第76回 ケガを予防するための食事

アスリートフードマイスターの張谷綾が
明日から使える情報を提供します!

皆さんこんにちは。アスリートフードマイスターの張谷綾です。

アメリカンフットボールは、いよいよ本格的なシーズンに突入しました。社会人リーグは週末の度に試合です。普段仕事をしながら、週末はガツガツ当たりに行く…過酷過ぎますね(苦笑)。私も、このスケジュールをどう乗り切ろうか、ずっと頭を悩ませています。
というのは、アメフトは何と言ってもケガの多いスポーツです。日本体育協会が出しているスポーツ指導者用テキストを見ても、ケガ発生率はアメフトがダントツで1位!!です。そんな状況なので、チームには必ずドクターとトレーナーが帯同しています。

私達家族にとって、試合に勝つこと以上に彼らに仕事をさせないことが一番の願いです。そのためには、ケガをしない身体づくりが重要になってきます。今回は、ケガを予防するための食事についてお話していきます。

 まずは、何度も言いますが“バランスのよい食事”が大前提です(第52回参照)。その上で、特にシーズン中は気をつけて食事メニューに取り入れていきたいものがあります。

①カルシウム(骨強化)
聞いたことがあると思いますが、カルシウムから骨や歯がつくられます。カルシウムは体内ではつくることができない上に排泄や汗で流れ出てしまうので、常に不足しがちです。この状態が続くと、今ある骨からカルシウムを持って行こうとするので、奪われた骨がもろくなり、将来的に骨折しやすくなったり骨粗鬆症になったりします。そのため、食事からしっかりと摂取する必要があります。
カルシウムは乳製品・小魚・海藻類・大豆製品・緑黄色野菜・ごまなどに含まれますが、吸収率はそれほど高くありません。吸収率を上げるために、魚やきのこ類に含まれるビタミンDを摂りましょう。さらに、ビタミンKはカルシウムが骨になるサポートをしてくれます。納豆や緑黄色野菜、海藻類に多く含まれます。我が家で苦戦している魚・きのこ・海藻が大当たりなんですね(苦笑)。和食にすると比較的バランスが摂れるので、我が家の朝食は必ず和食、そして、吸収が早いと言われるひきわり納豆を出すようにしています。

②コラーゲン+ビタミンC(骨、関節、腱、靭帯強化)
 ケガを予防するためには、身体の組織をつくるたんぱく質を摂ることが大切です。たんぱく質が含まれる食材(肉・魚・豆製品・卵・乳製品)を毎食摂りましょう。
 それから、たんぱく質の一種であるコラーゲンは関節などの結合組織を強化します。牛すじや鶏の軟骨、魚の皮、イカやタコなどにも含まれます。そして、コラーゲンの合成を助けるのがビタミンCです。野菜や果物もたくさん摂りましょう。
主人は学生時代に前十字靱帯と半月板を損傷しており、いまだに季節や気候で膝に違和感があるようです。痛みが出そうな時はコラーゲンの食材も気にしながら出すようにしています。(写真は牛すじの煮込み)

もちろん、ケガの予防には集中力を切らさないこと、そのためには糖質を十分に摂る必要があります。脂質、たんぱく質もエネルギーに変わりますが、脳のエネルギーになるのは糖質のみです。一度に蓄えられる量も決まっていますから、毎食しっかりと摂るようにしましょう。
また、練習や試合で疲れを溜め込んでしまうのもケガの一因になります。体力回復メニューで、翌日まで疲れを持ち越さないようにしましょう(第60回参照)。

 ケガは起こってしまう時は仕方がありませんが、食事にも気をつけて生活している人はケガの治りも早いと言います(ケガをした時も、上の①②を意識してください)。スポーツをずっと続けていくために、食にも目を向けていけるとよいですね。

●アスリートフードマイスター
張谷 綾 (はりたに あや)
高校生まではスポーツ栄養士を目指していました。他界した祖父の影響で、教育関係の仕事へ。数年前、授業で栄養学を教えている時に、やっぱり楽しいな…と民間の栄養学関係の資格を取り始めました。ジュニアの資格は、渋谷1期生です。将来的には、ボランティアでアマチュアスポーツチームや個人のサポートができたらと思っています。

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