第74回 食育現場レポート④ 野球・アメリカ独立リーグ編

ジュニア・アスリートフードマイスターの岡嵜雄介が
学生スポーツの現場で取組まれている食育の実践をリポートしていきます!

ジュニア・アスリートフードマイスターの岡嵜雄介です。
私のコラムでは、学生スポーツの現場で行われている「食育」を中心に発信していきたいと考えています。
特に「身体を作りたい」、「大きくしたい」というご意見は多くのジュニア・アスリートを持つ保護者の皆様からご要望があるとお聞きします。
このコラムでは身体作りの観点で取組まれている食育現場をどんどん取材して行きたいと考えています。

第4回目は、ジャンルを飛び出し、学生スポーツではなくプロスポーツの現場、しかもアメリカ独立リーグ(野球)の食事情について話をしていきたいと思います。

今回は、 米プロ独立リーグ/アメリカンアソシエーションリーグ・グランドプレーリー・エアホッグスに在籍する日本人、三好貴士さんにお話を伺いました。
三好さんは、グランドプレーリー・エアホッグスの1塁コーチ兼内野守備走塁コーチをされています。アメリカの独立リーグでもコーチをしている日本人は三好さんただ一人だそうです。今回は、そんな三好さんからみたアメリカの選手の食事情とご自身の食事情を質問形式で伺いました。

●一般的な食事スケジュール
 ホームゲームの時は、ナイトゲーム終了後寝るのが午前4時~5時になるため、お昼前に起床します。そのため昼食はアパートで自炊が多いです。ホームゲーム以外は遠征していることが多いため、基本的には種類や品数に凝った食事は難しく、ご飯、アボガド、目玉焼き、味噌汁、ヨーグルトといったものが中心となっています。
 その後、球場入りして練習を行い、試合前にクラブハウスマネージャーが作ったミートソースパスタを選手は食べています。(日によってメニューが異なる)三好さんは自分で持参したものを食べているようで、基本はお昼前に食べたメニューに近いものをタッパーに詰めているようです。
 試合後にはクラブハウスで、ミートローフ、サラダ、トウモロコシ、グリーンビーンズなどが出てきます。アメリカのいろいろなリーグ事情を知っている三好さんが言われるには、このメニューはマイナーリーグでもかなり良いらしいです。


三好さんが持参するタッパー飯(ご飯、卵焼き、アボガドなど)

●マイナーリーグでも食にこだわる選手
 ビジターの試合には長距離バス移動が多いこのリーグでは、食事環境が悪いにも関わらず、数人ほどかなり食事に気を使う選手たちがいます。特徴としては、炭水化物を極力抑え(ほぼ食べないぐらい)、チキンなどプロテイン系の食材を多く食べるのが特徴的です。


元日本ハム、テキサスレンジャースでもプレーしたジェイソン・ボッツ選手の持参サラダ

●体重や体脂肪を気にしている選手
 リーグを見渡しても体重を実際にはかっている選手はほとんどいないが、睡眠、食事、プロテイン摂取のタイミングにかなり気を使っている選手が多いです。それからそれに付随してトレーニングをしっかりしています。


キューバ人選手がクラブハウスで食べる食事(ステーキ、ブラウンライス、イモ類)

●プロテインやサプリメントを摂取している選手
 プロテインをパウダーで取る選手が多いのはさすがアメリカでとても多いです。ただ、それだけでなく、ココナッツミルク、アーモンドミルク、アーモンドバター、フルーツ(バナナ等)などをシェイクにしています。体に良いと言われるような食品、食材を多く取り入れています。

●日本の食事情と1番の違い
これは間違いなく炭水化物とプロテイン(チキン、ツナなど)の摂取量でしょう。筋肉を作るための努力(食べること、寝ること、トレーニング)の意識は日本とは比べ物にならない感じがします。こちらはそういうことをする人は知識もすごく豊富です。

 このように今回のコラムで取り上げたアメリカ独立リーグの食事情では、日本と環境が違う点が多いためイメージしにくいが、すぐ取り入れても良さそうなアイデアは数多くあると感じた。特に、ココナッツミルクやアーモンドミルクなどプロテインとシェイクするものは直ぐにでも応用できそうである。
 また、筋肉や身体を作る為に寝ることも現在では注目されており、そのような点もこの長距離バス移動が多い選手でさえ、気を配っているあたりは勉強になるのではないだろうか。今まで学生の食への取組を中心にコラムをまとめてきたが、プロから学ぶ、海外から学ぶべきものは多いようにこのコラム通じて感じるのであった。


三好さんが所属するグランドプレーリー・エアホッグスのスタジアム

●ジュニア・アスリートフードマイスター
岡嵜 雄介(おかざきゆうすけ)
野球歴20年。高校、大学、社会人野球(企業)、独立リーグなどでプレー。
引退後、広告代理店での企画営業を経て、2011年度より教壇に立つ。2012年度の夏のインターハイではホッケー部の監督としてインターハイベスト8進出。2013年度、京都で初めてプロアマ規定解禁の高校野球の指導者となる。
特に学生スポーツにおける「食育」に興味を持ち、日々実践、研究している。

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