第175回 アスリート飯 ラグビー選手の食事:試合当日

アスリートフードマイスター2級の村田英理子が
現役ラグビー選手への食事サポート法を紹介します。

皆さんこんにちは!村田英理子です。主人は現役プロラグビー選手の村田毅(むらたつよし)です。現役ラグビー選手の食事サポートを【試合を控えた一週間】【試合への準備】【食材選びの工夫】【調理法の工夫】【増量サポート】の全5回でお届けします。今回は、第2回の【試合への準備】です。

○試合への準備○
試合当日はどのような食事がいいの?と、同じように選手をサポートする奥様方からもよく質問を頂きます。前回は試合に向けた一週間の食事サポートをご紹介しましたが、今回は、試合本番でのパフォーマンスに直結する試合当日の食事についてです。

ラグビーの試合は14時キックオフが多いので、その日を例にご紹介します。
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8:00  起床、ストレッチ ※試合開始の5時間前までの起床
8:30  朝食
11:30  出発
12:30  会場到着
  補食①(試合開始1.5~1時間前):おにぎり、バナナなど
  補食②(試合開始30分前~直前):ゼリー飲料、スポーツ飲料、オレンジジュースなど
14:00  試合開始
16:00  試合終了
16:30  補食③:プロテイン、おにぎり、バナナなど ※試合前後の体重差を補う
19:00  外食:好きなもの
21:00  帰宅
23:00  就寝

*1日を通じてこまめな水分補給を意識
*補食は基本的にチームでご用意頂いているものから、主人自身が調整して選択
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写真は、試合の日の朝ご飯の例です。

・白米ごはん(玄米や雑穀は、栄養価は高いですが消化が遅いのでNG)
・梅干
・新鮮な玉子
・焼き鮭(ビタミンB1補給)
・お味噌汁(カボチャ、玉ねぎ)
・グレープフルーツ(ビタミンC補給)

試合の朝、特に気を付けているのは、①糖質(エネルギー源)の確保②消化促進です。

①糖質(エネルギー源)の確保
糖質(グリコーゲン)は、水分と結びついて体内に貯蔵されます。
脱水症状を防ぐだけでなく、糖質貯蔵という意味でも、水分補給は意識しています。

食材は糖質中心
ご飯(主食)をいつもより多く食べることは簡単ですが、それだけでは食も進みにくく、かえって身体が重く感じてしまったりする可能性もあるので、イモ類やGI値(※)が高くなる食べ合わせで工夫しながら、糖質の量を普段より多くするように心がけています。

※GI値(グリセミック・インデックス値):
血液中のグリコーゲン量を指します。通常時はエネルギー消費が少ないため、GI値が高すぎる食事は、脂肪となり体内に蓄積されやすくなりますが、試合日はエネルギー消費が激しいため、十分にGI値の高い食事を意識しています。

具体的なメニューをご紹介します。カッコ内はGI値で、70以上が高いとされています。

白米+梅干(80)、塩おにぎり(80)、もち+のり(83)バゲット(95、バターには注意)
白米+生卵+しょうゆ(72)、カボチャ(75)、スイカ(72)
白米+納豆(56)、カレーライス(67)→ルーは高脂質

村田家の朝は、普段は納豆ご飯が基本ですが、納豆がGI値を下げることを知ってから、試合の朝は写真の通り「白米+梅干、玉子、焼き鮭、お味噌汁、グレープフルーツ」が定番メニューです。

ビタミンB1を意識
栄養素は、組み合わせることで吸収効率が良くなります。
糖質からエネルギーを作り出すためには、ビタミンB1が効果的です。
(例)豚肉、鮭、緑黄色野菜、豆

②消化促進
朝食は試合開始の3時間前までに終わらせる:試合前にしっかり消化・吸収。
消化の遅いものを避ける:食物繊維、脂質は控えめに。

☆おまけ
ビタミンCを意識
実は、試合の緊張感などのストレスで、体内では急速にビタミンCが使われます。
ビタミンC切れ=スタミナ切れに繋がるので、ビタミンC豊富なフルーツを取り入れています。
(例)柑橘類、キウイ、イチゴ、緑黄色野菜

試合の朝の定番メニューや補食の活用法を覚えていれば、遠征でのビュッフェ式朝ご飯や、チームでご準備いただける補食でも、より効果的な食事サポートができます。サポートされる方だけでなく、ぜひ選手自身にも覚えて実践に繋げていただければと思います。

☆ちなみに・・・
村田家の試合後は「好きなものを食べるご褒美day」です!疲労回復を妨げるようなものは避けるべきですが、多少の“我慢”から解放される方が、心身のリラックスに繋がると考えています♪オンオフの切り替えも大切に!

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アスリートフードマイスター養成講座
http://athlete-food.jp/
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●アスリートフードマイスター2級
村田 英理子 (むらた えりこ)
食生活アドバイザー(2級)・オーガニック料理ソムリエの資格も保持。
プロラグビー選手との結婚を機に栄養学の勉強を本格化。
「食卓に栄養と彩りを」という想いを大切に主人 村田毅をサポート。
ラグビーというコンタクトスポーツで酷使し続ける身体を守ることを基本に、
更なるパフォーマンス向上の手助けとなる食事学を伝授します。

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