駅伝にご参加されているご担当者にインタビューすると、様々なキーワードが見えてきました。
Profile
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藤山 様
経営企画室所属。社員の健康意識の向上を目的に発足した有志のプロジェクト「ワークスヘルシープロジェクト」立ち上げメンバーの一人。 -
種田 様
HUE & ATE Div.所属のエンジニア。企業対抗駅伝では、ワークスアプリケーションズ内の事務局として社員参加を促進中。トライアスロンの最長種目であるアイアンマンレース大会、「IRONMAN Taiwan」の完走経験を持つ。 -
國方 様
セールス&マーケティングDiv.所属の営業担当。
過去3年、企業対抗駅伝に選手として参加。趣味はゴルフ。
Interviewer
新藤遼介
企業対抗駅伝のプロモーションを担当。普段は自社のマーケティングや各種イベントの企画・制作やディレクション、プロマネ業務など幅広く担当している。実は、元・ワークス社員。今回(2019年当時)、約4年ぶりに同社を訪問した。
Interview
本日はお時間頂きありがとうございます!毎年、企業対抗駅伝に多数のチームでご参加いただくワークスアプリケーションズ様ですが、本日はその目的や背景をぜひお聞かせください。
まず、当社には社員の健康意識向上とコミュニケーション活性化を目的にした社内プロジェクト「ワークスヘルシープロジェクト」があります。当社には仕事が好きな社員が多いのですが、仕事で最大限のパフォーマンスを発揮してもらうためには、良質な食事や適度な運動といった個々人の健康管理が大切だと思います。そうした健康に着目すると同時に、当社の文化の主軸にあるコミュニケーションの活性化を図るための施策として、本プロジェクトを立ち上げました。
また健康づくりを習慣化できるように、継続して参加したいと思ってもらえるプログラムの提供にこだわっていて、その1つに「企業対抗駅伝」があります。社内では、企業対抗駅伝を「ワークス駅伝」と銘打ち、2017年度は約340名の社員が参加しました。
そうなんですね。ではまずは「ワークスヘルシープロジェクト」の活動について詳しく教えてください。
はい。2009年末に人事部長と賛同してくれた社員、私の計3名でタスクフォースとして立ち上げ、2010年からワークスヘルシープロジェクトの活動を開始しました。例えば、万歩計を使ってチームで歩数を競う「ワークス天下統一!食盗り合戦ゲーム」を開催しました。
これは、部門を横断した5名を一つのチームとして編成し、歩数合計100万歩を達成すれば47都道府県のヘルシーな特産物を勝ち取れるというものです。
当時の戦国ブームにあやかり社員の興味関心を図るテーマ設定にしたことや、各チームの進捗を日々発表しあうといったゲーム性を高めたことで、全社的に非常に盛り上がりました。第一回目の企画当初は、社員の参加数を70名程度と見込んでいたのですが、結果は2倍超の約160名が参加してくれました。
この他にも、ヘルシー弁当の社内販売から茶道の家元を招いてのワークス茶道会、ディスクゴルフ大会、登山イベント、ボウリング大会、ヨガを行う瞑想の会、化粧品会社とコラボレーションした美容セミナーなど、さまざまな活動を行っています。
多くの社員が参加でき、何よりも楽しめるような仕掛け作りをされているんですね。
そうですね。あと良かった点として、体に優しい良質で美味しいコーヒーを提供することを目的に始めた、移動販売式のカフェ「わくわくカフェ」があります。
このとき、カフェ販売を障がい者採用で雇用した社員に担当してもらうことにしたんです。今は移動販売式ではなく、当社のマグネットスポット空間である「バリスタ」内にコーヒースタンドとして常設されていますが、多くの社員がカフェ担当として働いています。
わくわくカフェの提供開始をきっかけに、障がい者の方の雇用の幅も広がり、職場環境の整備にもつながったと考えています。
なるほど。現在、ワークスヘルシープロジェクトにはどういう方々で活動しているんですか?
