アスリートフードマイスター1級の佐々木晶子が
トレーニング経験とアスリートフードの知識から栄養サポートレシピをお伝えします。
ビタミン・ミネラル・水分をしっかり補給
アスリートの皆様なら、きっと 「あああー、脚が、脚が・・・!」 と悶絶した経験をお持ちではないでしょうか。「脚がつる」というのは「本人の意思に反して筋肉の一部だけが異常に収縮している状態」のことです。運動中だけでなく、睡眠中や日常生活の中でも発生します。
私も、中学生の頃毎晩のように睡眠中にふくらはぎがつって目が覚め、苦しんでいると母もハっと起きてくれたことを鮮明に覚えています(声は出せたので金縛りではないと認識しています^^; )。また、同じく中学の体育の授業前にジャージを履くとき、決まって右のハムストリングスがつったという記憶も持っています。
では、なぜ筋肉の異常収縮が起きてしまうのでしょうか。
骨のまわりに付いている筋肉は、ほぼ自分の意志で動かすことができます。しかし、足がつったときは、収縮した筋肉を自分の意志で伸ばすことができません。それは、「自分の思いのままに動かせる」という神経伝達システムにエラーが起きているからです。
神経伝達物質を脳から筋肉に運ぶのは「ビタミンB群」、物質の筋肉への出入りをコントロールするのは「カリウムとマグネシウム」です。これらの栄養素は水に溶ける性質があり、汗をかいたときに一緒に流れ出てしまいます。よって、汗をかく機会が多いアスリートは継続的な補給が欠かせません。
そして、甘いもの、油っこいものの摂取が多いと、この3つの栄養素の働きが鈍る傾向があるため控えることが大切です。
普段の食生活で、バランス良く食べることを心がけ予防対策しましょう。
これらの栄養素を含み、足のつり防止に効果的な食べ物をいくつかピックアップしてみます。
※他にもありますが、代表的で手に入りやすいものを挙げています。
1.バナナ
バナナには、筋肉を調整し疲労防止効果のあるカリウムが豊富に含まれています。マラソンレースのエイドステーションにも常連の果物ですね!
2.トマト
トマトも、バナナと同様にカリウムが豊富なうえ水分もたくさん含んでいます。ミニトマトやトマトジュースでもokです。
3.アーモンド、納豆、ひじき
筋肉をゆったりとリラックスさせる効果のあるマグネシウムが豊富です。冷蔵庫に常備しておくと良いですね!
4.イカ、タコ
魚介類は筋肉疲労に効果があるアミノ酸タウリンが豊富です。高タンパク低脂肪なのも嬉しいですね。
5、卵、玄米、豚肉
神経の動きや伝達に効果があると言われているビタミンB1が豊富です。不足すると、過敏になり疲れもたまります。
6、スポーツドリンク
水分が不足すると、血液の流れが悪くドロドロになり、脚つりの大きな原因の1つとなります。
汗を大量にかいたときは、水分だけでなく失ったナトリウム(塩分)などのミネラルも補給しましょう。スポーツドリンクは、ナトリウムに加えカルシウムやマグネシウムなどのイオンも手軽に補給できるのでオススメです。
※参考レシピ。クリームチーズを塗ったトーストに、輪切りバナナとミニトマトをのせ、ローストしたアーモンドをトッピング。
もちろん、これらの栄養を摂ればすぐに劇的に改善されるということではありません。ただ、心がけることで予防につながります。また、食事だけでなく、運動のしすぎ(しなさすぎ)、生活習慣の乱れなども原因と言われています。
食事・運動・休養をトータルで考え予防していきましょう!
●アスリートフードマイスター1級
佐々木 晶子 (ささき あきこ)
東京在住、山形出身のアスリートフードマイスター。
ランニングやロードバイクを趣味とし、レース出場経験あり(フルマラソン13回完走、富士ヒルクライムレース完走)。
自身のトレーニング経験とアスリートフードの知識を活かし、アマチュアアスリートを対象に食のワークショップや栄養サポートを実施。
栄養が豊富でおいしいことを前提に、「食の楽しみ」「ときめくスタイリング」も大切にしている。考案したレシピやメニューを日々SNSにて発信。
【Instagram ID】 : AKIKO.SASAKI3
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