アスリートフードマイスター1級の庄内菜穂子が
ランナー向けの食事実践術を紹介します。
みなさん、こんにちは。アスリートフードマイスターの庄内菜穂子です。9月に入り秋のマラソン・レースに向けてトレーニングも走り込み期に突入ですね!急にスピード練習の強度を上げたりすると、足の故障や違和感に繋がってしまう事もあります。そこで、今回は筋肉や筋肉を束ね骨に繋げる腱、関節を保護する靭帯を強化し故障から守り、万一の怪我からの回復を助ける食事術のご紹介です。
【筋肉・腱・靭帯を強くする食事】
前回のコラムでお伝えしました筋肉の材料ともいえる、たんぱく質とコラーゲンは腱・靭帯の強化にも有効。おさらいしながら、オススメのアスリート食材を中心にお話しします。
① 筋肉・腱・靭帯に効く栄養素の効果的足し算
- たんぱく質
+たんぱく質の合成と分解を促進するビタミンB6(レバー、肉、卵、牛乳、魚、緑黄色野菜等)
+コラーゲンの生成に必要なビタミンC(赤ピーマン、トマト、プロッコリー等の野菜、果物)
+亜鉛 ミネラルの一つ、亜鉛はたんぱく質の合成に必要。激しい運動後には亜鉛が消費されます。
(カキ等の貝類、牛肉、レバー、魚、大豆、高野豆腐など大豆加工品、小麦胚芽、卵、
チーズマツの実、ゴマ等種実類)
亜鉛はバランスの良い食事を摂っていれば大きな不足の心配はありませんが、現在の日本人は一日の摂取推奨量(男性10mg、女性8mg)に対し、男女ともに1mg程不足。また、亜鉛はウィルスや細菌に対する免疫機能を維持するためにも必要です。怪我や病気治療中のアスリートは特に意識して食事に摂りいれましょう。
② オススメ食材例 (いろいろありますが、私のイチ押し、イチオイシイ!!)
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・カキ(牡蠣):マラソンレース期に旬を迎えるカキは高たんぱく低脂質。亜鉛はもちろ
ん、鉄、カルシウム、マグネシウムといったアスリートに重要なミネラル、ビタミン
(A、B群、C、E)も含む“海の完全食品”です。レース直前は生牡蠣は避けた方が安全
ですが、東北や瀬戸内海のレース後は、地元の新鮮な牡蠣で完走祝いの祝杯を!(アル
コールは控えめに (~_~;)
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・レバー:亜鉛の含有量は豚レバー>牛レバー>鶏レバーの順になりますが、いずれも血液
を作る鉄、銅等のミネラルにビタミン(A、B群、C、E、葉酸)も含む、超優秀なアスリ
ート食材。レバーを家で調理するのが苦手という方はデリ惣菜でレバニラや焼き鳥でも
良し!
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・ナッツ類:松の実>ゴマ>カシューナッツ>アーモンド>ピーナッツ>クルミ
手軽な補食としてもオススメのナッツ類は、鉄、カルシウム、マグネシウム等のミネラル
にビタミン(B群、E)も多く含みます。繊維質が多いので血糖値の上昇を抑える効果がある
反面、脂質も多いので食べ過ぎには注意。補食としてだけではなく、家族のお料理にも美
味しく活用してみましょう。
③ メニュー例
例1:牡蠣と青ねぎのパスタ
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・新鮮な牡蠣が一番ですが、牡蠣の季節に早ければ、オイル缶を利用して簡単にパスタが作
れます。牡蠣はトマトソース、ホワイトソース、和風ソースのいずれとも相性良し。缶詰
めの塩分の効いたオリーブオイルに早ゆでパスタを使えば時短料理にもなります。
例2:松の実とドライフルーツ、ハムのケーク・サレ(甘くない塩味のお惣菜ケーキ)
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・砂糖・バター不使用で低カロリー、豆乳+チーズ+卵の生地で高たんぱく質なケーク・
サレは、故障でランニングを控えている時でも可能な筋トレに励むアスリートに食べさせ
てあげたい(女心(笑))松の実は“陸の牡蠣”とも言われ亜鉛の含有量はナッツの中でも
トップ。同じく栄養価の高いドライフルーツ(今回はデーツ)をトッピング、生地にハム
を入れたケーク・サレは運動後の疲労回復ランチにもなります。
ランチ例:キノコオムレツ、サラダ、フルーツヨーグルト、カフェオレ、
オレンジジュース
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“走り”はサッカー、野球など多くのスポーツの大切な要素。いろいろな競技に取り組むアスリートの皆様のご参考になればと思います。次回も、アスリート共通の課題に取り組みます。お楽しみに。
(メニュー例のレシピはBlogに掲載予定)
●アスリートフードマイスター1級
庄内 菜穂子 (しょうない なおこ)
アスリートフードマイスター1級の他にもアクティブ野菜ソムリエの資格を保有。
「ヘルシー・エイジング」をコンセプトに、ランニングや登山を長く楽しむための食事作りを提唱。
アスリートフードセミナーや野菜ソムリエとしての講演を多数実施。
食事のとり方も練習のひとつと捉え、江東シーサイドマラソン壮年女子ハーフの部で3年連続1位等、年代別で入賞。
「アスリートフードマイスター&野菜ソムリエ」として美味しく食べてパワーアップできる食事術を伝授します。
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