第134回 たんぱく質を効率よく摂るポイント ~ささみレシピ~

ジュニア・アスリートフードマイスターの牛島千春が
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こんにちは。ジュニアアスリートフードマイスターの牛島です。
先日栄養士会主催の「スポーツ栄養の基礎基本」という研修会に参加してまいりました。
運動時のエネルギー代謝のしくみや、食事の内容や量、タイミング、水分補給など他にも盛りだくさんの内容でした。
講師の先生は色々なジャンルの選手をサポートされており、それぞれの競技にあったBMIと体脂肪率の両方から目標を決め、さらにその設定値はポジションによって違うとのことでした。スポーツ選手といっても競技によって目標となる体格も違うため、一概に基準が定められず個人個人に合わせた食事が大切だと感じました。
アスリートにとって食事の大切さを改めて認識し、またスポーツ栄養学の奥深さを感じました。

今回は基本に戻ってアスリートにとって体作りに欠かせない成分「たんぱく質」についてお話ししたいと思います。
たんぱく質は筋肉だけでなく血液、骨、皮膚、髪の毛、爪、酵素などを作る役割をしています。
たんぱく質をいかに効率よく摂るかという事が重量なポイントとなってきます。

たんぱく質を効率よく摂るポイント
☆一度に摂らずこまめに摂る
 一度の食事で吸収できるたんぱく質の量は限られていて、40~50gと言われています。
3食必ずたんぱく質を摂り不足分は間食で補いましょう。

☆色々な食品から摂る
 動物性たんぱく質(肉・魚・卵など)は脂肪分が多いので、植物性たんぱく質(大豆製品など)を組み合わせて摂りましょう。色々な食品から摂る事により、たんぱく質以外の栄養素の種類も豊富に摂取できます。

☆ビタミンB6,Cを一緒に摂る
たんぱく質の吸収率アップ!
ビタミンB6…たんぱく質が筋肉へ合成されるのを助ける 
      鶏肉、レバー、じゃが芋、バナナ、赤身の魚、玄米など。
ビタミンC…筋肉や関節、靭帯などの強化
      果物、小松菜、ピーマン、じゃが芋など

☆タイミング
*朝食時もたんぱく質を十分に摂ることが大切です。
睡眠時体温が低下するため、たんぱく質を朝食で摂ることにより、体温を上昇させ、眠っていた脳や体を目覚めさせる役割があります。
*運動直後に補給
運動直後と睡眠中に成長ホルモンが多く分泌されます。
そのため運動直後にバランスの良い食事を摂る事が理想ですが、すぐに摂れない場合は補食で補うことが大切です。
また質の良い睡眠をとること。特に22~2時が成長ホルモンのピーク!
寝るときに食べた物が消化しきれてないと成長ホルモンの分泌が悪くなるので、就寝前には食べないことも大切です。

たんぱく質摂取量
スポーツ選手は体重1kgあたり2gほどのたんぱく質が必要となります。スポーツをしない人が体重1kgあたり1gなので2倍です。(厳密には競技によって摂取量が違います)
例えば・・・体重60kg→たんぱく質120g

≪たんぱく質を多く含む食品≫
鶏ささみ23.0g、鶏むね肉皮なし22.3g、豚もも肉21.3g、牛もも肉21.2g/100g中
まぐろ赤身15.8g/刺身5切れ60g中、さけ17.8g/1切れ80g中、あじ16.6g/中1尾
卵6.2g/M1個中、牛乳6.6g/200ml中
木綿豆腐6.6g/100g、納豆7.4g/1P45g中

≪一日に必要な摂取量の目安≫
納豆1P、卵1個、鶏むね肉100g、さけ1切れ、牛乳1杯→これだけでもたんぱく質60.3g

これに加えて木綿豆腐100g,卵0.5個,鶏むね肉50g,まぐろ刺身5切れ,牛乳1杯→たんぱく質103.6g。ごはんやパンにもたんぱく質が含まれるのでごはん丼1杯300g×3(たんぱく質22.5g)加えると→たんぱく質126.1g
(1日に必要な果物、野菜や調味料を加えてエネルギー約3000kcal程です)
このように食事からも十分なたんぱく質が摂れます。

