第126回 「カロリーゼロ」の秘密

ジュニア・アスリートフードマイスターの牛島千春が
実践しやすく楽しく続けられる情報をお届けします!

みなさんこんにちは!
ジュニアアスリートフードマイスターの牛島です。
最近では、「カロリーゼロ」「ノンカロリー」と表示されている飲料水や食品が増えてきました。
摂取カロリーを考えて、このような商品を選んでいる方も多いと思います。
「カロリーゼロなら飲んでもいい?」という質問を栄養相談中によく聞かれますので、今回はカロリーゼロの秘密についてお話ししたいと思います。

「カロリーゼロ」≠0kcal
「カロリーゼロ」と表示されていても実際は0kcalではなく微量に含む場合があるんです!
厚生労働省の基準により微量であれば「ゼロ」の表示が認められています。
ゼロだと安心して摂取していても、実際にはカロリーを摂っていることがあります。

◆“含まないこと”を表す表示が認められている基準
「カロリーゼロ」「ノンカロリー」「カロリーフリー」「無」など
  食品・飲料…100g当たり5kcal未満

◆“低いこと”を表す表示が認められている基準
「低カロリー」「カロリーオフ」「ダイエット」「ライト」「控えめ」など
  食品…100g当たり40kcal未満
  飲料…100g当たり20kcal未満

人工甘味料の危険性
「カロリーゼロ」がさらに問題なのは、含まれている人工甘味料の副作用です。
人工甘味料は砂糖に比べ大変安価に製造でき、砂糖の数百倍の甘みがあるため使用料も少なくコストが安く済むことから最近ではかなり普及されています。しかし、歴史が浅い分身体への影響は未知数です。
人工甘味料でも砂糖と同様、血糖値が上昇し、インスリンの分泌が促進されるといわれています。この状態が続くとインスリンの分泌能力に影響を及ぼし、糖尿病へと進行する恐れがあります。
また、甘みの強い人工甘味料に慣れてくると、甘みに対する味覚が鈍ってきます。より甘い物を好むようになったり、少ない量では満たされず食べ過ぎてしまう場合もあります。
結果、カロリーゼロでも肥満や糖尿病につながる危険性があると言われています。

現在日本で認可されている人工甘味料でよく使用されているものは、「アスパルテーム」「アセルスルファムカリウム」「スクラロース」などがあります。

●アスパルテーム
砂糖の160~220倍の甘み。
「アセルスルファムカリウム」と合わせて使用することにより自然な甘さがでる。
脳腫瘍を起こす可能性が指摘されています。動物実験では白血病やリンパ腫の発生が認められました。頭痛やめまい、知能低下を引き起こす疑いがあります。
炭酸飲料、ガム、お菓子、ゼリー、ヨーグルトなどに使用されています。

●アセルスルファムカリウム
砂糖の200倍ほどの甘み。
水に溶けやすく加熱にも安定。
発がん物質の塩化メチレンを含んでいます。また肝臓へのダメージや免疫力の低下の恐れがあります。
長期摂取すると、頭痛、抑うつ、吐き気、精神錯乱、肝臓や腎臓への影響、視覚障害、がんを引き起こす可能性が懸念されています。
清涼飲料水、お菓子、ゼリー、漬物などに使用されています。

●スクラロース
砂糖の約600倍もの甘み。
新しい人工甘味料で、一番砂糖に近い味であるため様々なものに使用されています。
有機塩素化合物の一種で、動物実験では胸腺や脾臓のリンパ組織に萎縮を起こすことが分かっています。
胃腸障害、頭痛、めまい、アレルギー反応、体重増加、血糖値上昇などの症状を引き起こすリスクが懸念されています。
清涼飲料水、アイスクリーム、ヨーグルト、ガム、焼き菓子、練り製品、フライ、ドレッシングなどに使用されています。

「カロリーゼロ」「低カロリー」にひかれる方も多いと思いますが、本当に大切なのは質なのです。

とはいえ、人工甘味料を使用していない飲料にはかなりの糖分が含まれています。
図では糖分の量を3gのスティックシュガーの本数で表しています。

最近よく、砂糖の代わりに使用されているのが、異性化糖です。
食品には「ぶどう糖果糖液糖」「果糖ぶどう糖液糖」と表示されています。
砂糖よりも血糖値を上げやすく、肥満や糖尿病を引き起こす原因となるため、アメリカでは使用禁止運動が展開されているほどです。
しかしコストが安いため様々な商品に使用されています。
砂糖より甘みが口の中に残りにくくて、冷やすと甘みが増すため、清涼飲料水やアイスクリーム、冷菓や他にもガムシロップ、冷凍食品、加工食品などに使用されています。

比較的貴重な砂糖の代わりに、安価な異性化糖が作られるようになり、ダイエットを売りにしたさらに安価な人工甘味料の消費が増えているのですが、どれもカラダのためには摂りすぎに注意が必要と言えます。
人工甘味料以外にも、見た目を良くしたり、長持ちさせたりする食品添加物にはさまざまなリスクがひそんでいます。今では食品添加物を使用していないものを探す方が困難なほど、色々な食品に使用されています。アスリートの方は、食事摂取量が多いので食品添加物の摂りすぎに注意し、質の良い物を摂りたいですね。
普段口にしている食品は本当にカラダに良い物なのでしょうか?気を付けている方も多いと思いますが、もう一度振り返っていただくきっかけになるといいです!!

●ジュニア・アスリートフードマイスター
牛島 千春 (うしじま ちはる)
管理栄養士・調理師。大学時代はスポーツ栄養について研究し、現在は病院にて栄養指導を行うかたわらスポーツクラブにて勤務。
患者様への栄養指導だけでなく、アスリートの方々に食事面でサポートできたらと思い資格を取得しました。「食事もスポーツも楽しく続ける」をモットーとしています。趣味はジョギング、ゴルフ、ベリーダンスで日々スポーツを楽しんでいます。

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