第98回 トラブルの少ないアスリートを目指そう!!

ジュニア・アスリートフードマイスターの酒井優が
ベストパフォーマンスを維持する“スポーツのための食事”についてお伝えします。

 はじめまして。ジュニアアスリートマイスターの酒井優です。
 私がスポーツと食事を関連付けてお話しするときに、気をつけていることがあります。それは、食事によってパフォーマンス向上はもちろんのことですが、まずは選手が日々、練習をするためによい状態を作り出すことを第一に考えていきたいということです。一般では考えられない身体活動の量や質をこなすアスリートが、健康な状態を維持できていると考えるのは難しく、ケガや病気といった身体的トラブル、不安やうつといった精神的トラブルが想定されます。マイナス要因を軽減する1つに、食事を位置づけていただけたら幸いです。
 さて、皆さんが“スポーツのための食事”を意識したときに、何が大切と考えますか?『バランスの良い食事』『サプリメントの摂取』という答えがでてくるのではないかなと思います。では、バランスの良い食事とは?サプリメントを摂取する目的は?そこで最初に、栄養素のパワーをいかに最大限に発揮させるかを意識していただきたいと思います。

 例えば、足が速い、瞬発力が高いといった単独の能力も、トータルのバランスが整ってこそ生きるものだと思います。栄養素が持つ可能性も同じです。バランスのいい食事とは、たんぱく質を主菜から、糖質を主食から獲り、ビタミン、ミネラル類は副菜、汁物、乳製品、果物から幅広く取り入れたものですね。主食と主菜があればいいわけではなく、また「骨折予防のために牛乳だけをひたすら飲む!!」といった偏りもいけません。


※炊き込みご飯に納豆という絶妙な組み合わせにしてしまいました。ごめんなさい(汗)

 また、栄養素の組み合わせもとても重要です。皆さんに異性のパートナーがいたとして…貴方の魅力を活かすも殺すもその方次第ですよね。食事にも相性があります。是非、積極的に応援してあげてください。

●骨を作る
 カルシウム+ビタミンK、ビタミンD
●筋力アップ
 たんぱく質
●免疫力アップ
 抗酸化野菜
●疲労回復
 ビタミンB1+アリシン、アスパラギン酸、クエン酸
●貧血予防
 たんぱく質+鉄分

 上記のことを踏まえて、本題に入っていきたいと思います。アスリートが常によいコンディションでトレーニングをするために“故障”は回避したいものです。
 強い体を作るために基本となる栄養素はたんぱく質です。良質なたんぱく質は、体を作っているたんぱく質(アミノ酸)と構造が近く、体内で効率よく合成されるのです。必須アミノ酸の量を元に計算された“アミノ酸スコア”が100に近いものを選びましょう。
 通常練習期の食事で心がけたいことは、筋肉や骨、血液、内臓を作るたんぱく質をたっぷり摂る事。体を大きくするのも、相手に突き飛ばされない筋肉をつけるのも、骨を太くするのも全てたんぱく質が基本です。その上で、骨の成分であるカルシウムや血液を作る鉄分などをプラスします。
 また、毎日の練習の疲れを翌日にひきずらないためにも、エネルギー源となる糖質や疲労回復効果があるビタミンB1、クエン酸、アリシンなどを積極的に取り入れます。激しい運動の後は活性酸素が多く発生し、細胞の老化を早めてしまいます。抗酸化作用の高い食材をどんどん食べるようにしましょう。

 寒くなると、弱い部分に痛みがでる選手も少なくありません。私も、冬場は膝の痛みに悩まされます(医者の不養生ですね…)。そして、今の時期に流行するインフルエンザや風邪もアスリートの敵です。食事で免疫力を高め、もしも患ってしまった時には、早期回復を目指しましょう。風邪対策には、ビタミンA、ビタミンCはもちろん、たんぱく質が欠かせません。食欲が落ち、のどごしのいいものが食べたくなりますが、しっかり食べることが回復につながります。

カゼ予防、早期回復レシピ


長いも300g/玉ねぎ100g/さやいんげん6本/豚ひき肉160g/サラダ油小さじ2/塩、こしょう少々/水溶き片栗粉適量

①長いもと玉ねぎは薄切りにし、さやいんげんは2㎝位の長さに切ります。
②フライパンに油を熱し、玉ねぎを色が変わるまで炒めます。
③②に豚ひき肉と長いもを加えて炒め、豆板醤と塩、こしょうで味を調えます。
④③にさやいんげんを加え更に炒め、水溶き片栗粉でとろみをつけたら完成です。

●ジュニア・アスリートフードマイスター
酒井 優 (さかい ゆう)
中学・高校と柔道の現役選手として、減量とパフォーマンス維持の難しさに直面しながら戦ってきました。ストイックに追い込むことが強さと思っていた時もありましたが、やはり“美味しい”という気持ちは人にとってとても大切で、アスリートも然りです。健康的にスポーツを楽しむ事を追及すると共に、健康的・魅力的なカラダは食事から作られると考え、大学では栄養学を専攻し栄養士を取得しました。現在は二児の母で、保育園に勤務し毎日子供たちに囲まれて過ごしています。
ブログ http://ameblo.jp/sakai1227/

アスリートフードマイスター養成講座はこちら>

カテゴリー: 未分類   パーマリンク