高たんぱく・低脂肪の食材と言えばやっぱり「ささみ」
動物性食品には多くたんぱく質が含まれていますが、同時に脂質も多く摂ってしまうことになります。
高たんぱく・低脂肪の食材といえば代表的なものが「ささみ」です。
ささみ1本(40g)→エネルギー42kcal、たんぱく質9.2g、脂質0.32g
鶏肉はたんぱく質が多いだけでなく、筋肉増強やスタミナ維持などの効果があるBCAA(バリン・ロイシン・イソロイシン)含有量も多く、そのアミノ酸バランスも優れているため有効に利用されます。
そういった面からもアスリートの方にはささみがオススメと言えるんですね!

そこで今回はそのささみを使ったメニューをご紹介します。

【ささみのグリルサラダ】

材料 1人分
ささみ…3本
塩・こしょう…少々
オリーブオイル…大さじ1
白ワイン…大さじ1
バルサミコ酢…大さじ1
サラダ豆…20g
お好きな野菜
写真では…レタス、レッドリーフレタス、フリルレタス、トレビス
トマト、人参、紫玉ねぎ、パプリカ、ラディッシュ

調理方法
① ささみの筋を取り塩こしょうする。
② オリーブオイルを熱したフライパンでささみを両面焼き、白ワインで蒸し焼き。
③ ささみを取りだし、フライパンにバルサミコ酢を加えソースにする。
④ お皿に野菜と豆を盛り、ささみをのせ、③のソースをかける。
ささみと豆でたんぱく質補給!
写真では食感、味のアクセントにささみの上に、さつまいもをカリカリに揚げた物をのせています。レンコンやニンニクチップでもOK。(カロリーアップしますが…)

【鶏だんご豆乳鍋】

材料 1人分

白菜…1/8株
ネギ…1/3本
人参…1/4本
しいたけ…2個
えのき…1/3袋
豆腐…1/4丁
しらたき…1・3袋
<鶏だんご〉
ささみ…2本
ネギ…5cm
しょうが…1/3かけ
卵白…1/3個
豆腐…30g
酒…小さじ1
味噌,醤油,ごま油,片栗粉…各小さじ1/2
<スープ>
鶏ガラスープ…200ml
味噌…大さじ3/4
酒,みりん…大さじ1/2
すりごま…大さじ1/2
豆乳…100ml

調理方法
①鶏だんごの材料をフードプロセッサーにかけ混ぜる。
②豆乳以外のスープの材料を鍋に入れ火にかける。
③火の通りにくい物から順に入れていく。
④鶏だんごをスプーンですくって入れる。
⑤最後に豆乳を加えてひと煮立ちさせる。(豆乳は分離しやすいので最後に)
お好みで食べるラー油を添えて♪
ささみ、豆腐、豆乳、卵白でたんぱく質補給はバッチリです☆

たんぱく質は貯蔵できないため、摂りすぎると余った分は体脂肪として蓄積、肝臓や腎臓にも負担がかかります。
また動物性たんぱく質にはリンが含まれており、カルシウムの吸収を妨げます。
摂りすぎには気を付けましょう。

トレーニングだけでなく食事・休息をしっかりとり、勝つための体づくりをしていきましょう!!

●ジュニア・アスリートフードマイスター
牛島 千春 (うしじま ちはる)
管理栄養士・調理師。大学時代はスポーツ栄養について研究し、現在は病院にて栄養指導を行うかたわらスポーツクラブにて勤務。
患者様への栄養指導だけでなく、アスリートの方々に食事面でサポートできたらと思い資格を取得しました。「食事もスポーツも楽しく続ける」をモットーとしています。趣味はジョギング、ゴルフ、ベリーダンスで日々スポーツを楽しんでいます。

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