ジュニア・アスリートフードマイスターの菅野 真喜が
季節に合わせた食事トレーニングで「何を食べるか」「なぜ食べるか」を発信します!
10月~翌年3月までは大型マラソン大会の季節。気候的にもすごしやすく大会に向けて走りこみにもいい季節ですね。今回はトレーニング期~大会までトレーニングを無駄にしないために必要な栄養について。
体に栄養が一番吸収されるのは運動した直後。ここで何を補うかで疲労回復力と1ヶ月先の筋肉の質も変わってきます。
強度の高い運動後は体のエネルギーを消費しており、筋肉疲労と筋肉分解を防ぐために運動後30分~1時間以内に糖質とたんぱく質(アミノ酸)の補給が重要といわれます。
ここ数年のフルマラソン大会ではゴール後に「たんぱく質をとりましょう」とホエイプロテインパウダーやプロテイン入りドリンクが提供される場合があります。
プロテインの種類には、生乳に含まれるホエイ(乳精)から作る「ホエイプロテイン」と大豆から作る「ソイプロテイン」があります。どちらも運動後の筋肉分解を防ぐアミノ酸を含んでいます。
アミノ酸のうち、グルタミンが多いのは「ソイプロテイン」で、BCAA(ロイシン、バリン、イソロイシン)の含有量が多く、体に吸収される時間が速いのが「ホエイプロテイン」です。
私はフルマラソン位の強度高い運動をする時は市販のホエイプロテインを使用しますが、通常のトレーニングの時は乳製品で補います。特に乳酸菌はカルシウムの吸収率もあげてくれます。
ランニング後、まずはシャワーを浴びる前にヨーグルト、バナナ、牛乳と果物をミキサーにかけてヨーグルトスムージーに。
ソイプロテインをとる場合は豆乳。植物性たんぱく質はアミノ酸として分解され体に吸収されるまでに時間はかかりますが、満足感の継続時間が長いので、運動後食事までの時間が長い場合や夜のランニング後、食事量を抑える時は豆乳を使ってスムージーや豆乳スープを作って飲むなど、状況に合わせて使いわけをしています。
ところで、一日に必要なたんぱく質量というのを知っていますか?
体重1kgに対して1g(60kgの人は60g)が一日に適切なたんぱく質量。持久系スポーツをする人は体重1kg当たり1.2~1.4g程度で充分といわれます。
肉、魚、大豆、卵、乳製品、穀類にもたんぱく質は含まれるので、通常のバランスのとれた食事でたんぱく質を補う分には不足する事も、とりすぎる事もありません。
しかし食事以外に必要以上のプロテインやサプリメントをとっていたり、炭水化物を極端に減らし、加工食品を大量にとる人はたんぱく質の取りすぎにより腎臓に負担を与える事になるので注意が必要です。腎臓は老廃物を排出する働きがあるので、疲労回復にも重要な臓器。「疲れやすい」「むくみやすい」等の症状が続く場合はたんぱく質の量や質を見直す必要があるかもしれません。
食事もトレーニングもバランスが大事ですね。
●ジュニア・アスリートフードマイスター
菅野 真喜(かんの まき)
乳製品関係の仕事をする一児の母&北海道フードマイスターでもある走歴5年の市民ランナーです。2013年は年間5本のフルマラソン完走とサブフォー(4時間切り)を達成し、今年はウルトラマラソンにも挑戦!。一年通して走り続ける体力&すばやい疲労回復を維持する事を心がけています。
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