第9回 内臓にも目を向けよう!

ジュニア・アスリートフードマイスター 平田 実がランナーである
自分の体験を通して皆様に役立つ、すぐ実践したくなる情報をお伝えします。

試合は、練習の成果を発揮する大事な機会。最高のコンディションで臨みたいですよね。そのためには、①風邪をひかない、②胃腸の調子を整える、③肝臓をいたわることが大切です。

風邪を予防するには、手洗い・うがい、人ごみの中でのマスク装着の他に、抗酸化作用のあるビタミンA、C、Eやポリフェノール類などの栄養素を摂るのも対策の一つ。ビタミンCは、摂取後2~3時間で対外に排出されてしまうため、こまめに補給する必要があります。食事の際にビタミンCが豊富な素材を何か一品加えたり、ビタミンC豊富なドリンク(オレンジ・アセロラ等)を購入した場合、いっぺんに飲み干さずに、1~2時間おきに少しずつ飲んだりすると効果的です。

風邪は「目に見えない敵」。どんなに気をつけていても移されることがあります。しかし、たとえ風邪をひいたとしても症状が軽くて済むように最大限の努力をしたいものです。

胃腸の調子を整えるには、暴飲暴食をしない、試合の数日前からお腹を壊す可能性のあるもの(生貝・ホルモンなど)を避ける、整腸作用のあるものを食べることも大切です。しかし、忘れてはならないのは、良く噛んで食べること。良く噛めば、食べ物が消化しやすい状態になるので、胃腸の負担が減ります。栄養素の吸収率もアップするので、食べ物の力をより効果的に利用できます。

胃の調子が悪いと、試合当日の朝食が十分に食べられないだけでなく、試合途中の水分補給も思うようにできません。水分がなかなか吸収されず、胃に水が溜まったままの状態で走るのは辛いです(何度か経験があります)。胃の調子が良ければ、エイドでの補給や持参したエネルギージェルなどでの補給が問題なくでき、快適にプレーできます。

最後は、アルコール摂取について。多くの方が、「飲み会で食べすぎたと思っても、翌日の体重はそれほど増えていなくて安心した。でも、2~3日後に突然増えていて驚く」という経験をしたことがあると思います。その理由は、飲み会翌日は、アルコールの利尿作用による脱水状態だから。脱水している分、体重が軽くなっているだけ。そして、2~3日後に脱水症状から回復し、本来の(食べた物が身になっている)状態に戻るからです。

肝臓は、吸収した栄養素を身体が利用できる形にして全身に送る代謝機能だけでなく、分泌や解毒など多くの機能を担い、24時間フル稼働している臓器。激しい運動は肝臓を酷使させるので、肝臓に大きな負担をかける過剰なたんぱく質・脂質・アルコールの摂取は、できる限り避けたいですね。普段からバランスの良い食事を心掛け、晩酌が習慣になっている方は週に1~2日程度の休肝日を設けて、肝臓を休ませてあげましょう。

〓 参考 〓

サラダの上に加熱調理した肉をのせて。今回は、鉄分、そして、脂肪を効率よくエネルギーに変換する手助けをするカルニチンが豊富なラム(仔羊)肉を使ってみました。トマト・みず菜のβカロテンとパプリカのビタミンCの抗酸化作用で風邪予防。意外かもしれませんが、みず菜は緑黄色野菜なのです。


肝機能強化に良い、しじみ。しじみのミネラル分は水に溶け出すので、みそ汁やお吸い物がおすすめ。最近は、殻付きしじみの即席みそ汁も販売されています。


70℃ほどに温めたリンゴジュースに生姜の搾り汁を加えた「ホットアップルジンジャー」。手軽に作れる生姜ドリンク。身体が温まりますよ。

2月24日は東京マラソンですね。 私は去年初めて出場しましたが、素晴らしい大会でした。参加される方は、思う存分楽しんできてください!

●ジュニア・アスリートフードマイスター
平田 実(ひらたみのる)
走歴10年。温泉LSD(LSDの後、温泉を楽しむ)をこよなく愛するランナーです。ロング走の練習のためにLSDコースを色々開拓してきたのですが、最近では、レースよりもLSDの方が楽しくなっています。沿道の声援に応えながら(時には言葉を交わしながら)走るのが、私のランニングスタイルです。

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