第168回 この夏、自分史上最強の自分になる!熱中症対策

アスリートフードマイスター2級の鰐川せりなが
ジュニア選手指導の現場から、ジュニアのアスリートフードについてお伝えします。

夏に力をつけたいとき、熱中症対策は怠れません。
重度の熱中症ともなれば、痙攣や意識障害など深刻な事態になりかねず、力を伸ばすべく挑んだ練習が一転して、命の危機に晒されることになるのです。
この夏は熱中症対策を万全にして、その先にあるパフォーマンスを維持向上させる水分補給と食事について考えていきましょう。

体重の2%の水分が低下することにより、パフォーマンスは低下します‼︎

ジュニア選手の注意点

  • 体調の変化に気がつきにくく、無理をしている自覚がないことから対応の遅れを招く恐れがある。
  • 背丈が小さく、地面からの暑さの影響を受けやすい。
  • 大人と比較したとき、体内に保持する水分量に対しての体表面積の割合が大きく、脱水を引き起こしやすい。

1.水分補給

運動時の水分補給の目安(1時間を超える運動)

時間 目安量 種類
運動前2時間〜30分前 250ml〜500ml アイソトニック飲料
運動中の早い段階 1時間あたり500ml〜1000ml
1度の摂取量は100ml〜200ml
アイソトニック飲料
運動中の中盤〜終盤 ハイポトニック飲料
運動後   アイソトニック飲料
牛乳 オレンジジュース

※暑い時期の目安は1時間あたり1000ml程度
※5℃程度に冷えたもの

アイソトニック飲料:体液と浸透圧が同じ飲料
安静時の体液とほとんど同じ浸透圧であるため、運動前や運動前半にオススメです。
特に運動前には、糖質の補給による速やかなエネルギーチャージが可能なことから疲労回復に効果があると言われています。
また運動後の速やかなエネルギー補給にも有効です。

ハイポトニック飲料:体液より浸透圧が低い飲料
運動を行うと水分と共にナトリウムなどのミネラルが排出されます。このとき、体液の濃度に変化があります。浸透圧が低く設定されたハイポトニック飲料がより早く吸収される飲料となります。
運動の中盤から終盤にかけてオススメ。
アイソトニック飲料を1,5倍程度に薄めても◯。

麦茶の注意点
さっぱりした麦茶は喉越しが良く、ジュニア選手には麦茶を好む選手も多くいます。
しかしながら、長時間の運動中の麦茶の大量摂取は、体液を薄めてしまうことに繋がります。体は、体液の濃度維持を優先し、水分の吸収が後回しになるのです。
麦茶を好む選手は、同時に塩分と糖質の摂取にも気を配りましょう。

危険‼︎ おなかがタポタポして動けなくなるから飲みたくない
→選択した水分の種類が、体内の状態と合っていないことが原因かもしれません。
状況に合わせて吸収のよい飲料を選択して水分が小腸に留まるのを回避しましょう。
危険‼︎ 朝から熱中症
→ 朝起きてから運動前までにしっかり水分補給することで回避しましょう。

2.食事から補給

  • お弁当から ナトリウム マグネシウム ビタミンB群を補給
  • フルーツから 水分 糖質 カリウム を補給
ナトリウム : 汗によって水分とともに失われる。浸透圧の維持に働く
マグネシウム:熱中症の症状に脚が攣るなどがあるが、マグネシウム不足が原因。
カリウム : 細胞の水分の保持に働く。
ビタミンB群:糖をエネルギーとして使うために必要。たんぱく質やアミノ酸の働きに関与。

麺つゆ 白だし ぽん酢などの調味料は、塩分を多く含むことからナトリウムの摂取に役立ちます。
海藻類や大豆製品、さくらえびなどにはマグネシウムが含まれています。
スイカ メロン 桃 オレンジ 夏みかんなどにはカリウムが多く、同時に果糖や水分を得ることができます。
ビタミンB群は赤身のお肉や魚、緑黄色野菜などから得ることができます。

