第168回 この夏、自分史上最強の自分になる!熱中症対策

アスリートフードマイスター2級の鰐川せりなが
ジュニア選手指導の現場から、ジュニアのアスリートフードについてお伝えします。

夏に力をつけたいとき、熱中症対策は怠れません。
重度の熱中症ともなれば、痙攣や意識障害など深刻な事態になりかねず、力を伸ばすべく挑んだ練習が一転して、命の危機に晒されることになるのです。
この夏は熱中症対策を万全にして、その先にあるパフォーマンスを維持向上させる水分補給と食事について考えていきましょう。

体重の2%の水分が低下することにより、パフォーマンスは低下します‼︎

ジュニア選手の注意点

  • 体調の変化に気がつきにくく、無理をしている自覚がないことから対応の遅れを招く恐れがある。
  • 背丈が小さく、地面からの暑さの影響を受けやすい。
  • 大人と比較したとき、体内に保持する水分量に対しての体表面積の割合が大きく、脱水を引き起こしやすい。

1.水分補給

運動時の水分補給の目安(1時間を超える運動)

時間 目安量 種類
運動前2時間〜30分前 250ml〜500ml アイソトニック飲料
運動中の早い段階 1時間あたり500ml〜1000ml
1度の摂取量は100ml〜200ml
アイソトニック飲料
運動中の中盤〜終盤 ハイポトニック飲料
運動後   アイソトニック飲料
牛乳 オレンジジュース

※暑い時期の目安は1時間あたり1000ml程度
※5℃程度に冷えたもの

アイソトニック飲料:体液と浸透圧が同じ飲料
安静時の体液とほとんど同じ浸透圧であるため、運動前や運動前半にオススメです。
特に運動前には、糖質の補給による速やかなエネルギーチャージが可能なことから疲労回復に効果があると言われています。
また運動後の速やかなエネルギー補給にも有効です。

ハイポトニック飲料:体液より浸透圧が低い飲料
運動を行うと水分と共にナトリウムなどのミネラルが排出されます。このとき、体液の濃度に変化があります。浸透圧が低く設定されたハイポトニック飲料がより早く吸収される飲料となります。
運動の中盤から終盤にかけてオススメ。
アイソトニック飲料を1,5倍程度に薄めても◯。

麦茶の注意点
さっぱりした麦茶は喉越しが良く、ジュニア選手には麦茶を好む選手も多くいます。
しかしながら、長時間の運動中の麦茶の大量摂取は、体液を薄めてしまうことに繋がります。体は、体液の濃度維持を優先し、水分の吸収が後回しになるのです。
麦茶を好む選手は、同時に塩分と糖質の摂取にも気を配りましょう。

危険‼︎ おなかがタポタポして動けなくなるから飲みたくない
→選択した水分の種類が、体内の状態と合っていないことが原因かもしれません。
状況に合わせて吸収のよい飲料を選択して水分が小腸に留まるのを回避しましょう。
危険‼︎ 朝から熱中症
→ 朝起きてから運動前までにしっかり水分補給することで回避しましょう。

2.食事から補給

  • お弁当から ナトリウム マグネシウム ビタミンB群を補給
  • フルーツから 水分 糖質 カリウム を補給
ナトリウム : 汗によって水分とともに失われる。浸透圧の維持に働く
マグネシウム:熱中症の症状に脚が攣るなどがあるが、マグネシウム不足が原因。
カリウム : 細胞の水分の保持に働く。
ビタミンB群:糖をエネルギーとして使うために必要。たんぱく質やアミノ酸の働きに関与。

麺つゆ 白だし ぽん酢などの調味料は、塩分を多く含むことからナトリウムの摂取に役立ちます。
海藻類や大豆製品、さくらえびなどにはマグネシウムが含まれています。
スイカ メロン 桃 オレンジ 夏みかんなどにはカリウムが多く、同時に果糖や水分を得ることができます。
ビタミンB群は赤身のお肉や魚、緑黄色野菜などから得ることができます。

基本編の考え方<アスリートフード=バランス食+不足させない意識>に、これらの栄養素を当てはめてプラス‼︎

パフォーマンスを維持向上させる夏へ‼︎ 進化のとき‼︎

●アスリートフードマイスター2級
鰐川 せりな (わにがわ せりな)
公益社団法人 日本アロマ環境協会認定アロマテラピーインストラクター
小学6年生から3歳までの四兄弟を育てる母。
明治大硬式野球部出身の主人とともに、「ジュニア選手の健全育成のためのトレーニング・食事・ケア」の普及に取り組んでいます。
セミナー・ワークショップ・野球教室・個人相談など多数。
夢を追うこどもたちと同様に、こどもたちをサポートするお母さんを応援しています。

【ブログ】わに家の野球とごはんと時々アロマ~四兄弟の子育てDairy~

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