第25回 血糖値コントロールの大切さ

ジュニア・アスリートフードマイスター 服部 貴美子が「ココロとカラダの健康を保つ」
をテーマに、“大人アスリート”向けのレシピを紹介していきます!

 かつてダイエットといえば、「カロリー制限」をすることが主流でしたが、最近にわかに注目されているのが「糖質制限」や「食べる順番」を意識した食事です。いずれの方法も、血糖値をコントロールすることがポイントです。

 実はこの血糖値。ココロの浮き沈みにも大きく関係があるようなのです。
「ストレスが溜まってチョコレートをヤケ食いしたら、その瞬間は気が晴れたけれど、後でひどく落ち込んでしまった・・・」なんて経験はありませんか?
 血糖値は糖尿病の傾向がある人だけが気にしておけばいいと思っている方もいるでしょうが、健康な人にとっても大切な数字です。食事をすれば、誰でも血糖値が上がります。そして、インシュリンが分泌されて血糖が細胞に送り込まれ、エネルギーとして使われることで血糖値が元のレベルまで下がっていきます。ところが、チョコレートを大量に食べるなど血糖値を急激に上げるような食べ方をすると、インシュリンが過剰に分泌されて、膵臓がヘトヘトに疲れ、血糖値が下がり過ぎてしまうなど、血糖調節に障害が起こることも・・・。また、血糖値の急激なアップダウンは血管を傷めることにもつながります。

アスリートの皆さんは、一般の方よりエネルギーの出し入れが活発なはずでから、普段から「血糖値をゆるやかに上げること」を心がける必要がありそうです。また、カロリーだけ十分にとれていても低血糖状態では元気が出ません。体も動かないし、気分も落ち込むのは当然。しかも、エネルギーとして使われなかった糖分が脂肪に変わるなんて、良いことなし!ですよね。

 そこで今回は、血糖値がどのくらいで上がるのかを示すスピードを示す「GI値」が高い食品=中華麺 を 低い食品=豆腐麺 に置き換えたメニュをご紹介しましょう。

【糖質ひかえめ台湾風ラーメン】
(材料)1~2人分
豆腐麺(干糸麺) 生で150g
鶏ガラスープ 2カップ
(ねぎ油)
ねぎ 1/2本
 サラダ油、ゴマ油 各大さじ1
(そぼろ)
豚モモひき肉 120g
醤油、みりん、オイスターソース 各小さじ2
陳皮(第6回のコラムに登場)、シナモン、黒こしょう 少々

(作り方)
1)豆腐麺は軽く水洗いしてほぐしておく

2)フライパンにサラダ油とゴマ油を入れて中火にかけ、粗いみじん切りにしたねぎをこげ茶色になるまで炒める。
3)2をキッチンペーパーなどで漉して、油とねぎとを分ける。
4)フライパンに3の油を小さじ2入れて豚肉を炒める。全体に熱が通ったら、調味料を
すべて加えてさらに炒め、水分を飛ばしてそぼろ状に仕上げる。
※みりんの糖質が気になる場合は、ダイエット甘味料などと置き換えてください。
5)鶏ガラスープを沸騰させ、塩・こしょうで味を整えたら、1の麺を入れて軽く茹でて丼に移す。
6)麺の上に4のそぼろを載せ、最後に3のねぎをトッピング。好みで香草を加えても美味しい。

(ポイント)
メイン食材の「豆腐干糸(かんす)麺」は台湾料理ではポピュラーな食材で、豆腐を加圧して水分を抜いたもの。噛み応えがあり、エスニックな味付けが合います。糖質を抑えるだけでなく、たんぱく質やビタミンB群も摂取できるのが嬉しいですね。
カーボローディングなどでパスタを食べる習慣があるアスリートも多いと思いますが、
ウェイトや血糖のコントロールが必要なときは、こうした代替食材を使ってみてはいかがですか?

●ジュニア・アスリートフードマイスター
服部 貴美子(はっとりきみこ)
プロのライター(記者)として活動中。また、地元・神戸のランニングイベントの実行委員を務めたり、複数のサークルに所属して仲間と一緒に走ったりしています。高校時代に摂食障害を経験したことをきっかけに、食について正しい知識を身につけたいと栄養士の資格を取得。

アスリートフードマイスター養成講座はこちら>

カテゴリー: 未分類   パーマリンク