基本編の考え方<アスリートフード=バランス食+不足させない意識>に、これらの栄養素を当てはめてプラス‼︎

パフォーマンスを維持向上させる夏へ‼︎ 進化のとき‼︎

●アスリートフードマイスター2級
鰐川 せりな (わにがわ せりな)
公益社団法人 日本アロマ環境協会認定アロマテラピーインストラクター
小学6年生から3歳までの四兄弟を育てる母。
明治大硬式野球部出身の主人とともに、「ジュニア選手の健全育成のためのトレーニング・食事・ケア」の普及に取り組んでいます。
セミナー・ワークショップ・野球教室・個人相談など多数。
夢を追うこどもたちと同様に、こどもたちをサポートするお母さんを応援しています。

【ブログ】わに家の野球とごはんと時々アロマ~四兄弟の子育てDairy~

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第167回 この夏、自分史上最強の自分になる!ジュニアの補食

アスリートフードマイスター2級の鰐川せりなが
ジュニア選手指導の現場から、ジュニアのアスリートフードについてお伝えします。

ジュニア選手の食事についてお届けしている連載4回目は、【補食編】です。

補食とは、朝昼晩の食事とは別に「栄養を補完する目的」で摂取する食事です。
大人のように、一度に多くの量を食べることができないジュニア期の選手たちは、その体づくりの助けに「補食」の活用が有益です。
運動により消耗にさらされる体を、さらに強く育むためには、常に十分なエネルギーで体を満たしておく必要があるのです。
また、補食の活用により、1日の食事のバランスを調整することが可能となります。

  • 食が細く一度に食べられる量が少ない選手(夏バテを含む)
  • 増量してパワーアップを図りたい選手
  • 太りすぎの懸念があり軽快な動きを取り戻したい選手
  • 食事と休息の両立に難しさを感じる選手
  • 試合後のリカバリーと試合前の栄養補給

補食の再考を

補食の注意点 : おやつと捉えるのではなく、「食事の補完」と意識する。
        食事の代わりとなるものではない。

補食の基本形=〔糖質①+たんぱく質②〕×低脂質③+α

(例)おにぎり+牛乳(豆乳)とすると考えやすい

[1] 糖質:生命活動及び運動のエネルギー源
  ※糖質が不足すると、活動エネルギーの確保のために、筋肉中のたんぱく質が使われる
   リスクがある。
[2] たんぱく質:筋肉の修復や増強、骨の形成に不可欠
[3]低脂質:脂質は消化に時間がかかり、その満腹感が次の食事に影響を及ぼすため
  体脂肪の増加に繋がる懸念があるため

+αには、ご自身の食事の中で「摂りにくい」「不足」と感じるものを充てていきましょう。
※ 試合前の補食の摂り方は【試合前試合後編】を参考になさってください。

ジュニア選手にオススメの補食は、洋菓子ではなく和菓子
スナック菓子 インスタント食品 加工肉 加工食品 揚げ物 は、補食に不向き

POINTリン酸塩
リンは、骨の形成に必要な栄養素である一方、摂りすぎはカルシウムの体外排出を促すという側面があります。スナック菓子やインスタント食品、加工肉、加工食品に多く含まれており、食品選びは極めて重要です。成長期のジュニア選手は、特に注意が必要です。

  • 食が細く一度に食べられる量が少ない選手(夏バテを含む)
  • 増量してパワーアップを図りたい選手
基本形+糖質 1日の摂取エネルギー量を底上げ‼︎
お餅やみたらし団子、大福、カステラ、ジャムパン、チーズ、100%オレンジジュース、果物などで糖質の上乗せを。
時間帯も、下校直後 遊びからの帰宅直後 習い事の前 習い事の直後など 合間の時間に少量ずつ何度も補給しましょう。
  • 太りすぎの懸念があり軽快な動きを取り戻したい選手
基本形をアレンジ 低脂質を徹底した上で糖質とたんぱく質の摂取を図ります。
        食物繊維やビタミンミネラルの摂取も意識してバランスの向上を!

