アスリートフードマイスターの國井克己が
ジビエの謎と誤解を解き、アスリートのためのジビエ活用術をお届けします!
十一月十五日愛知県岐阜県も猟期解禁、本格的なジビエシーズンの到来です。
ジビエの代表選手は鹿、猪ですが鴨も忘れてはなりません。
僕は鴨は空気銃、散弾銃、網、様々な猟具を駆使して捕獲しています。
猟師の減少、鳥インフルエンザ問題、溜め池の減少などから
鴨猟師は獣猟師以上に減っています。
鴨猟で一番困難なのは回収作業、
池や川の中や草むらから狩った鴨を回収しなければなりません。
回収専用の投げ釣り竿を造ったり、ラジコンボートを使ったり、ウエットスーツ等を着て水に入ったり、カヌーやゴムボートetc
しかし狩猟犬を飼っていれば犬が泳いだり探したり、回収はぐっと楽になります。
猟犬と言っても様々な犬種がいます。
ヨーロッパでは古くから犬の品種改良により様々な猟犬が造られ品種固定されました。
ダックスフント ダックス=アナグマ フント=猟犬 細く長い胴はアナグマの穴に入りやすいように改良された品種なのです。
レトリバーは回収を意味するレトリーブが語源で回収者の意味、 あまり知られていないですが指の間に水かきがあり、泳いで鴨の回収の為に造られた犬種です。
他にもポインター、セッター等の犬種も語源は狩猟用語です。
狩猟犬は愛玩犬と違い、物凄い運動量を欲します。毎日運動させないとストレスを貯め凶暴化する場合もあります。
僕が飼っているのはブリタニースパニエル、フランス原産の狩猟犬です。
ペットショップで見かけることは殆ど無く、アジリティーの競技者やハンターぐらいしか飼ってないです。
僕も有名な鳥撃ちハンターの方の子犬を譲ってもらいました。
やはり一般的なペット犬と違い物凄い運動欲求なので毎日、雨の日も風の日も一緒に名城公園を八キロ走り、定期的にトレイルも走り川も泳いでいます。まさにアスリート犬です。
狩猟の良きパートナーで草むらのキジなどの探索から、水上の鴨の回収までこなしてくれます。
おかげで鴨猟がぐっと楽になりました。
さて本題、ジビエ、鴨です。鴨は様々な種類がいます。カルガモ、コガモ、オナガ、ハジロ、マガモ等
その中でも一番美味といわれているのがマガモ、通称 アオクビです。
鴨は栄養たっぷりで、特にビタミンB郡が豊富です。肌の代謝に大きく関わり、ビタミンBはビタミン美と表現されるほどです。
また鴨の脂肪はDHA、悪玉コレステローロを減少させてくれる必須脂肪酸です。
鴨の脂は融点が非常に低く口溶けもいいので冷製でも美味しく食べることが出来ます。
保存がきき、癖のない燻製の作り方を紹介します。
家庭で作るならば合鴨やマグレカナール(フォアグラを抜いた後の鴨)の胸肉が手に入れやすいと思います。
胸肉を六パーセントの塩水に一晩漬け込みます。
流水で15分ほど塩抜きします。
ピチットシートに一晩包んで脱水します。
中華鍋に桜のスモークチップを引き網を載せそこに鴨肉をのせて蓋をして燻製にします。
フライパンで胸肉の脂面の表面に焼き色を付けます。
ジップロックに入れて70度の湯煎に30分ほどつけます。
冷めたら完成です。
冷蔵庫で一週間程度保存も出来ます。
食べる量だけ薄くスライスして皿に盛り付ければ完成です。
●アスリートフードマイスター
國井 克己 (くにいかつき)
飲食店主であり猟師でもある。
ジビエの捕獲から調理販売までこなすジビエのエキスパート。
猟期は愛犬を従え山を駆け巡りジビエの調達をしています。
トレーニング暦は三十年、年間平均体脂肪は10パーセント。
ジビエを使ったアスリートの食事指導と提供も行っています。
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