第150回 腸内環境を整えましょう!

アスリートフードマイスター2級で野菜ソムリエの奥田佐智子が
マラソンランナーのための“アスリートフード”についてお伝えします。

みなさんこんにちは。走るアスリートフードマイスターさっちんです。
現役市民ランナーの視点から、楽しく、長く、強く走れる身体をつくるための情報をわかりやすくお伝えさせていただきます。よろしくお願いいたします。

球技等のスポーツでは、少々体調が悪くても技術でカバーできる部分があるかもしれませんが、マラソンの場合は、体調を整えることがパフォーマンスを発揮するうえで大きなウエイトを占めています。

1回目のコラムで、基本の食事をしっかり摂るお話をさせていただきました。今回は「腸内環境を整える」お話をさせていただきますね。
バランスよく食事を摂ることに加え大切なことがあります。それは「腸を整える」ことです。どんなに身体によい食べ物を食べても、腸の調子が悪ければ、その成分はしっかり消化・吸収することができないからです。腸は消化・吸収だけでなく生命活動の根幹をも担っているとても大切な気管です。免疫力を発揮するのも腸内の善玉菌の働きです。心の在り様に影響を及ぼすホルモン「セロトニン」も腸がかかわっています。
栄養素を吸収する、免疫力を発揮する、心を落ちつかせるなど、様々な働きする「腸」を整えることは、スポーツ選手にとってトレーニングの一つと思ってもいいことかもしれませんね。

今回は、腸内環境を整えるために、積極的に摂りたい食材について紹介いたしますね。

【味噌】
腸にとってのスーパーフードです。味噌のたんぱく質は吸収されやすく、善玉菌を増やす元となる植物性乳酸菌を含んでいます。「一日一杯の味噌汁は病気知らず」という言葉があるほどです。
お味噌汁にする以外でも、おもちに味噌をぬって海苔を巻いたり、くるみ味噌を作ってご飯のおともにしたり、お肉に載せたり、野菜を和えたり色々な食べ方があります。

【オリーブオイル】
成分のオレイン酸が腸を刺激して働きを活発にしてくれます。
できればエキストラバージンオリーブオイルを使用し、サラダなどにかけるのがお勧めです。冷奴に塩とオリーブオイルをかけるのもなかなか美味しいです。

【小豆】
小豆は昔、薬として扱われていました。小さな粒の中には栄養がたっぷり入っています。お腹から身体を温めてくれるので冷えが改善されます。解毒作用や血行促進効果もあります。糖質の代謝をうながすビタミンB1も豊富なので、アスリートにとってお勧めの食材です。
お赤飯にして食べるのもいいですね。煮小豆をまとめて作り、ご飯と一緒に炊いたり、煮物に入れるなど、甘いあんこ以外の食べ方もたくさんあります。

【ナッツ類】
くるみ、ピーナッツ、アーモンドなどのナッツ類は、身体に必要な不飽和脂肪酸を含んでいます。腸内の悪玉菌を減らす働きもあります。腸の働きに必要な食物繊維も豊富に含まれています。
ちょっと小腹がすいたときのおやつにお勧めです。サラダに入れたり、ごま和えの代わりに、くるみ和え、アーモンド和えにしてみると違った美味しさが楽しめますよ。

【お米】
長い間お米を食べ続けてきた日本人の腸には、お米の消化を手伝う菌が住んでいます。パンやパスタなど小麦でできたものは日本人の腸には負担がかかります。基本はお米をしっかり食べて、時々パンやパスタにする比率にすれば自然に腸の調子も整ってきます。

【芋類】
食物繊維が腸を刺激して、異物を排出してくれます。水分を吸収して膨れ、腸の壁を守ってくれます。
糖質が豊富でエネルギーにもなります。
今の季節だとさつまいもが美味しいですね。焼き芋をまとめてつくっておき、マヨネーズ和えにしたり、味噌汁の具にするなどアレンジすると便利です。

【野菜】
旬の季節の野菜を食べておくと、腸内の善玉菌が生き生きと活発に働いてくれます。一日に両手のひらいっぱいくらいの野菜を食べるのが理想です。

【海藻】
海に囲まれた列島に住む日本人の腸には、海藻を消化する酵素をつくる細菌が住んでいます。だからこそ積極的に食べたい海藻類にはたんぱく質、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれています。
食物繊維も多く含むので、腸のぜん動運動を促進し、有害物質を排出してくれます。

【梅】
梅は昔、庶民の万能薬でした。殺菌力が強く、抗生物質は有益な菌まで抑えてしまいますが、梅は有害菌のみ抑えるという素晴らしい働きがあります。茹でた野菜を梅肉とオリーブオイルで和えても美味しいです。ちょっとお腹の調子が気になるなぁというときは、梅の成分が凝縮された梅エキス(薬局で売っています)を服用すると効果的です。

以上のような食材を少しづつ常食できるように工夫すれば、腸内環境が整い、心も身体も元気になります。また、腸の善玉菌が好きな温度は37℃、悪玉菌が好きな温度は35℃。お腹を冷やさないように工夫するのも大切です。

今回紹介した食材は基本の食事で摂りたいものです。
食物繊維が特に多い、芋、海藻類は消化に時間がかかるので、トレーニング前、試合当日は避けるようにいたしましょう。

腸に優しい食事
ここに、お肉、果物を組み合わせていきましょう。

小豆とさつまいもごはん/きのことあおさの味噌汁/さつまいもとクルミのマヨネーズ和え
小松菜のアーモンド味噌添え/海藻の梅オリーブオイル和え
サラダ(オリーブオイルと甘酢のドレッシング)

●アスリートフードマイスター2級
奥田 佐智子 (おくだ さちこ)
野菜ソムリエ、マクロビオティック師範
地元の旬の野菜をふんだんに使った旬菜教室、アスリートワンプレート教室など
趣向をこらした料理教室を主宰。
食べ物と身体の関わり、素材の味を活かす調理法、美しい盛り付け、多くの方に作る楽しみ、食べる楽しみを知ってもらう教室を目指し、活動中。
現役市民ランナー(自己ベスト3:22:39)

【ブログ】アスリートフードマイスター・野菜ソムリエの料理教室 sacchin-kitchen Colza
http://ameblo.jp/sacchin-colza

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