第153回 疲れを残さない身体をつくろう!

アスリートフードマイスター2級で野菜ソムリエの奥田佐智子が
マラソンランナーのための“アスリートフード”についてお伝えします。

みなさんこんにちは。走るアスリートフードマイスターさっちんです。
現役市民ランナーの視点から、楽しく、長く、強く走れる身体をつくるための情報をわかりやすくお伝えさせていただきます。よろしくお願いいたします。

42.195キロの距離を走り続けるって大変なことですよね。普段のハードトレーニングの後も同様、身体には想像以上の疲労がたまっていますので、休養と栄養を確保することはとても大切です。疲労回復期間を設けると、傷ついた筋肉は速やかに修復されます。そして、元の筋肉よりもさらに強化される「超回復」が起こり、ひと回りレベルアップすることができます。

その為に必要なのが、適切なタイミングでの栄養補給です。
最も大切なのはエネルギー補給。レースの後や練習の後は、速やかに糖質を補給します。30分~1時間以内に、おにぎり、パン、カステラなどを食べるようにしましょう。食べれない場合は、エネルギージェルや100%オレンジジュースでもかまいません。
とり急ぎの補食でエネルギー補給をすませたら、その後の食事で、たんぱく質やビタミン、ミネラルをしっかり摂るようにいたしましょう。

今回は、特に疲労回復効果のある食材や、食べ方について、お話させていただきますね。

【ビタミンB1】
別名:疲労回復ビタミンと言われています。筋肉中にたまった疲労物質の乳酸を分解する働きがあります。
〜ビタミンB1を多く含む食材〜
玄米・胚芽米・全粒粉パン・ライ麦パン(主食は白く精製されたものより色つきのもの)
豚肉(脂身より赤身部分に多い。ヒレ肉、もも肉)
ハム(豚肉加工食品)
うなぎ、たらこ、いくら
大豆、えんどう豆、枝豆、湯葉、ひきわり納豆、きな粉
糠漬け、青のり
まいたけ、えのき
カシューナッツ、ピスタチオ

玄米は消化に時間がかかるので、胃腸が疲れている場合は控えたほうがいいでしょう。いまの季節だと具沢山のお鍋はとてもお勧めです。汁ごといただけるお鍋やスープはビタミンの損失が少なくてすみます。
ビタミンB1の吸収を助ける、ねぎ、玉ねぎ、にんにく、ニラを一緒にとればさらに効果的です。
うなぎ、たらこ、いくらなどお寿司でいただくのもいいですね。
お好み焼きなら、青のりはたっぷりたっぷりかけましょう。

【クエン酸】
クエン酸も疲労回復にかかせません。乳酸を分解する働きがあります。レース中に摂取するクエン酸入りドリンクもありますね。
〜クエン酸を多く含む食材〜
レモン、グレープフルーツなどの柑橘類
梅干し
お酢
トマト

疲労回復効果があるはちみつを使い、柑橘類のはちみつ漬けを作っておくのもお勧めです。
梅干しは、細かく刻んで梅和えにするなど、調味料として使うのもいいですね。
お酢を使った酢の物、マリネは、毎食取り入れたいです。
トマトもクエン酸を含みますので、お肉を柔らかくトマト煮込みにするのもいいですね。

調理方法としては、胃腸が疲れている場合が多いので、お鍋やスープなど、温かい汁物や煮込み料理がお勧めです。消化の働きを助ける食材も摂っていきましょう。
〜消化の働きを助ける食材〜
山芋・里芋・オクラ・なめこなどのネバネバ食品
はちみつ
果物(酵素がお肉を柔らかくするので、すりおろして漬け込むとよい)
キャベツ、大根
味噌、納豆、塩麹、甘酒などの発酵食品

以上のような食材を上手に使って、疲労回復効果を高めたいですね。
「練習・レース」→「休養・栄養」→「超回復」→「練習」→「休養・栄養」→「超回復」
このようなサイクルを繰り返すことによって、強い身体が作られていくのです。

私のコラムはこれが最終回になります。
1回から5回までの、ランナーのための食事術は、自分自身も現役で練習する中で実践してきました。故障や貧血、失敗のレースなどたくさんの経験を経て、今シーズンからは練習量を減らし、休養と栄養にも目を向けるようにしてみました。
結果、先日の大阪マラソン(2016)では、ベストタイムを4分更新3:18:49で走ることができました。やはり「身体は食べ物でできているんだなぁ」と実感しています。もちろん、食べ物だけではなく、適切な練習、休養、そして一緒に頑張っている仲間、応援してくれる人、アドバイスをくれる人、沢山の支えがあって走ることができています。とっても奥が深くて素晴らしいスポーツです。
これからも、マラソンの素晴らしさ、食の大切さを多くの人にお伝えできるよう頑張ってまいります。
最後までお読みいただきありがとうございました(*^^*)

疲労回復晩ごはん

胚芽米+梅干し/豚鍋(豚肉・豆腐・舞茸・にんにく・ニラ・ねぎ・もやし)/納豆+青のり
鰻とわかめといんげんの酢の物/柿

●アスリートフードマイスター2級
奥田 佐智子 (おくだ さちこ)
野菜ソムリエ、マクロビオティック師範
地元の旬の野菜をふんだんに使った旬菜教室、アスリートワンプレート教室など
趣向をこらした料理教室を主宰。
食べ物と身体の関わり、素材の味を活かす調理法、美しい盛り付け、多くの方に作る楽しみ、食べる楽しみを知ってもらう教室を目指し、活動中。
現役市民ランナー(自己ベスト3:22:39)

【ブログ】アスリートフードマイスター・野菜ソムリエの料理教室 sacchin-kitchen Colza
http://ameblo.jp/sacchin-colza

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