第141回 トラママのつぶやき「ケガをした時には」

アスリートフードマイスター2級の篠原知美が
数々のトライアスロン出場経験から“アスリートフード”についてお伝えします。

 みなさん、こんにちは。アスリートフードマイスターの篠原知美です。
先日、息子が階段で転倒し、足首を骨折。ギプス&松葉杖になってしまいました(>_<)
・・・ということで(苦笑)、今回はケガとその回復食についてお話することにします。

まず『骨折』。骨はカルシウムとコラーゲンで形成されています。バランスの良いお食事はもちろんですが、骨折の場合は骨の主な成分であるカルシウムやたんぱく質、コラーゲンを作るために必要なビタミンC、カルシウムの吸収をUpするためにビタミンD(サケ、ブリ、サンマなどの魚類、きのこ類など)を多く摂るようにします。
次に、『肉離れ』は筋肉の一部が切れたり裂けたりしている状態です。筋肉を再生するために、たんぱく質を充分に摂るようにします。
『ねんざ』は、靭帯が切れたり、伸びたりしている状態です。靭帯は、コラーゲンが多いので、たんぱく質とビタミンCを!

ケガと言えば・・・、昨年宮古島トライアスロンに向けて練習中にBikeで落車し右足首の靭帯を断裂。レース当日まであと17日しかないのに、なんと全治1ヶ月の診断。当然すぐに足首は固定され、象のように腫れあがった足首を見て絶望的になりながらも、目標を「何が何でもスタートラインに立つこと!」に変更。あと17日で何ができるか?何をすべきか?を考えました。
①体重を増やさない!
②筋肉量を落とさない!
③回復を早める!

①体重を増やさない!
 ケガをした時は基本的に安静にします。運動量がゼロ、または激減するため、消費エネルギーが少なくなります。回復を早めるために、しっかりと食事を摂ることは大切ですが、
「消費エネルギー < 摂取エネルギー」
になると、体重、体脂肪が増えてしまいます。そうなると、トレーニングを再開した時に、減量から取り組まなければならず、以前のようなパフォーマンスを取り戻すまでにより多くの時間がかかってしまいます。そこで、食事の量を調節、またお夕食は早めに食べ終わるようにし(20時以降は食べない)、糖分の多い清涼飲料水を控え(実は大好き・汗)、体重を増やさないように努めました。

②筋肉量を落とさない!
 ケガをすると今までのようにトレーニングができなくなります。そして筋肉(量)は使わないと落ちてしまいます。安静にしなければならない時期は仕方がありませんが、医師のOKが出たら(トライアスリートは大いに指示に従わず自分で勝手に判断をしがちですがw)できるストレッチや筋トレをするようにします。私はレースに向けて、今まで家ではやったことがなかったスクワットを中心に、筋トレとストレッチを毎日暇さえあればやるようにしました。

③回復を早める!
 年齢が上がると、代謝も落ち、ケガの回復にもより時間を要するようになります。しかし、それを少しでも早めるために「食事と生活」に気をつけるようにしました。
食事については、先ほどお話しました通りに 摂るようにします。
次に、できるだけ『成長ホルモン』の分泌されるタイミングを逃さないようにします。
成長ホルモンは、骨の伸長や筋肉の成長、強化、代謝促進、血糖値や体脂肪など様々なことに関わってきます。特に、分泌のゴールデンタイムと呼ばれるのが、夜22:00~2:00。この時間にしっかりと睡眠をとることによって、子供の成長やケガの治癒、お肌の新陳代謝などがより進むのです。
ケガの時はもちろんのこと、普段の生活から「しっかりと睡眠をとる」ということはとても大切です。

この①②③をいつも以上に心がけた成果か、レース当日はスタートラインに立てただけでなく、ケガをしてからレース本番まで、1度も走らず、Bikeにも乗れずとも、Run:6.5km、Bike:157km、Run:42.195km(悪天候のため、Swim:3kmが中止となり、代わりにRunが追加されました)を無事、制限時間に余裕を持って走り切ることができました。
しかし、実際に完走できたのはこれだけではなく、家族、お仲間や沿道のみなさんの応援、同じくレースに出場している仲間たちとすれ違う度に声をかけあったり、ハイタッチをしたりして、たくさんパワーを頂いたお陰もあります。
人はスポーツなどにおいて“ 応援 ”されることによって、大変なことを乗り越えたり、驚くようなとてつもないパワーを発揮できたり、本当にすごいですよね!
これからも、母として、アスリートフードマイスターとして、食事の面でのサポート(応援)も頑張っていきたいと思います。


骨折した子のいるおうちのある日のランチ『カルシウム強化チャーハン』2人前
<材料>

・胚芽米など お茶碗大盛り2杯 炭水化物、ビタミンB1、E
・焼き鮭(またはフレーク) 切り身半切れ たんぱく質、ビタミンD
・小松菜 50g カルシウム、ビタミンA、C、鉄
・エリンギ、しめじ(またはしいたけ、舞茸などのきのこ類を) 40g ビタミンD
・ちりめんじゃこ 適量 カルシウム
・卵 2こ たんぱく質、ビタミンB2
・ごま 適量 ビタミンB1、カルシウム、鉄、マグネシウム
・塩コショウ、油 適量

①フライパンに油をしき、エリンギを炒める。
②溶き卵を入れ、固まってきたら、小松菜の芯の部分、ご飯を入れ炒める。
③ちりめんじゃこ、残りの小松菜を入れ炒め、塩コショウで味をととのえる。
④お皿に盛りつけ、ごまをふる。

●アスリートフードマイスター2級
篠原 知美 (しのはら ともみ)
子育てをする2児の母でありながら、現役トライアスリート。第1回木更津トライアスロン(スプリントの部)での初代チャンピオンをはじめ、数々の大会で入賞経験あり。
2015年全日本トライアスロン宮古島大会では、完走率が52.2%という悪天候の中、また故障中にもかかわらず見事完走を果たす。
自らが競技を通して得た経験から、パフォーマンス向上を目指す上で、食の大切さを実感。国際線客室乗務員という前職の経験を活かし、現在アスリートフードマイスターとして、トライアスロンをはじめ、スポーツをする方々への食事指導、AFM養成講座のアテンドスタッフとして後輩の学習サポートや説明会にてアスリートフードマイスターの啓蒙活動に参加中。

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