アスリートフードマイスター 江川 聡が
「サプリ・健康食」をテーマに皆様にお伝えします!
マラソンのゴールまでいかにトラブルを少なくして走り切るか。これは勝つために本気で走る方も、健康のために走る方も同じです。前回のコラムにてお話をしましたが、今回は少し掘り下げた話をしようと思います。
マラソンにおいて必要なエネルギーは主に糖質。体内ではグリコーゲンとして貯蓄される分と血中を巡っている血糖が主に体の燃料になります。
脂肪分も生化学的にはエネルギーとして利用されますが、体脂肪の飢餓状態に陥った時の緊急措置的に用いられるもので、ラン中に効率的に利用されるものではありません。
同時に糖質が枯渇すると体内の筋肉をアミノ酸に分解してエネルギー産生をされてしまいます。ラン中に筋肉が分解されしまうことは良くないことは想像がつきますよね?
フルマラソンを走り切る為に必要とされるエネルギーは、性別や年齢、体重によって変動はしますが体重55kgの筆者で約2500kcalです。この必要量に対し、体内に蓄えられている分だけではエネルギーはまかない切れません。ですからこまめに補給して行くことがガス欠を防ぐ一番いい方法ですね。しんどくなる前からちょくちょくとっておくことで、30kmの壁に当たることを遅らせることができますよ。
プロやチームで参加されているような方は、エイド役がいてスペシャルドリンクを走行中に飲むことができますが、普通はなかなかそういきませんよね。少しでも軽くてかさばらない栄養源として、スポーツようかんやパワージェルがオススメです。
また、筋肉分解を防いでくれるBCAAやエネルギー源のクエン酸は顆粒状のものが手に入りますので、ポケットにいれておくといいですね。1回分ごとのスティック包装になっていてかさ張らないし重くないですから、ハーフマラソンなら1回分ずつ、フルならその倍ほどを携帯しておくとレースをより乗り切りやすくなります。
エイドで提供される食品で賄えれば一番なのですが、ボランティアで提供されるものはレース中での吸収効率性でいうと良くないものもありますし、安定して補給するためには自身で用意しておくのが一番間違いありません。ぜひお試し下さい!
●アスリートフードマイスター
江川 聡(えがわさとし)
和歌山県で薬局を経営している江川聡です。服薬指導を行う薬剤師であり、トライアスロン、ボルダリングに挑戦する“たたかう薬剤師”。サポーターとアスリートの両視点から食と運動のアドバイス。病気や薬、サプリ、トータルにサポートできるアスリートフードマイスターを目指しています。
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