アスリートフードマイスター2級の鰐川せりなが
ジュニア選手指導の現場から、ジュニアのアスリートフードについてお伝えします。
ジュニア選手の食事についてお届けしている連載4回目は、【補食編】です。
補食とは、朝昼晩の食事とは別に「栄養を補完する目的」で摂取する食事です。
大人のように、一度に多くの量を食べることができないジュニア期の選手たちは、その体づくりの助けに「補食」の活用が有益です。
運動により消耗にさらされる体を、さらに強く育むためには、常に十分なエネルギーで体を満たしておく必要があるのです。
また、補食の活用により、1日の食事のバランスを調整することが可能となります。
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補食の再考を |
補食の注意点 : おやつと捉えるのではなく、「食事の補完」と意識する。
食事の代わりとなるものではない。
補食の基本形=〔糖質①+たんぱく質②〕×低脂質③+α ↓ (例)おにぎり+牛乳(豆乳)とすると考えやすい |
[1] 糖質:生命活動及び運動のエネルギー源
※糖質が不足すると、活動エネルギーの確保のために、筋肉中のたんぱく質が使われる
リスクがある。
[2] たんぱく質:筋肉の修復や増強、骨の形成に不可欠
[3]低脂質:脂質は消化に時間がかかり、その満腹感が次の食事に影響を及ぼすため
体脂肪の増加に繋がる懸念があるため
+αには、ご自身の食事の中で「摂りにくい」「不足」と感じるものを充てていきましょう。
※ 試合前の補食の摂り方は【試合前試合後編】を参考になさってください。
ジュニア選手にオススメの補食は、洋菓子ではなく和菓子
スナック菓子 インスタント食品 加工肉 加工食品 揚げ物 は、補食に不向き
POINTリン酸塩
リンは、骨の形成に必要な栄養素である一方、摂りすぎはカルシウムの体外排出を促すという側面があります。スナック菓子やインスタント食品、加工肉、加工食品に多く含まれており、食品選びは極めて重要です。成長期のジュニア選手は、特に注意が必要です。
- 食が細く一度に食べられる量が少ない選手(夏バテを含む)
- 増量してパワーアップを図りたい選手
お餅やみたらし団子、大福、カステラ、ジャムパン、チーズ、100%オレンジジュース、果物などで糖質の上乗せを。
時間帯も、下校直後 遊びからの帰宅直後 習い事の前 習い事の直後など 合間の時間に少量ずつ何度も補給しましょう。
- 太りすぎの懸念があり軽快な動きを取り戻したい選手
食物繊維やビタミンミネラルの摂取も意識してバランスの向上を!
低脂質を徹底しましょう。(スナック菓子 脂質の多いアイスクリーム クリーム類を避ける。)
蒸かし芋などで糖質の確保をしながら、食物繊維を摂取。
ヨーグルトや豆乳でたんぱく質を確保(牛乳より低脂質)。
フルーツから糖質とビタミンミネラルを摂取。
まずは【基本編】のバランスから普段の食事を見直し、続いて補食はどのようなものを選んでいたか考えましょう。
- 夜練習や習い事などで、食事と休息の両立に難しさを感じる選手
補食は、食事の代わりにはなりません。ですが、食事の分散化に役立てることができます。
基本形を増量させて、食事で摂るべき栄養素を分散させることで夕食にかかる時間を短縮し、休息時間を確保しましょう。
野菜と果物たっぷりのスムージーを補食に取り入れるのもオススメです。夕食の献立からサラダと果物を先取りです。
●アスリートフードマイスター2級
鰐川 せりな (わにがわ せりな)
公益社団法人 日本アロマ環境協会認定アロマテラピーインストラクター
小学6年生から3歳までの四兄弟を育てる母。
明治大硬式野球部出身の主人とともに、「ジュニア選手の健全育成のためのトレーニング・食事・ケア」の普及に取り組んでいます。
セミナー・ワークショップ・野球教室・個人相談など多数。
夢を追うこどもたちと同様に、こどもたちをサポートするお母さんを応援しています。
【ブログ】わに家の野球とごはんと時々アロマ~四兄弟の子育てDairy~
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