現在(2019年当時)は、運営メンバーとして有志で約10名が参加しています。食事・睡眠・スポーツ・美容など、それぞれ関心のある分野において企画の立案・実行を担っていて、企業対抗駅伝は、私がプロジェクトマネジャーを務めています。
このメンバーの定例活動としては、週1回程度集まって、毎回の活動の目標設定から参加促進のための企画立案などを話し合いながら運営しています。
とても興味深いですね!企業対抗駅伝がどのように活用されているのが、ぜひ教えてください
毎年目標を設定しますが、今年(2019年当時)は、普段あまり走り慣れていない社員や女性社員といった「より幅広い層に参加を促し、健康づくりを習慣にする一歩目にしてもらいたい」と考えました。そこで昨年までは5kmの部の参加に限定していたところを、2kmのファン駅伝の部へも募集を広げました。
また大会への参加意欲や興味関心を高めるため、2つの企画を用意しました。1つ目が、ワークスアプリケーションズグループ健康保険組合(以下 ワークス健保)とのコラボレーションです。ワークス健保では、定期健診や特定健康診査、人間ドック、婦人科検診等を受診できるほか、利用に応じてポイントを付与するカフェテリアプランがあります。
このポイントは、さまざまな健康に関する商品と引き換えができるようになっています。今回の駅伝参加にあたって、当社からワークス健保の方にコラボ企画を提案したところ、駅伝参加者に1,500ポイントを付与していただけることになりました。
当社にとっては、このポイント付与をきっかけに参加者が増える。ワークス健保にとっても、駅伝参加によって健康増進につながれば病気予防の効果や医療費の削減も期待できるという、お互いにメリットを享受できる企画ができたことで、今回の取り組みにつながりました。
すごいですね。もう1つはどのような取り組みなのでしょう。
もう1つは、当社製品をご利用いただくユーザー企業様にスポンサーとして自社商品の提供をお願いしています。
前回の大会では、4社のユーザー企業様に食品やドリンクを提供して頂きました。ユーザー企業様にとっても、商品を知ってもらう機会になることから、一緒にワークス駅伝を盛り上げていただいています。
毎回、充実した商品を頂戴し、恐縮してしまうくらいなんですが、参加者の様子や笑顔の写真をお礼にお渡ししています。
そんなお話は初めて聞きました!驚きです。両社ともにメリットがあることはもちろんですが、貴社とユーザー企業様との良好なご関係もあってこそだと感じます。ちなみに社内の参加者はどのように募っていますか?
駅伝の2ヶ月前くらいから社内で告知を行っていて、主に当社の製品であるコラボレーションツール「HUE Enterprise Collaboration」のタイムライン機能を活用しています。普段から、練習の様子や各チームの取り組み、当日の駅伝の様子、当社内で独自の賞を設けて行う表彰式の様子などを活動報告として投稿していることもあって、社内にはワークス駅伝のファンが多いんです。そのため「今年もこの時期が来た!」と言わんばかりに、みんな積極的にシェアしてくれて心強いです。
参加者のチーム編成はどのように行っているのでしょう。
これは2パターンあります。1つは自分たちで5名のチームを組んで応募する方法です。もう1つは個人~数名でのエントリーで、こちらは運営サイドでチーム編成をしています。普段仕事で関わらなさそうな部署同士の社員をくっつけたりと、新たなコミュニケーションが生まれるよう工夫しています。
また、運営サイドとしては、駅伝当日だけでなく、その前後も含めてイベントを楽しんでもらいたいと考えており、チームができてからはチーム名や目標を決めて事前練習を行うことを推奨しています。
当日も、ただ走るだけではなく、駅伝後に当社で開催する交流会も大切にしています。
日頃はあまりスポーツをする機会がなかったり運動が苦手な方でも、終わった後に冷たいビールを飲めたり、他部署の社員と交流を図れることで楽しいという声をよく聞きます。それらも含めて、多くの社員が継続して参加くれるのだと感じます。
たくさんの楽しめる工夫をされている企業対抗駅伝ならぬワークス駅伝ですが、実際にご参加されたご感想も教えてください。
私は中途入社して間もない頃に、隣の席の先輩から誘われたことをきっかけに、ワークス駅伝に参加しました。駅伝当日までチームメンバーと一緒に練習に励んだり、交流会ではさまざまな部署の方と話ができて、社員間の交流が深まってとても楽しかったので、2年目からは「一緒に参加しよう」と誘う側になりました。昨年(2019年当時)は、20人くらいの参加者を集めましたね。
また、駅伝に参加したメンバーで「次はフルマラソンに挑戦しよう!」と盛り上がって、フルマラソン大会に申し込んだこともあります。結果は抽選で落ちてしまいましたが、社内でも良い影響が生まれていると思います。
ほかにも、ワークス駅伝用に特別に作られたTシャツが参加者に配られたときがあって、会場内で同じTシャツを着た仲間から応援してもらえているのは、とても嬉しかったですね。
私も、Tシャツは一体感を生むきっかけになったと感じています。このTシャツを作ったときは、社内公募でデザインを決めました。
