アスリートフードマイスター2級の鰐川せりなが
ジュニア選手指導の現場から、ジュニアのアスリートフードについてお伝えします。
本日からの連載は、夢見るジュニア選手とそれを支える方々へ、ジュニア選手のスポーツ栄養についてお届けいたします。
【基礎編】【お弁当編】【試合前後編】【補食編】【熱中症対策編】の全5回です。
このところ、多く寄せられるご相談に、「暑い時期の乗り越え方」があります。
暑い時期を乗り越えるには、『今』この時期がカギとなります。
今日食べたもので3ヶ月後の身体を作るのです!
さあ、ベストを尽くしましょう!
そして、夏場はその身体をキープする意識。
気温の変化に身体と心が対峙するときは、体力的にも精神的にも厳しい時期です。できる限りの食事と細かな補給でベターを積み上げる時です。
【基礎編】
普通の健康的なこどもの食事と、競技に励むこどもの食事とで異なるのは、運動量の違いに対応する栄養です。
アスリートフード=バランス食+不足させない意識
小学生野球少年の晩ごはん例
●バランス食の考え方
5大栄養素をバランスよく含む 主食 主菜 副菜 牛乳乳製品 果物 の揃った食事です。
バランス食をイメージするとき一番手近なものは、学校給食!
学校給食は、文部科学省の定める児童生徒1人1回あたりの平均所要栄養量を元に献立が作られています。
普通の健康的な生活を送るために、1日に食べなければいけない量の3分の1程度の栄養が含まれています。
《5大栄養素》
【糖質】 (炭水化物) |
活動のエネルギー源。不足は筋肉の分解を招き、試合前は特に意識したい栄養素。 |
【たんぱく質】 | 筋肉や内臓、骨などの主成分。不足は、筋肉量の減少や筋肉の増加が果たせないなど大きな問題となり、骨量の低下、ケガの回復遅れなどを招く。 |
【ビタミン】 | 様々な働きで体の恒常性を保つために必要なもの。三大栄養素の働きを助ける欠かせない栄養素。 |
【ミネラル】 | 骨や歯、血液中のヘモグロビンなどの構成要素。 |
【脂質】 (脂肪) |
生命維持や運動の際のエネルギー源のひとつ。生体膜やホルモンの成分。摂りやすい栄養素であることから、過剰摂取に注意。 |
●不足させない意識とは
運動をするにあたり、減っていくものへの対応です。
例えば、運動中に糖質が不足した時、体は活動に必要なエネルギーを確保する為、筋肉を分解して糖を作ります。
苦労して作り上げた筋肉を手放すことは、ジュニア選手にとって大きすぎる代償です。
また、運動中には体内の疲労物質が増加する為、対策としてビタミンミネラルが必要です。
ジュニア選手の食事目安
【主食】給食の2倍〜2.5倍(小学生高学年450g程度、中学生580g程度)
【主菜】給食の2倍程度 ※種類と調理方法の重複を避けましょう。
【副菜】生野菜はこどもの両手のひら1杯程度
加熱野菜はこどもの片手のひら1杯程度
【脂質】質の良い脂質の摂取を考え、摂りすぎ注意
※主菜が増えることにより、食材そのものから摂取する脂質が増えます。
油を多く使う調理法を避けましょう。
【牛乳乳製品】1食につきコップ1杯もしくはヨーグルトならその半分程度
※乳製品アレルギーの方は、カルシウムの補給に小魚や桜エビなどを積極的に摂取して下さい。
【果物】 柑橘類などビタミンCの摂取を意識して毎食摂取
ジュニア選手だからこそ意識するもの
成長期だからこそ不足させてはならないカルシウムや鉄は、組み合わせで吸収率を上げ、効果的に摂取しましょう。
強い骨と、疲労物質を流し去る新鮮で豊富な血液を作ることはとても重要です。
カルシウム(乳製品や小魚類)+ビタミンD(きのこ類や魚など)=吸収率UP!
鉄(赤身の肉や小松菜など)+ビタミンC=吸収率UP!
今回は、暑い時期を見据えて、ジュニア選手の身体を作る【基礎編】をお届け致しました。
●アスリートフードマイスター2級
鰐川 せりな (わにがわ せりな)
公益社団法人 日本アロマ環境協会認定アロマテラピーインストラクター
小学6年生から3歳までの四兄弟を育てる母。
明治大硬式野球部出身の主人とともに、「ジュニア選手の健全育成のためのトレーニング・食事・ケア」の普及に取り組んでいます。
セミナー・ワークショップ・野球教室・個人相談など多数。
夢を追うこどもたちと同様に、こどもたちをサポートするお母さんを応援しています。
【ブログ】わに家の野球とごはんと時々アロマ~四兄弟の子育てDairy~
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