アスリートフードマイスター1級の庄内菜穂子が
ランナー向けの食事実践術を紹介します。
秋風が涼しく気持ちよく走れる季節になりました。トレーニング強化の日々が続くこの時期に、気を付けたいのが「疲労骨折」。骨粗鬆症が懸念される成人女子だけでなく、走るとすねの下部に痛みがでる「脛骨疲労骨折」は、30代の男性ランナーにも多いそうです。三回目となるコラムは丈夫な骨を作り、骨折予防に効く食事術のご紹介です。
【骨は毎日コツコツ生まれ変わる】
骨密度は男女ともに20代後半に減少期に入りますが、骨の新陳代謝は年齢に関係なく続き、骨は約3年で生まれ変わると言われています。やはり毎日の食事が大切ですね。運動した日は発汗によるカルシウムの損失も多くなります。また、骨を鉄筋コンクリートに例えると、コンクリートにあたるカルシウムだけでなく、折れにくい鉄筋にあたるコラーゲン繊維作りには、たんぱく質も必要です。バランスの良い食事を基本に、運動量・発汗量により栄養素の足し算をしていきましょう。
ビタミン類は骨作りにも重要な役割を持っていることもわかります。
① 骨折予防に効く栄養素の効果的足し算
- カルシウム 不足すると骨粗鬆症や骨軟化症になる
(牛乳、乳製品、イワシ、小魚、干しエビ、木綿豆腐、小松菜、ミズナ、大根・カブの葉、ヒジキ等)
+カルシウムの吸収、骨形成に必要なビタミンD(サケ、サンマ、ブリ、イワシ等の魚、キノコ類)
+骨形成に必要なビタミンK(納豆、プロッコリー、コマツナ、ホウレンソウ等の野菜)
+コラーゲンの生成に必要なビタミンC(赤ピーマン、トマト、プロッコリー等の野菜、果物)
+たんぱく質
日本人はカルシウムの1日の摂取推奨量(例えば男性30歳・40歳代、15歳以上女性650mg)に対し、実際の摂取量平均は男女ともに200mg以上不足。運動する人は牛乳1杯(200mlでカルシウム220ml)多く飲みましょう!と言われる所以もそこにありますが、えっ、それでもまだ推称量並み?カルシウムの吸収を良くし、骨全体の形成に必要な栄養素も意識して食事に摂りいれることが大切ですね。
② オススメ食材例 (いろいろありますが、補食含めてコツコツ食べる私のイチ押し)
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・チーズ:カルシウムにたんぱく質はもちろん、リン、亜鉛等のミネラル、βカロテン、
ビタミンB群、ビタミンK等のビタミン類も含む栄養食材。脂質やナトリウムも多いので食
べ過ぎ注意ですが、脂質の少ないカッテージチーズやリコッタチーズもあります。ツマめ
る補食、サラダのトッピングにオススメ。(携帯に便利なベビーチーズも重宝。)
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・イワシ:カルシウムの吸収に必要なビタミンDも同時に摂れ、良質なたんぱく質(アスリ
ートに大切なアミノ酸のBCAAも多い)疲労回復が期待されるビタミンE、オメガ3系
脂肪酸のEPA/DHAも豊富なアスリート食材。片口イワシはナッツと補食に、しらすや
ジャコ、イワシ缶詰は副菜に、干物、鮮魚は主食の時短料理に最適。
③ メニュー例
例1:カッテージチーズのカナッペ(補食・前菜にも)
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・低脂肪なカッテージチーズは減量中にオススメできるチーズです。たんぱく質やカルシ
ウムに加えて、ビタミンB2、B12も含むのでエネルギー代謝とアミノ酸代謝を促進。
ハチミツにナッツ、ドライフルーツ、ミニトマトなどのトッピングも楽しみましょう。
例2:イワシのナッツパン粉焼き
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・イワシの開きにナッツパン粉をまぶして揚げずに焼いて香ばしい!余ったナッツパン粉
でビタミンD豊富なキノコもソテーして付け合せに。
夕食例:イワシのナッツパン粉焼き、ブロッコリーサラダ、小松菜と厚揚げの煮びたし、
ワカメと豆腐のみそ汁
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疲労骨折はランナーのみならず、サッカー、野球など多くのスポーツの“頑張る”競技者に起こりやすい故障です。私も秋のレース期前に足の甲の痛みが慢性化し「中足骨の疲労骨折」が心配になり、病院に駆け込んだことがあります。結果、頑張りすぎない私(笑)は疲労骨折ではなく一安心。日々の食事が大切とはいえ、怪我が疑われたら早めに診察を受けましょう!
(メニュー例のレシピはBlogに掲載予定)
●アスリートフードマイスター1級
庄内 菜穂子 (しょうない なおこ)
アスリートフードマイスター1級の他にもアクティブ野菜ソムリエの資格を保有。
「ヘルシー・エイジング」をコンセプトに、ランニングや登山を長く楽しむための食事作りを提唱。
アスリートフードセミナーや野菜ソムリエとしての講演を多数実施。
食事のとり方も練習のひとつと捉え、江東シーサイドマラソン壮年女子ハーフの部で3年連続1位等、年代別で入賞。
「アスリートフードマイスター&野菜ソムリエ」として美味しく食べてパワーアップできる食事術を伝授します。
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