第109回 諏訪大社の鹿食免(カジキメン)

アスリートフードマイスターの國井克己が
ジビエの謎と誤解を解き、アスリートのためのジビエ活用術をお届けします!

日本では明治以降一般的に肉食がなされるようになったと言うのが通説であるが、実は肉食、獣食の歴史は古く、特に山間部では田畑を荒らす猪や鹿を日常的に駆除して それを食べるのは当たり前でさえありました。
新撰組の本願寺での猪鍋問題は有名な話として語り継がれています。
現代より過酷な肉体労働を強いられた山間部の農家や、ある意味アスリートである新撰組隊士にとっては 猪や鹿は貴重なタンパク源、生きるうえで必要不可欠なものでありました。
因みにたんぱく質の英単語プロテインは
ギリシャ語の
 最も大切なもの 
を意味する言葉が語源であり、タンパク質は人間が生きるうえで最も重要な栄養素であることが解ります。

しかし江戸時代の日本、仏教で肉食は禁止されています。
では日本古来の神社に許しを請えば!
それが
諏訪大社の鹿食免(カジキメン)
なんと鹿猪を食べても良い免罪符なのです。
素晴らしい日本的な考え、まさにダブルスタンダート(笑)

江戸時代、魚介類の少ない山間部ではアスリートにとってジビエが如何に必要不可欠だったかわかります。そして当時のアスリートに肥満が少ないことも過去のデータを検証することによりわかってきました。
その根本が、少ない米 低炭水化物 豊富な野菜 そして高たんぱくなジビエです。
当時は脂をとる習慣の無い日本人にとって脂の載った猪はご馳走で、脂の少ない鹿は二番でした。

しかし近年、本当にここ数年の間に価値観は逆転しつつあります。
高たんぱく、低脂肪、栄養満点の鹿肉が見直されています。
鹿肉のロースも入手しやすくなってきました。

本日は簡単に造れる、鹿ロースのカツレツ風です。

まずは鹿ロースを焼肉サイズにスライス
鹿肉を塩コショウをして香ばしく焼いておきます。

フライパンにパン粉と菜種油を入れて香ばしくなるまで炒めます。

好みでハーブを入れてもおいしいです。
今回はマジョラムとオレガノが入っています。

鹿を焼いたフライパンに酒と醤油、ワサビを入れて軽く煮立たせます。
ソースの完成です。
皿に鹿肉、お好みの野菜を盛り付け、ソースをかけます。
仕上げに炒めたパン粉をまぶして出来上がりです。

揚げるよりヘルシー
食べごたえもあります!
是非お試しください。

●アスリートフードマイスター
國井 克己 (くにいかつき)
飲食店主であり猟師でもある。
ジビエの捕獲から調理販売までこなすジビエのエキスパート。
猟期は愛犬を従え山を駆け巡りジビエの調達をしています。
トレーニング暦は三十年、年間平均体脂肪は10パーセント。
ジビエを使ったアスリートの食事指導と提供も行っています。

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