アスリートフードマイスター2級の鰐川せりなが
ジュニア選手指導の現場から、ジュニアのアスリートフードについてお伝えします。
第2回はジュニア選手の【お弁当編】をお届けいたします。
運動中のお昼ごはんはしっかりと召し上がっていますか?
帰宅後「クタクタでごはんを食べずに(少しだけにして)寝てしまう」
試合中「後半は集中力が切れる」
などといった場合には、エネルギー不足が考えられます。
お弁当も【基礎編】の食事量を意識!食べやすく工夫してエネルギー補給しましょう。
●運動中のお弁当の役割とは
[1]運動に必要なエネルギーを確保すること
自分の持つ能力を発揮することやケガの予防につながります。
[2]帰宅後の食べる元気を守ること(リカバリーの機会を確保)
運動後に体を回復させるためには、その後の食事が重要です。欠食に繋がる過度な疲労を防ぐため、エネルギーにも余力が必要です。
【ジュニア選手に多い 睡眠 > 食欲】
大人のアスリートが食事に関心を持ち、能動的に食事を含めたコンディショニングを行うのとは対照的に、一般的なジュニア選手は競技そのものへの関心の高さに比べ、「食事=トレーニング」という認識は低いと思われます。
疲れすぎて眠いときに、どうにか工夫して体のために食事を摂ろうという気持ちにはなりづらいのです。
【体調や限度の把握の難しさ】
ジュニア選手は、上達したい一心でいつでも全力で取り組みます。運動に没頭するため、環境や自身の変化に気づかずに、結果的に無理を重ねることがあります。
●だからこそ、しっかり食べる!お弁当あれこれ
ある日の小学生野球少年のお弁当
しらすおろしとミニトマト入りめんつゆ
冷うどん
パプリカにんじんピーマンのレンジ蒸し
マーマレード煮の豚丼
お赤飯のおにぎり
果物
フルーツゼリー
オレンジジュース
牛乳
☆麺類(うどん・パスタ)の活用 : 主食
暑いときに、たくさんのお米を食べるのはなかなか大変です。主食の摂取方法を工夫しましょう。
うどん+ごはん=食べやすく持続可能なエネルギーの確保
うどんは、消化が良く活動のエネルギーとなりやすい反面、含まれるエネルギー量では同じ重さの精白米に比べ少ないという特徴があります。速さと持続性、必要量を考えて、うどんとごはんの双方からエネルギー補給をすることで、練習終了までエネルギー切れを起こさない対策としています。
※チームの指導方針等で麺類をお弁当に持たせることができない場合
ごはんは汁物との組み合わせで食べやすくなります。スープジャーに汁物を入れて、かけて召し上がるのもおすすめです。(冷たい鮭お茶漬け、冷汁、スープがけごはんなど)
☆つけダレの工夫 : 副菜
つけダレに具材を加えると、副菜の一つとして考えることができます。
消化を促進する大根おろしや大葉、胃の粘膜を保護してくれるオクラ、ビタミン補給に夏野菜を加えたり、鶏肉のほぐし身やしらすを取り入れるなどして、バリエーションも楽しめます。
なにより、副菜を主食と組み合わせて摂取でき、食べる負担が軽減できます。
☆おかずとごはんは一緒が食べやすい : 主菜+主食
ごはんの上に主菜をのせる丼が食べやすくおすすめです。主菜を分散して、おにぎりの具にするのも良いでしょう。
☆果物の活用
果物は、豊富な水分とビタミンミネラル、糖質などを含みます。果糖の吸収は早く、速やかにエネルギーに変わります。
また、程よい酸味が口の中をさっぱりさせるため、食欲のない時には食前に召し上がるのもおすすめです。
☆オレンジジュース・フルーツゼリー
素早く吸収される糖質を含んでおり、エネルギーの積み上げには最適です。
練習後に取り入れることも可能です。
市販品を選ぶと、衛生管理がしやすいこともポイントのひとつです。
これからの時期のお弁当作りは、衛生面に配慮しながら、ぜひ様々に楽しんでください。
●アスリートフードマイスター2級
鰐川 せりな (わにがわ せりな)
公益社団法人 日本アロマ環境協会認定アロマテラピーインストラクター
小学6年生から3歳までの四兄弟を育てる母。
明治大硬式野球部出身の主人とともに、「ジュニア選手の健全育成のためのトレーニング・食事・ケア」の普及に取り組んでいます。
セミナー・ワークショップ・野球教室・個人相談など多数。
夢を追うこどもたちと同様に、こどもたちをサポートするお母さんを応援しています。
【ブログ】わに家の野球とごはんと時々アロマ~四兄弟の子育てDairy~
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