低脂質を徹底しましょう。(スナック菓子 脂質の多いアイスクリーム クリーム類を避ける。)
蒸かし芋などで糖質の確保をしながら、食物繊維を摂取。
ヨーグルトや豆乳でたんぱく質を確保(牛乳より低脂質)。
フルーツから糖質とビタミンミネラルを摂取。
まずは【基本編】のバランスから普段の食事を見直し、続いて補食はどのようなものを選んでいたか考えましょう。
  • 夜練習や習い事などで、食事と休息の両立に難しさを感じる選手
基本形を増量+ビタミンミネラル 充実した補食で、食事の分散化を‼︎
補食は、食事の代わりにはなりません。ですが、食事の分散化に役立てることができます。
基本形を増量させて、食事で摂るべき栄養素を分散させることで夕食にかかる時間を短縮し、休息時間を確保しましょう。
野菜と果物たっぷりのスムージーを補食に取り入れるのもオススメです。夕食の献立からサラダと果物を先取りです。

●アスリートフードマイスター2級
鰐川 せりな (わにがわ せりな)
公益社団法人 日本アロマ環境協会認定アロマテラピーインストラクター
小学6年生から3歳までの四兄弟を育てる母。
明治大硬式野球部出身の主人とともに、「ジュニア選手の健全育成のためのトレーニング・食事・ケア」の普及に取り組んでいます。
セミナー・ワークショップ・野球教室・個人相談など多数。
夢を追うこどもたちと同様に、こどもたちをサポートするお母さんを応援しています。

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第166回 この夏、自分史上最強の自分になる!試合前後食

アスリートフードマイスター2級の鰐川せりなが
ジュニア選手指導の現場から、ジュニアのアスリートフードについてお伝えします。

連載の第3回となる今回は、ジュニア選手の【試合前 試合後編】をお届けいたします。

試合前後食は、勝つことに直結するまさに「アスリートフードの真骨頂」‼︎

第1回の【基本編】でお伝えしたアスリートフード(バランス食+不足させない意識)の考え方や量を基に、試合時に不足させてはいけないものを補い、リスクを排除していきます。

●試合前食=準備の食事

試合中のエネルギー不足を回避して、努力の成果を確実に成績に結びつけましょう。

  ◇活動のエネルギー源を体に蓄える [糖質強化]
  ◇食あたりや消化不良といったリスク回避 [消化の負担減]

トマトとツナのスパゲティー 糖質
豚肉甘辛煮 糖質
玉子焼き 糖質
紫キャベツのオレンジマリネ 糖質 消化酵素 クエン酸
豆乳クリームコーンスープ 糖質
ほうれん草のおひたし
フルーツ 糖質

※試合までの時間により、摂取できるものが異なります。

試合前日 基本編の食事+高糖質×消化のよさ
白米 パスタ うどん いも類(さつまいもを除く) フルーツ などで糖質を強化→体内にエネルギー源を貯蔵
消化の負担減のため、揚げ物や生ものを避ける。
食あたりのリスクを避ける。
調味に甘さを加えることで、糖質を上乗せ。
試合開始2〜3時間前 基本編の食事+高糖質×消化のよさ
試合前日とほぼ同様。
消化には更に配慮し、海藻類 きのこ類 貝類 食物繊維の多いものも避ける。
試合開始1〜1,5時間前 糖質補給+消化重視
おにぎり ジャムパン こしあんパン カステラ 大福 プリンなど糖質強化→エネルギーの上乗せ
試合開始30分〜1時間前 糖質補給+消化最重視(固形物×)
ブドウ糖 砂糖 あめ ゼリー飲料などで糖質強化
→1回の摂取目安は砂糖大さじ2

●試合後食=回復の食事

次なるステージへの第一歩は試合後の食事から。早いリカバリーで闘う体を取り戻しましょう。

  ◇試合で使ったエネルギーの補充[糖質補給]
  ◇筋肉の修復[たんぱく質補給]
  ◇疲労回復[ビタミンミネラル補給]


<写真2枚目上部>
豚肉のオレンジソテー たんぱく質 ビタミンB郡
鶏レバー甘辛煮アスパラ添え 鉄分 アスパラギン酸
ホタルイカの炊き込みごはん たんぱく質 糖質 ビタミン タウリン
蒸し新じゃが 糖質 ビタミンC
長ねぎ入りお味噌汁 たんぱく質 アリシン
※アスパラギン酸 タウリン アリシンは一般的に疲労回復効果があると言われている物質です。

