ジュニア・アスリートフードマイスターの尾澤真紀が
ジュニア期の『元気に食べて強くなる』をテーマにお伝えします!
こんにちは。ジュニアアスリート・フードマイスター、尾澤真紀です。
今年も残すところあと一月と少しですね。振り返ると、冬季オリンピックやワールドカップ、テニスの錦織選手や、アジア大会での日本人選手の活躍が印象的でした。将来スポーツ選手を目指すジュニアアスリートにとっても刺激になったのではないでしょうか。また、テレビや雑誌ではこういった世界を舞台に活躍するトップアスリートの食事が取り上げられることも多く、アスリート食への関心も高まってきていると思います。
一方、サプリメントへの関心も高まってきていると思います。憧れの選手に近づきたい、あの選手の愛用しているサプリメントを飲めばもっと強くなれると思っているジュニアアスリートもいるのではないでしょうか。
さて、サプリメントと聞いて、どんな形状のものを想像しますか?
ほとんどの人が錠剤、カプセル、粉末のものを想像すると思いますが、スポーツドリンクやエネルギーゼリーなど液状や半固形状のものもあります。意外と身近に存在しているのです。
国内外の多くのメーカーから色んな種類の子供向けサプリメントが出ています。
パッケージを見てみると、『牛乳の○○倍のカルシウムが入っています!』『これで1日に必要な分が摂れます!』など、素敵なキャッチフレーズについ魅かれてしまいますね。
サプリメントのメリットといえば
手軽に摂取できること。形状の種類も多いので、自分に合ったものを選ぶことができます。コンパクトな点は、持ち運びにも便利ですね。
そして、簡単に手に入ること。今やコンビニや100円ショップでもよく見かけます。
一方、デメリットの部分もあります。
手軽に摂取できるが故、摂り過ぎによる過剰症の心配があります。日本ではサプリメントは「食品」に分類されています。「食品」=『体に良いもの』と思われがちですが、そこに含まれているビタミンやミネラルには上限量がちゃんと決められていて、摂り過ぎると肝臓などの臓器に負担をかけてしまったり、健康へ悪影響が出てしまうこともあるのです。特に、ジュニア期は臓器が成長する大事な時期です。食事を食べて、消化・吸収して、それをエネルギーや、筋肉、骨に変えていく機能を鍛える段階です。
このような大事な時期にサプリメントに頼っていると、大人になっても消化吸収機能が弱いままになってしまいます。
『サプリメント』とは「栄養補助食品」であり、食事で足りなかった栄養素を補うもの。なので、しっかり食事から摂れているなら無理に摂る必要はないのです。
ところで、人気の『プロテイン』ですが、日本語に訳すとどうなるでしょうか。
答えは『タンパク質』。でも、実際プロテインの意味を知らずに「周りが飲んでいるから~」と言って飲んでいる人も少なくはありません。身体はすべて食べ物から作られています。なんとなく摂った方が良いということは知っていても、その正体を知らないというのは、やはり怖いですし、過剰摂取にも繋がってしまいます。
では、トレーニング時のジュニアアスリートが1日に必要なタンパク質量はどれくらいかと言うと、体重1kg当たり2.0g。つまり、体重60kgなら120gになります。食材で置き換えてみると、肉…150g、魚100g、卵…2個、豆腐…1/2丁、牛乳…3杯(600㏄)、ヨーグルト…200gそれに、普段の食事から摂れるこれら以外のタンパク質(ご飯や野菜など)をプラスすればクリアです。
3食と間食で分けるので、例えば、
朝に卵1個、牛乳1杯。
昼に肉150g、豆腐1/2丁、牛乳1杯。
夕に魚100g、卵1個、ヨーグルト200g。
間食に牛乳1杯。
なんてどうでしょう。
プロテイン(タンパク質)は食事からでも十分摂れます!
どうしても難しいのなら仕方ありませんが、本当に補う必要があるのか見直すことが大切です。
●ジュニア・アスリートフードマイスター
尾澤 真紀(おざわ まき)
愛知県出身。管理栄養士。スポーツクラブ勤務を経て、現在は給食会社で厨房業務に携わる。スポーツ栄養士を目指しており、休日などボランティアで地元の高校の部活動の生徒に向け、栄養アドバイス等を行う。
大学時に栄養教諭の免許を取得。
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