第161回 サッカー選手の食事〜試合前《消化》〜

アスリートフードマイスター1級の杉浦杏奈が
現役サッカー選手の妻ならではのリアルなアスリートフードについてお伝えします。

こんにちは、杉浦杏奈です!旦那さんはサッカー選手の杉浦恭平です。
第三回目となる今回も、現役サッカー選手の妻ならではの内容をお届けします。よろしくお願いします!

まず、サッカー選手のスケジュールです。
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火曜日~金曜日:練習
土曜日:試合(メンバー外の選手は練習)
日曜日:リカバリー(メンバー外・試合に出なかった選手は練習試合)
月曜日:オフ
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火曜日:練習期
水曜日:練習期
木曜日:試合2日前
金曜日:試合前日
土曜日:試合当日
    (試合前)
    (試合直前)
    (試合直後)
    (試合後)
日曜日:試合翌日
月曜日:オフ
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チームや監督にもよりますが、上の段のような一週間を毎週繰り返します。
そして我が家では下の段のように区切って食事を考えています。

前回は試合前のグリコーゲンローディングについて書きましたが、今回は試合前の「消化」についてです。
上のスケジュールでいう木曜日、つまり試合2日前からはグリコーゲンローディングと同時に、消化しにくい食べ物を避けるよう気をつけます。

具体的には、我が家では以下のことを実践しています。
・玄米や雑穀は使わず白米にする
・食物繊維が豊富なものは食べない(こんにゃく、たけのこ、ごぼうなど)
・食物繊維が豊富でも糖質や栄養価の高いものは徐々に控える(納豆、かぼちゃなど)
・蒸す、煮る、茹でるなど、油を使わない調理法にする
・肉や魚も脂の少ないものを選ぶ
・葉野菜のサラダよりも、緑黄色野菜に火を通して食べる
・ナッツやごまなど、かたい皮や殻に包まれたものは食べない
・いちごやキウイなど、種が含まれるものは徐々に控える
・トマトの皮や、みかんなどの薄皮は食べない

(お腹をくだす可能性のあるもの、脂っこいもの、刺激の強いもの、食べ慣れないもの、などを食べないのは大前提です。)

試合前の食事というのは、試合のための食事です。そのため、エネルギーとなることが重要です。

食物繊維はエネルギーにはなりません。
また、食べたものを消化するということ自体にも意外とエネルギーは使われてしまいます。グリコーゲンローディングをしたい試合前には、消化に時間のかかる食事は適しません。
そして、試合前は緊張で消化力が弱まっていることもあるため、消化の負担になる可能性のあるものは避けます。

私が「消化」を大事にしているのは、胃腸に余計なものがない状態で試合を迎えてほしいからです。少しでも体が軽く、すっきりした状態で。長々と消化にエネルギーを奪われながらではなく、食べたものがすぐに吸収され、すぐにエネルギーへと変換される状態で試合を迎えてほしいのです。

【試合前日の朝食・夕食】

朝食
・鮭の炊き込み御飯大盛り(鮭、みつば)
・味噌汁(じゃがいも、たまねぎ)
・納豆(とろろ、しらす)
・かぼちゃ煮
・粉ふきいも
・ほうれん草の梅和え
・卵焼き
・漬物(きゅうりの塩糀漬け、赤かぶの甘酢漬け)
・ヨーグルト(バナナ、きなこ、はちみつ)
・生絞りジュース(りんご、レモン、オレンジ)


夕食
・豚丼大盛り(豚、たまねぎ、長ねぎ、レモン塩だれ)
・味噌汁(かぼちゃ、たまねぎ)
・蒸し鱈と蒸し野菜(鱈、じゃがいも、にんじん、かぶ、ブロッコリー、菜の花、レモン)
・白和え(豆腐、にんじん、ほうれん草、塩糀)
・いももち(じゃがいも、米粉)
・かぼちゃ煮
・きゅうりの梅和え
・ヨーグルト(バナナ、きなこ、はちみつ)
・果物(りんご、オレンジ)

試合2日前の食事と同じように、【栄養フルコース型】の中で芋類を多く使っていますが、試合前日はさらに白米をたくさん食べてもらうよう意識します。丼メニューにしたり、炊き込み御飯にすることも多いです。
そして、試合前日は試合2日前の食事以上に、消化しにくい食べ物を避けるよう気をつけています。

次回はついに試合当日の食事です。お楽しみに!

●アスリートフードマイスター1級
杉浦 杏奈 (すぎうら あんな)
Jリーグでプレーするサッカー選手、杉浦恭平を夫に持つ。
結婚を機に栄養学の勉強を始め、毎日の食事で夫をサポート。基本のスポーツ栄養をベースに新しい食材や食事方法を取り入れ、試行錯誤しながら”杉浦恭平に合った食事は何か”を大切にしている。

杉浦恭平選手(アスリートフードマイスター3級)
静岡学園→川崎フロンターレ→愛媛FC→川崎フロンターレ→ヴィッセル神戸→ベガルタ仙台→ツエーゲン金沢(2017年現在)

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