試合後1時間以内 主食+主菜+副菜+牛乳乳製品+果物の揃った【基礎編】の食事の摂取。
糖質とたんぱく質をしっかり摂り、疲労回復によいビタミンB群やビタミンC、造血に必要な鉄分などのミネラルも意識的に。
1時間以内の食事が難しいとき 取り急ぎ 糖質+たんぱく質 を摂取。
〈例〉おにぎり+牛乳 カステラ+牛乳 大福+オレンジジュース
その後、なるべく早く基本編の食事を摂りましょう。

●試合前であり試合後となる食事=連戦時の食事

【試合前】【試合後】どちらの要素も持ち合わせた大切な食事。睡眠との両立が必要。

  ◇試合で使ったエネルギーを補い、次の試合で使うエネルギーを蓄える【糖質補充強化】
  ◇筋肉の修復【たんぱく質補給
  ◇疲労回復【ビタミンミネラル補給
  ◇食あたりや消化不良のリスク回避【消化の負担減
  ◇睡眠との両立

疲労回復には、栄養と休息が不可欠です。丼や汁物を活用して、必要な栄養を確保しつつ食事にかかる時間を短縮して、栄養補給と睡眠時間の両立を図ることも大切です。

<写真2枚目下部>
ローストビーフ丼レモンソース 糖質 たんぱく質 クエン酸 ビタミンB群 鉄分
桜えび入り具だくさんポトフ ビタミン カルシウム 糖質
ヨーグルト 糖質 たんぱく質 カルシウム
もずく酢 クエン酸
フルーツ 糖質 ビタミンC
※栄養素の働きは複合的であり、色分けは一例です。

●アスリートフードマイスター2級
鰐川 せりな (わにがわ せりな)
公益社団法人 日本アロマ環境協会認定アロマテラピーインストラクター
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第165回 この夏,自分史上最強の自分になる!ジュニアのお弁当

アスリートフードマイスター2級の鰐川せりなが
ジュニア選手指導の現場から、ジュニアのアスリートフードについてお伝えします。

第2回はジュニア選手の【お弁当編】をお届けいたします。

運動中のお昼ごはんはしっかりと召し上がっていますか?
帰宅後「クタクタでごはんを食べずに(少しだけにして)寝てしまう」
試合中「後半は集中力が切れる」
などといった場合には、エネルギー不足が考えられます。

お弁当も【基礎編】の食事量を意識!食べやすく工夫してエネルギー補給しましょう。

●運動中のお弁当の役割とは
[1]運動に必要なエネルギーを確保すること
自分の持つ能力を発揮することやケガの予防につながります。
[2]帰宅後の食べる元気を守ること(リカバリーの機会を確保)
運動後に体を回復させるためには、その後の食事が重要です。欠食に繋がる過度な疲労を防ぐため、エネルギーにも余力が必要です。

【ジュニア選手に多い 睡眠 > 食欲】
大人のアスリートが食事に関心を持ち、能動的に食事を含めたコンディショニングを行うのとは対照的に、一般的なジュニア選手は競技そのものへの関心の高さに比べ、「食事=トレーニング」という認識は低いと思われます。
疲れすぎて眠いときに、どうにか工夫して体のために食事を摂ろうという気持ちにはなりづらいのです。
【体調や限度の把握の難しさ】
ジュニア選手は、上達したい一心でいつでも全力で取り組みます。運動に没頭するため、環境や自身の変化に気づかずに、結果的に無理を重ねることがあります。

●だからこそ、しっかり食べる!お弁当あれこれ
ある日の小学生野球少年のお弁当

しらすおろしとミニトマト入りめんつゆ
冷うどん
パプリカにんじんピーマンのレンジ蒸し
マーマレード煮の豚丼
お赤飯のおにぎり
果物
フルーツゼリー
オレンジジュース
牛乳

☆麺類(うどん・パスタ)の活用 : 主食
暑いときに、たくさんのお米を食べるのはなかなか大変です。主食の摂取方法を工夫しましょう。

うどん+ごはん=食べやすく持続可能なエネルギーの確保

うどんは、消化が良く活動のエネルギーとなりやすい反面、含まれるエネルギー量では同じ重さの精白米に比べ少ないという特徴があります。速さと持続性、必要量を考えて、うどんとごはんの双方からエネルギー補給をすることで、練習終了までエネルギー切れを起こさない対策としています。

