第151回 故障しない身体をつくろう!

アスリートフードマイスター2級で野菜ソムリエの奥田佐智子が
マラソンランナーのための“アスリートフード”についてお伝えします。

みなさんこんにちは。走るアスリートフードマイスターさっちんです。
現役市民ランナーの視点から、楽しく、長く、強く走れる身体をつくるための情報をわかりやすくお伝えさせていただきます。よろしくお願いいたします。

ランニングの練習を重ね、距離が走れるようになり、「フルマラソンを完走したい」「自己記録を更新したい」という目標ができると、モチベーションがアップしてさらに頑張れてしまいます。しかし、走りすぎて故障してしまったというのはよく聞く話。目標ができたのに走れないのはとても辛いですね。
ランナーの場合は、身体=道具ですから、「練習」+「休養」+「食事」の3点セットがトレーニングと思って取り組むことが大切です。休養は、さぼっているのではなく身体を回復させるトレーニングなのです。
食べることも、身体をつくるトレーニングと思って、楽しく取り組めるといいですね。

今回は、故障しない身体をつくるための「食事」面についてお話させていただきます。
故障しない身体をつくるためには、筋肉、骨、靭帯、腱といった部分を強くしていく必要があります。
そのために摂りたい食材について紹介いたしますね。

【たんぱく質】
運動で強い力が筋肉にかかると、筋肉の繊維に細かい傷がついた状態になります。運動後(30分~1時間以内)に、筋肉の材料となるたんぱく質をしっかり摂ることによって、傷ついた筋肉は修復され、より強いものへと生まれまわります。
運動直後と普段の食事3回に分けて、たんぱく質をしっかりと補給します。
一度の食事で吸収されるたんぱく質量には限りがあり、摂りすぎたものは脂肪になってしまいますので小まめに摂ることを意識しましょう。

パンにハムやチーズを載せる、ごはんに卵をかける、納豆をつける、豆乳にきなこを混ぜるなど、ちょっとした工夫で増やすことができます。

【糖質】
運動後にたんぱく質摂取が必要なのはよく知られていますが、意外に軽視されがちなのが、糖質の摂取です。たんぱく質よりも糖質(エネルギーになるもの=ごはん、パンなど)を優先的に摂取することが大切です。なぜなら、人間は生きていくためにエネルギーが必要です。エネルギーが枯渇した状態でたんぱく質を摂取しても、たんぱく質は筋肉の修復よりもエネルギーを作るほうに使われてしまいます。
トレーニングの後は、ついついビールとおかずで乾杯!!になってしまいがちですが、ひとまず糖質を補給してから、ビールとおつまみ(たんぱく質)で乾杯するようにいたしましょう。
わたしは、強度の高い練習のあとは、まずおにぎりを食べてからプロテインを摂取するようにしています。
糖質+たんぱく質の組み合わせでは、鮭のおにぎりや、卵・ハムサンド、あんぱんなども良いですね。
〜手軽に摂れる糖質〜
おにぎり、パン、カステラ、オレンジジュース、バナナなど

【カルシウム】
疲労骨折などのケガを予防するためには、カルシウムが必要です。カルシウムは骨の形成以外にも筋肉の収縮にもかかわっています。不足すると足つりの原因にもなります。発汗量が多いランナーは汗とともにカルシウムが損失していますので、しっかりと補給する必要があります。

〜カルシウムの多い食材〜
チーズ、小魚、がんも、厚揚げ、納豆、高野豆腐、切り干し大根、ひじき、パセリ、小松菜、ココア

パンにチーズを載せる、ごはんにちりめんじゃこ、スープにパセリ、コーヒーをココアにかえるなどの
ちょっとした工夫で増やすことができます。
厚揚げ、がんもはカルシウム、鉄分が豊富なので、おでんはなかなかにお勧めのニューです。

【ビタミンC】
骨、腱、靭帯などの成分であるコラーゲンは、体内でたんぱく質とビタミンCによって合成されます。
ケガの予防にビタミンCは欠かせません。たんぱく質摂取と同じタイミングで摂るのが効果的です。

〜ビタミンCの多い食材〜
柿、キウイ、いちご、ピーマン、パセリ、じゃがいも、さつまいも、海苔、抹茶

ビタミンCは果物に多く含まれていますが、海苔や芋類にも含まれています。じゃがいも、さつまいものビタミンCは加熱しても壊れにくいです。海苔は手軽に摂れますし他の栄養素もたくさん含まれていますので、とってもお勧めの食材です。食後に毎回100%オレンジジュースを飲むことを習慣づけてもいいですね。

【コラーゲン】
関節などに存在する軟骨の「コラーゲン」は、クッションの役割をして体重を支える部位の負担を軽減してくれます。コラーゲンを多く含む食品を時々取り入れてみましょう。ビタミンCと同時に摂るのが効果的です。

〜コラーゲンの多い食材〜
手羽先、牛すじ、鶏の軟骨、鶏の皮、豚骨、豚バラ、ふかひれ、魚の皮、うなぎ、カレイ

豚骨ラーメンを食べるのもいいですね。粉末ゼラチンを摂るのもお勧めです。わざわざゼリーをつくらなくても、ジュースやお茶に混ぜて飲めばお手軽です。

【オメガ3脂肪酸】
アスリートにとって、とても大切な脂肪酸です。痛みや炎症を抑える効果があります。オメガ3脂肪酸が筋膜に蓄えられると柔軟性が増して負荷への耐性が強くなると言われています。
ヨーロッパのプロサッカーチームでは、「週に2回は青魚、1日スプーン1杯のアマニ油、1日1回ひとつかみのクルミ」を摂取するように指示がでているところもあるそうです。

〜オメガ3脂肪酸を含む食材〜
青魚(さば、さんま、あじ、いわし)えごま油、アマニ油、くるみ、栗、黒豆、枝豆

サラダにアマニ油をかけ、くるみをトッピングするのもお手軽です。お寿司で青魚を生で摂るのもお勧めです。

毎日の忙しい日々の中で、練習時間をやり繰りするのは大変なこと。休養や食事の面までなかなか手が回らないとは思いますが、ちょっとした工夫で、故障しない強い身体を作っていきたいですね。

強い身体をつくる「まごわやさしい」ごはん

海苔巻き鮭おにぎり/豆乳きのこスープパセリ入り
手羽先のすっぱ煮半熟卵とレモン添え/さんまのお刺身
サラダ(サラダ菜、トマト、紫玉葱、スプラウト、サツマイモ、くるみ)アマニオイルかけ
オレンジセリー

●アスリートフードマイスター2級
奥田 佐智子 (おくだ さちこ)
野菜ソムリエ、マクロビオティック師範
地元の旬の野菜をふんだんに使った旬菜教室、アスリートワンプレート教室など
趣向をこらした料理教室を主宰。
食べ物と身体の関わり、素材の味を活かす調理法、美しい盛り付け、多くの方に作る楽しみ、食べる楽しみを知ってもらう教室を目指し、活動中。
現役市民ランナー(自己ベスト3:22:39)

【ブログ】アスリートフードマイスター・野菜ソムリエの料理教室 sacchin-kitchen Colza
http://ameblo.jp/sacchin-colza

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