第177回 アスリート飯 ラグビー選手の食事:調理法の工夫

アスリートフードマイスター2級の村田英理子が
現役ラグビー選手への食事サポート法を紹介します。

皆さんこんにちは!村田英理子です。主人は現役プロラグビー選手の村田毅(むらたつよし)です。現役ラグビー選手の食事サポートを全5回でお届けします。今回は第4回の【調理法の工夫】です。

今回は野菜(ビタミン)をテーマにします。

野菜不足が続くと不調を感じ、たくさん食べた後は身体が軽く感じる経験はありませんか?それは野菜に含まれるビタミンの効果です。

私は栄養を勉強するまで、もったいない事をしていました。
ビタミンに、水溶性・脂溶性があるとは…。

簡単に言うと、
水溶性=水と相性がいい:茹でるとお湯に抜ける
脂溶性=油と相性がいい:炒めると油に溶け吸収率up
ということです。

ビタミンは三大栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂質)のエネルギー変換や反応を助けて身体の機能を調整する潤滑油としての働きを持ちます。ビタミンが不足すると、三大栄養素の変換がうまくおこなわれず、不調に繋がっていたのです。

さて、ビタミンの種類別の特徴をご紹介します。

○脂溶性ビタミン

機能 代表的な働き 食材例(野菜をメインに)
ビタミンA 皮膚・粘膜の生成、抗酸化作用 人参、青菜類
ビタミンD カルシウムの吸収 キノコ類
ビタミンE 細胞の老化防止、抗酸化作用 アーモンド、米胚芽
ビタミンK 血液の凝固に必要、骨の形成 ブロッコリー、青菜類、納豆

脂溶性は、ビタミンD、A、K、E(だけ)と覚えます。
脂溶性ビタミン満載メニューとして「人参のラペ(人参、アーモンド、くるみ、レーズン、亜麻仁油)」は村田家の定番です。ほうれん草などの青菜類もビタミンAを多く含むものが多いため、炒め物にしてもいいですね。

○水溶性ビタミン

機能 代表的な働き 食材例(野菜をメインに)
ビタミンB郡※ エネルギーを作り出す 緑黄色野菜
ビタミンC 鉄の吸収、コラーゲン生成 ブロッコリー、赤黄ピーマン、柑橘類

※ビタミンB1 、B2、B6、B12、葉酸などの総称

少し話が変わりますが、私は、アスリートフードマイスターのほかに、オーガニック料理ソムリエの資格も持っています。

「オーガニック=高い、良さそうだけどよく分からない」
そんな想いをお持ちの方にも、まずオススメしたいのが調味料だけ変えることです。中でも、私のこだわりは、お味噌です。

味噌:大豆や米などの穀物に、塩と麹を加えて発酵させて作る発酵食品
注目すべきは“発酵食品”というワード。

オーガニック料理ソムリエの講習で、実験をしました。
見慣れたとあるお味噌と、昔ながらの田舎味噌(※)。
それぞれのお味噌とご飯をかき混ぜ放置という実験です。

※原材料が「大豆、米、食塩」のようにシンプルなものが田舎味噌、その他の原材料が色々と入ったものがとあるお味噌と区別しています

1時間後の結果がこの写真です。

結果の違いは明らかでした。
この実験結果は、私たちの胃の中の状態です。
違いを知った上で、何を選ぶか?…それは自由です。

私は、この実験に衝撃を受け、お味噌から変えました。
本コラム第174回でもご紹介した通り、アスリートは、特に試合前にはしっかり消化をおこなうことが大切ですよ。

「こうじ菌によって分解反応がうまく起こっている味噌は、栄養素も吸収しやすくなっていて、最強の栄養ドリンクになる」と、私の愛用するお味噌の作り手さんが仰っていたのも印象的です。

さて、話を戻しますが、水に溶け出してしまうビタミンB群、C、おひたし・お味噌汁などで茹で汁ごと頂いてしまうのが簡単で効果的です。

我が家のお味噌汁は、具材の野菜や海藻、かつお出汁をベースに、煮干を粉末にしたものをカルシウム補給財源として加えています。野菜から溶け出すビタミンを丸ごと頂け、お味噌で消化促進、不足しがちなカルシウムも補給…たしかにお味噌汁は最強の栄養ドリンクかもしれませんね。

塩分の摂りすぎには注意ですが、アスリートは大量の汗をかくので、気にしすぎなくても、と今は気楽に考えています。

ビタミンごとにあった調理法を取り入れ、より質の高いサポートを目指しましょう!

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アスリートフードマイスター養成講座
http://athlete-food.jp/
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●アスリートフードマイスター2級
村田 英理子 (むらた えりこ)
食生活アドバイザー(2級)・オーガニック料理ソムリエの資格も保持。
プロラグビー選手との結婚を機に栄養学の勉強を本格化。
「食卓に栄養と彩りを」という想いを大切に主人 村田毅をサポート。
ラグビーというコンタクトスポーツで酷使し続ける身体を守ることを基本に、
更なるパフォーマンス向上の手助けとなる食事学を伝授します。

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