※チームの指導方針等で麺類をお弁当に持たせることができない場合
ごはんは汁物との組み合わせで食べやすくなります。スープジャーに汁物を入れて、かけて召し上がるのもおすすめです。(冷たい鮭お茶漬け、冷汁、スープがけごはんなど)

☆つけダレの工夫 : 副菜
つけダレに具材を加えると、副菜の一つとして考えることができます。
消化を促進する大根おろしや大葉、胃の粘膜を保護してくれるオクラ、ビタミン補給に夏野菜を加えたり、鶏肉のほぐし身やしらすを取り入れるなどして、バリエーションも楽しめます。
なにより、副菜を主食と組み合わせて摂取でき、食べる負担が軽減できます。

☆おかずとごはんは一緒が食べやすい : 主菜+主食
ごはんの上に主菜をのせる丼が食べやすくおすすめです。主菜を分散して、おにぎりの具にするのも良いでしょう。

☆果物の活用
果物は、豊富な水分とビタミンミネラル、糖質などを含みます。果糖の吸収は早く、速やかにエネルギーに変わります。
また、程よい酸味が口の中をさっぱりさせるため、食欲のない時には食前に召し上がるのもおすすめです。

☆オレンジジュース・フルーツゼリー
素早く吸収される糖質を含んでおり、エネルギーの積み上げには最適です。
練習後に取り入れることも可能です。
市販品を選ぶと、衛生管理がしやすいこともポイントのひとつです。

これからの時期のお弁当作りは、衛生面に配慮しながら、ぜひ様々に楽しんでください。

●アスリートフードマイスター2級
鰐川 せりな (わにがわ せりな)
公益社団法人 日本アロマ環境協会認定アロマテラピーインストラクター
小学6年生から3歳までの四兄弟を育てる母。
明治大硬式野球部出身の主人とともに、「ジュニア選手の健全育成のためのトレーニング・食事・ケア」の普及に取り組んでいます。
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第164回 この夏、自分史上最強の自分になる!ジュニアの食トレ

アスリートフードマイスター2級の鰐川せりなが
ジュニア選手指導の現場から、ジュニアのアスリートフードについてお伝えします。

本日からの連載は、夢見るジュニア選手とそれを支える方々へ、ジュニア選手のスポーツ栄養についてお届けいたします。
【基礎編】【お弁当編】【試合前後編】【補食編】【熱中症対策編】の全5回です。

このところ、多く寄せられるご相談に、「暑い時期の乗り越え方」があります。
暑い時期を乗り越えるには、『今』この時期がカギとなります。
今日食べたもので3ヶ月後の身体を作るのです!
さあ、ベストを尽くしましょう!

そして、夏場はその身体をキープする意識。
気温の変化に身体と心が対峙するときは、体力的にも精神的にも厳しい時期です。できる限りの食事と細かな補給でベターを積み上げる時です。

【基礎編】

普通の健康的なこどもの食事と、競技に励むこどもの食事とで異なるのは、運動量の違いに対応する栄養です。

アスリートフード=バランス食+不足させない意識

小学生野球少年の晩ごはん例

●バランス食の考え方
5大栄養素をバランスよく含む 主食 主菜 副菜 牛乳乳製品 果物 の揃った食事です。
バランス食をイメージするとき一番手近なものは、学校給食!
学校給食は、文部科学省の定める児童生徒1人1回あたりの平均所要栄養量を元に献立が作られています。
普通の健康的な生活を送るために、1日に食べなければいけない量の3分の1程度の栄養が含まれています。
《5大栄養素》

【糖質】
(炭水化物)
活動のエネルギー源。不足は筋肉の分解を招き、試合前は特に意識したい栄養素。
【たんぱく質】 筋肉や内臓、骨などの主成分。不足は、筋肉量の減少や筋肉の増加が果たせないなど大きな問題となり、骨量の低下、ケガの回復遅れなどを招く。
【ビタミン】 様々な働きで体の恒常性を保つために必要なもの。三大栄養素の働きを助ける欠かせない栄養素。
【ミネラル】 骨や歯、血液中のヘモグロビンなどの構成要素。
【脂質】
(脂肪)
生命維持や運動の際のエネルギー源のひとつ。生体膜やホルモンの成分。摂りやすい栄養素であることから、過剰摂取に注意。

