アスリートフードマイスター1級の庄内菜穂子が
ランナー向けの食事実践術を紹介します。
東京マラソンや名古屋ウィメンズマラソンの抽選結果も発表され、ランナーの皆様のレース計画も進んでいる頃ですね。初めてのフルマラソン、あるいは勝負レースに向けて、「レース前日、当日に何を食べたら良いものか?」という悩みの声もお聞きする今日この頃。個人の体格や体質、目標レベルにより違いもあり、万人に共通の答えはありませんが、食事の基本を押さえておけば安心。
今回で最後となる私のコラムでは、フルマラソン前日に摂った私のリアルな食事(完璧でない事が多いので、100点でなくても大丈夫!のメーッセージも込めて)を含め、マラソンレース前日の食事の摂り方についてお話しします。
【カーボローディング】
ランナーの多くの皆様がレース3日前くらいから意識する「カーボローディング」。文字通り、炭水化物(=カーボ、炭水化物から食物繊維を除いたものが糖質)を多く体内にロード(=積み込む)して、筋肉にエネルギー源となるグリコーゲンを蓄える持久系スポーツの食事法です。
レース前日の実践ポイント:高糖質・低脂肪食(糖質でのカロリー摂取比率を70%程度にアップ)
Point1:主食は脂質・繊維質が少なく消化の良い食材がおすすめ(当日も!)
例: 白米、おもち、うどん、食パン・フランスパン(+ジャム、ハチミツ)
Point2:主食の量を増やすだけでなく、副菜や補食でも糖質を増やす
例:マカロニ、イモ類(繊維質は多いので食べ過ぎ注意)、果物、果物ジュース、和菓子
Point3: 主菜・副菜で糖質の代謝に必要なビタミンB1を多く含む食品を摂る
例:豚肉、レバー、豆類、豆腐など大豆製品、緑黄色野菜、バナナ
+ビタインB1の働きを助けるアリシン(ネギ類の香味成分)
Point4:煮物や酢の物など、作り置き副菜で時間短縮
例: ひじき煮、いとこ煮(カボチャと小豆の煮物)、オニオン・サーモンマリネ、お浸し等
Point5:控えるべき3つのア(アルコール、アブラモノ、アマイモノ*)
*脂質少な目の和菓子はアンシンのア(アンコの大福や、アベカワモチ等)でオススメ。
☆私のリアル食I:東京マラソン前日(サブ3.15達成の2015年)
マイ実践ポイント:糖質とビタミンの補給になるフルーツを毎食欠かさず、レースもフルーツフル!
朝食:コーンブレッド*(ナッツにドライフルーツもたっぷり)、エッグスラット風ココット
(卵の下にマッシュポテト*で糖質プラス)、ミニトマト、オレンジ、バナナヨーグル
ト、ココア、オレンジジュース (*前日に作り冷蔵庫で2日保存可、ポテトは他の材
料は入れずに作り置き。)
昼食:五目うどん(鶏肉、かまぼこ、椎茸、小松菜、薬味ネギ)、サツマイモのオレンジ煮、
ミカン1個
補食:カステラ、糀甘酒
夕食:豚シャブと温野菜、柿のなます、アサリの味噌汁、シラスご飯(一膳)、リンゴ1/4個
(注:小柄な私は、普通より量は少な目です。夕食のご飯は早寝も大事なので一膳で打ち止め。
反省点;夕食は20時までに!)
☆私のリアル食II:大阪国際女子マラソン前日(ベストタイム更新の2016年)
マイ実践ポイント:遠征・前泊の外食、勝負レースでは名物より食べ慣れた食事を!
朝食:ベーグル(+ジャム)、バナナ、ヨーグルト、カフェオレ、オレンジジュース
補食:一日分のビタミンジュース、栗どら焼き(新幹線で移動中)
昼食:オニギラズ(鮭と卵焼き)オニギリ(近江牛肉味噌)、柚子ハチミツのホットドリンク
(大阪駅コンビニ購入)
(反省点:コース下見バスの時刻が迫り、慌ただしい食事。良く噛むことは心がける。)
夕食:豚生姜焼きおひつご飯セット(ミニサラダ、温泉卵、お味噌汁つき)
白米一粒も残さず完食! ラン友さんと美味しく食べてリラックス。
夜食:イチゴ大福(糖質もビタミンCも補給できる差し入れで気持ちもほっこり)生姜湯
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トレーニングも食事の摂り方も万全な状態でレースに臨めれば理想的ですが、体調や多忙なスケジュールにより、なかなかそうはいきません。アスリートフードの食事学は、それまで身体を作ってきた食事の積み重ねを大切にし、レース直前に少しでも不安を除き、走れる力を整えるためにあるものです。私のコラムが皆様のランニングライフに少しでもお役に立てれば幸いです。また、どこかのレース等で皆様とお会いし、レース当日の食事のお話し等、語りあえたら嬉しく思います!
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アスリートフードマイスター養成講座
http://athlete-food.jp/
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●アスリートフードマイスター1級
庄内 菜穂子 (しょうない なおこ)
アスリートフードマイスター1級の他にもアクティブ野菜ソムリエの資格を保有。
「ヘルシー・エイジング」をコンセプトに、ランニングや登山を長く楽しむための食事作りを提唱。
アスリートフードセミナーや野菜ソムリエとしての講演を多数実施。
食事のとり方も練習のひとつと捉え、江東シーサイドマラソン壮年女子ハーフの部で3年連続1位等、年代別で入賞。
「アスリートフードマイスター&野菜ソムリエ」として美味しく食べてパワーアップできる食事術を伝授します。
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