第110回 スタミナ・体作りのために必要な「間食」を上手に摂ろう

ジュニア・アスリートフードマイスターの牛島千春が
実践しやすく楽しく続けられる情報をお届けします!

こんにちは。ジュニアアスリートフードマイスターの牛島です。
毎日厳しいトレーニングをされている方も多いと思いますが、エネルギーは充分に足りていますか?
アスリートの方は、一日に大量のエネルギーを必要とします。
そのため1食の量が多くて3回ではなかなか摂りきれなかったり、食事とトレーニングの間に時間があいてしまうような場合は、間食で栄養を補う必要があります。
途中でスタミナ切れになるとパフォーマンスが低下し、試合の場合は結果にも影響します。また集中力の低下、けがにもつながります。
アスリートにとって、「間食」はただの「おやつ」ではなく、栄養を補給する「補食」の役割でもあります。

≪間食のポイント≫  量・質・タイミング
1.トレーニング前 : 糖質を十分に体内に蓄える。
運動時の重要なエネルギー源は糖質です。
糖質は体内でグリコーゲンとして主に肝臓と筋肉に蓄えられます。グリコーゲンの貯蔵が十分でないとスタミナ切れでパフォーマンスの低下につながります。
 
 トレーニング開始まで2時間程ある場合…おにぎり、バナナ、脂質の少ないパンなど
 トレーニング開始まで30分しかない場合…100%フルーツジュース、スポーツドリンク、
 ゼリーなど 
 ※消化が良くすぐエネルギーになる糖質中心のもの。油が多いもの、食物繊維が多いものは消化に時間がかかるため避けましょう。

2.トレーニング中 : 水分、ミネラルの補給
スポーツドリンク、ゼリー飲料などをこまめに摂りましょう。

3.トレーニング後 : 糖質とタンパク質をすばやく補給
トレーニングにより貯えていたエネルギーが減り、筋肉も疲労しています。
トレーニング直後は糖質、タンパク質ともに回復に最も有効なゴールデンタイムです。
できるだけ早く補給することで体作り、疲労回復、けが予防にもつながります。
バランスの良い食事を摂ることが理想的ですが、時間があいてしまう時は間食で補いましょう。

糖質 おにぎり、パン、サンドイッチ、肉まん、バナナなど
エネルギー補給、筋肉・肝臓のグリコーゲンを回復
たんぱく質 牛乳、ヨーグルト、チーズ、卵など
筋肉のもととなる、ビタミン・ミネラルも含む
ビタミン みかん、100%ジュース、梅干し
疲労回復に効果的なクエン酸配合

☆おすすめメニュー☆
≪たんぱく質・ビタミンたっぷりケークサレ≫

【材料】
薄力粉      ・・・150g
ベーキングパウダー・・・小さじ2
卵        ・・・2個
絹ごし豆腐    ・・・150g
オリーブオイル  ・・・大さじ2
パルメザンチーズ ・・・50g
厚切りベーコン  ・・・80g
玉ねぎ      ・・・1/2個
パプリカ     ・・・1/2個
ブロッコリー   ・・・1/3個
塩・こしょう   ・・・少々
セルフィーユ(またはディル)少々

【作り方】
① ベーコン、玉ねぎ、パプリカは1㎝角に切る。
 ブロッコリーは小房にわけ軽く塩ゆでしておく。
② オリーブオイル(大さじ1)でベーコンを炒める。
 玉ねぎ、パプリカの順に加えて炒め、最後にブロッコリーを入れ軽く炒め、冷ましておく。
③ ボウルに卵を入れ泡だて器でほぐし、絹ごし豆腐(水切りしなくてよい)、オリーブオイル(大さじ1)を加え混ぜる。
④ 薄力粉、ベーキングパウダーを混ぜて③にふるい入れる。ゴムべらでさっくりと混ぜる。
⑤ ④のボウルに②の具を加え混ぜ、敷紙をしいた型に入れる。上にセルフィーユを飾る。
⑥ 180℃のオーブンで45分焼く。竹串を刺して生地が付いてこなければOK。
⑦ 型から外して網の上で冷ます。

糖質はもちろん卵・豆腐・チーズからたんぱく質、野菜からビタミンが摂れる甘くないケーキです。トレーニング後の栄養補給や朝食にもオススメです。トースターで温めて食べてもおいしいです。
ベーコンを入れるとおいしいですが、カロリーが気になる場合は減らしたりなくてもあっさり食べられます。
野菜はトマト、アスパラ、ほうれん草、かぼちゃ、さつまいも、コーンと何でもある物でOKです。セルフィーユはなくても大丈夫です。

間食も手作りのものが良いですが毎日はなかなか難しいと思います。トレーニング直後に補給したいのでコンビニなど利用してもよいです。

またどうしてもお菓子を食べたい時もあるでしょう。
お菓子類には脂質が多く含まれているため、過剰摂取は体脂肪増加につながります。またお菓子でカロリーを摂りすぎた分食事の量を減らしてしまうと、必要な栄養素が不足してしまいます。

≪おやつのポイント≫   食べる時間
前回お話ししたように人には体内時計があり、お菓子を食べても脂肪になりにくい時間帯があります。脂肪細胞に脂肪をため込む働きをする「BMAL1(ビーマルワン)」は、時間帯によって分泌量が違います。分泌が一番少なくなる時間が午後2時~3時ごろ。逆に多くなる時間は午後10時~午前2時ごろです。そのため、お菓子を食べるなら夜より3時ごろ食べた方が脂肪になりにくです。
体重・体脂肪を考慮し、量と頻度に気を付けて摂りましょう。

食べたものを記録し、何を食べた時に調子が良かったかをチェックすることにより、自分にあった食べ物が分かります。
間食を上手に摂りエネルギーを貯え、トレーニングや試合に臨みましょう。

●ジュニア・アスリートフードマイスター
牛島 千春 (うしじま ちはる)
管理栄養士・調理師。大学時代はスポーツ栄養について研究し、現在は病院にて栄養指導を行うかたわらスポーツクラブにて勤務。
患者様への栄養指導だけでなく、アスリートの方々に食事面でサポートできたらと思い資格を取得しました。「食事もスポーツも楽しく続ける」をモットーとしています。趣味はジョギング、ゴルフ、ベリーダンスで日々スポーツを楽しんでいます。

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