第157回 内臓を強くする

アスリートフードマイスター1級の佐々木晶子が
トレーニング経験とアスリートフードの知識から栄養サポートレシピをお伝えします。

食べたあとの消化吸収力を高めよう!

「食トレ」というと、「何を、いつ、どれくらいの量食べるか」だけに注目しがちです。確かに大切なことですが、そもそも何のために食べているのでしょう。本来のゴールは「食べる」あとの「消化する」→「栄養を吸収・活用する」→「スポーツのパフォーマンスをあげる」を経て→「目標を達成する!」ためですよね?
食べれは、カラダが勝手にベストな消化吸収をしてくれるわけではありません。せっかく食べても、栄養をうまく活用できる人、できない人では結果が変わってきます。

「目標を達成するため」に食トレをすると述べましたが、「フルマラソンでサブ3」「全国大会優勝」などエリートレベルから、「60代、70代までスポーツを楽しむこと」「ケガをしないこと」など「目標」も人それぞれだと思います。目標は違っても、「消化吸収力を高める」ことが達成を叶える近道であることは明らかです。
今回は、この「消化吸収力」にスポットを当ててみます。

先にこの力をUPする2つのコツをお伝えします。
1.きれいな姿勢で内臓を安定させること
2.内臓の休養も大切にすること

1.きれいな姿勢で内臓を安定!

アスリートのみなさまは、スポーツをしている時のフォームをとても気にしていますよね。より効率よく、無駄のないベストなフォームを追及するお姿はとても素晴らしいと感じています。ただ、スポーツウェアを脱いだとたん、急に背中が丸まり腰が落ちてトボトボと歩いている人もお見かけします。
スポーツしている以外の時間、仕事中やTVを観ている日常の時間なども、姿勢を整えると消化吸収力がぐっと高まります。
猫背や反り腰など、悪い姿勢でいると内臓が本来あるべき位置より下がりやすくなり、消化器官が食べ物を腸へ送るための「ぜんどう運動」をしにくくなり、スムーズに消化できなくなります。そうなると、もちろん栄養の吸収が滞り、うまく活用できないという悪循環が起こります。ホースのチューブがよじれたり歪んでいると、水がうまく流れないのと同じです。よって、「きれいな姿勢」で流れを作ることは最大のポイントです。
補足ですが、腹筋ばかり鍛えているかたは、背中の筋肉もしっかりと強化しましょう!お腹と背中の筋肉のバランスこそが、内臓をしっかり支えきれいな姿勢づくりの秘訣です(バランスが悪いと、どちらかに引っ張られて猫背や反り腰になり姿勢が崩れてしまいます)。

2.内臓にも休養を!

私たちの内臓の動きは、1日に消費するエネルギーの約10%も占めています。2000kcal消費している場合、200kcalは内臓の消費です。体重50kgのひとが4km走るのとほぼ同じくらいで、体の中でフル稼働しながら、こんなにも頑張ってくれています。筋肉や脳と同じように、内臓も酷使し続ければもちろん疲れます。
疲れ切った内臓では、消化・吸収がうまく行われずに、いくらこだわりつくした食事をしても活かしきれず、もったいないですよね!
内臓の休養のためには
①油っこいもの、食物繊維の多いもの(消化に時間のかかるもの)を避ける
②味付けは薄味にする(濃いものは、消化管に負担をかける)
③リラックスして食事を楽しむ
の3つが大切です。③の、リラックスして楽しむとは、好きな空間で食事をし心地よい音楽をかける、友人と会話しながら食べる、TVやスマホに集中しすぎず食べているものに意識を向け五感で味わう・・などがあげられます。

みなさん、このように「きれいな姿勢」と「休養」で、消化吸収力を高めていきましょう(*^^*)!

●アスリートフードマイスター1級
佐々木 晶子 (ささき あきこ)
東京在住、山形出身のアスリートフードマイスター。
ランニングやロードバイクを趣味とし、レース出場経験あり(フルマラソン13回完走、富士ヒルクライムレース完走)。
自身のトレーニング経験とアスリートフードの知識を活かし、アマチュアアスリートを対象に食のワークショップや栄養サポートを実施。
栄養が豊富でおいしいことを前提に、「食の楽しみ」「ときめくスタイリング」も大切にしている。考案したレシピやメニューを日々SNSにて発信。

【Instagram ID】 : AKIKO.SASAKI3

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