これも、「HUE」のタイムライン上でデザインの公募をして、エントリーされた10作品ほどのデザインを投票によって決めるという方法をとりましたが、非常に盛り上がりをみせ、この取り組み自体がワークス駅伝のPRにもなりました。
実際、「Tシャツがかわいいから」と参加した女性社員もいて、國方さんのエピソードは運営サイドとしても嬉しいですね。
あと、当社には多くの外国籍社員が在籍しており、ワークス駅伝にも一緒に参加しています。
仕事上の英語でのコミュニケーションはまだまだ慣れないところもありますが、スポーツを通して交流を深めることで、会話も自然と弾みますし、一気に打ち解けることができますね。
ここまで、ワークスヘルシープロジェクトやワークス駅伝についてお話を伺ってきましたが、他にも貴社独自の取り組みがあれば、ぜひお聞かせください。
やはり、ワークス駅伝Tシャツの企画やワークス健保とのコラボなど、社員が主体的にチャレンジでき、それを応援してくれる仲間や環境があることが、当社の特長だと思っています。例えば私自身も、普段の営業活動にとどまらず、「女性活躍セッション」というイベントを企画して運営まで携わらせてもらったことがあります。
これは、多くの企業様から女性社員の活躍できる職場づくりに対するお悩みを伺っているなかで、その解決のきっかけになればと企画したものですが、立場や役職等は関係なく手を挙げれば受けとめられる文化がありますね。
あと、多くの企業様からお問い合わせ頂く取り組みとして、社内託児スペース「WithKids」があります。
「WithKids」も、約50名の社員が有志で集まって企画・実現したものです。
「カイシャde子育て」をコンセプトに、自社で運営しています。まさに、会社で子どもを育てていくために、親子一緒に栄養満点の手料理を食べられる「親子ごはん」の提供をはじめ、延長保育の概念はなく保育時間を自由に選択できたり、当日の一時保育の申し込みを可能にしたりなど、柔軟な働き方と満足のいく子育てが両立できる環境を整えています。
はじめは社内に子どもたちがいることに驚きもありましたが、例えば考えが煮詰まったときでも子どもたちの泣き声が聞こえてくると職場全体の雰囲気が和らいだり、コミュニケーションが生まれるきっかけになったりすると感じています。クリスマスのときは子どもたちがサンタの仮装をして、社員におかしをプレゼントしてくれたりもしました。
個人的な話ですが、今年(2019年当時)父親になるにあたり、職場で子どもと触れ合ったり、抱っこの仕方を学んだりと疑似父親体験ができていい場所だなと感じています。
仕事をしながら子育てする社員に間近で触れる環境があることで、働き方への理解につながったり、子供に対する興味を持つきっかけになったりもしますね。
お話を伺っていて、そうした多様な働き方を社員の皆さまが許容できる文化こそ、ワークスアプリケーションズ様ならではだなと感じました。
最後に、今後の企業対抗駅伝に期待することや他社の皆さまへのメッセージをお願いします。
企業対抗駅伝は、大人数の団体で参加できる数少ない大会で、とても助かっています。自社主催で駅伝大会を開催するにはかなりの労力を要すると思います。その点、企業対抗駅伝は運営や施設が整っていて、非常に参加しやすい大会です。
今後期待することとしては、家族ぐるみで参加しやすい企画や仕組みを作っていただけると嬉しいです。社員のお子さんや家族が応援に来ますが、そういったご家族も参加できるようなコンテンツがもっとあると良いのかなと思いますね。
Corporate Profile
ワークスアプリケーションズは、大手企業向けERPパッケージベンダーです。
創業以来、「企業の情報投資効率を世界レベルへ」を企業理念に掲げ、国内ERPパッケージ市場シェアNo.1※として不動の地位を確立。
現在では国内をはじめ、アメリカ・中国・インド・シンガポールとグローバルに拠点を展開し、世界52ヶ国での利用実績を有しています。
また、2015年には世界初の人工知能型ビジネスアプリケーション「HUE」をリリースするなど、日本発のグローバル・テクノロジー・カンパニーとして進化を続けています。
※市場占有率推移(パッケージ市場) 販売社数シェア 2016年度 出典:株式会社富士キメラ総研 ソフトウェアビジネス新市場 2017年版
編集後記
大手企業向け基幹業務システム「COMPANY」と「HUE」を手がける、ERPパッケージベンダーのワークスアプリケーションズ様です。
実は以前、私が新卒入社し、勤めていた会社でもあり、今回4年ぶりに潜入してお話を伺ってきました!
毎年1企業から最多チームがご出場されており、企業対抗駅伝をうまく自社イベントとして活用されていることに驚きました。また「健康」と「コミュニケーション」の視点で様々取り組まれており、大会事務局サイドとしても大変参考になりました。
特に記事にも取り上げたWithKidsですが、訪問時も本当に六本木の真ん中のオフィスビル内から子どもたちの声がたくさん聞こえてきて、そういった取り組みも受け入れられるのがワークス流の文化であり、強みだと改めて実感する機会となりました。