●不足させない意識とは
運動をするにあたり、減っていくものへの対応です。
例えば、運動中に糖質が不足した時、体は活動に必要なエネルギーを確保する為、筋肉を分解して糖を作ります。
苦労して作り上げた筋肉を手放すことは、ジュニア選手にとって大きすぎる代償です。
また、運動中には体内の疲労物質が増加する為、対策としてビタミンミネラルが必要です。

ジュニア選手の食事目安

【主食】給食の2倍〜2.5倍(小学生高学年450g程度、中学生580g程度)

【主菜】給食の2倍程度 ※種類と調理方法の重複を避けましょう。

【副菜】生野菜はこどもの両手のひら1杯程度
    加熱野菜はこどもの片手のひら1杯程度

【脂質】質の良い脂質の摂取を考え、摂りすぎ注意
    ※主菜が増えることにより、食材そのものから摂取する脂質が増えます。
     油を多く使う調理法を避けましょう。

【牛乳乳製品】1食につきコップ1杯もしくはヨーグルトならその半分程度
    ※乳製品アレルギーの方は、カルシウムの補給に小魚や桜エビなどを積極的に摂取して下さい。

【果物】 柑橘類などビタミンCの摂取を意識して毎食摂取

ジュニア選手だからこそ意識するもの

成長期だからこそ不足させてはならないカルシウムや鉄は、組み合わせで吸収率を上げ、効果的に摂取しましょう。
強い骨と、疲労物質を流し去る新鮮で豊富な血液を作ることはとても重要です。

カルシウム(乳製品や小魚類)+ビタミンD(きのこ類や魚など)=吸収率UP!

鉄(赤身の肉や小松菜など)+ビタミンC=吸収率UP!

今回は、暑い時期を見据えて、ジュニア選手の身体を作る【基礎編】をお届け致しました。

●アスリートフードマイスター2級
鰐川 せりな (わにがわ せりな)
公益社団法人 日本アロマ環境協会認定アロマテラピーインストラクター
小学6年生から3歳までの四兄弟を育てる母。
明治大硬式野球部出身の主人とともに、「ジュニア選手の健全育成のためのトレーニング・食事・ケア」の普及に取り組んでいます。
セミナー・ワークショップ・野球教室・個人相談など多数。
夢を追うこどもたちと同様に、こどもたちをサポートするお母さんを応援しています。

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第163回 サッカー選手の食事〜試合当日《試合後》〜

アスリートフードマイスター1級の杉浦杏奈が
現役サッカー選手の妻ならではのリアルなアスリートフードについてお伝えします。

こんにちは、杉浦杏奈です!旦那さんはサッカー選手の杉浦恭平です。
第五回目となる今回も、現役サッカー選手の妻ならではの内容をお届けします。よろしくお願いします!

まず、サッカー選手のスケジュールです。
—————————-
火曜日~金曜日:練習
土曜日:試合(メンバー外の選手は練習)
日曜日:リカバリー(メンバー外・試合に出なかった選手は練習試合)
月曜日:オフ
———————-
火曜日:練習期
水曜日:練習期
木曜日:試合2日前
金曜日:試合前日
土曜日:試合当日
    (試合前)
    (試合直前)
    (試合直後)
    (試合後)
日曜日:試合翌日
月曜日:オフ
—————————-
チームや監督にもよりますが、上の段のような一週間を毎週繰り返します。
そして我が家では下の段のように区切って食事を考えています。

今回は、試合後の食事についてです!

サッカーのように持久力を使うスポーツは、グリコーゲンを大量に消耗します。グリコーゲンが不足してしまうと、自分の筋肉などのたんぱく質を分解してエネルギー源にしようとしてしまうため、試合後はとにかく早く糖質補給することが大切です。
そして、試合で酷使した筋肉を修復するために、たんぱく質も早めに補給します。

試合後30分以内に糖質とたんぱく質を補給し、その後少しでも早く「栄養フルコース型」の食事を摂ることが理想です。
【栄養フルコース型】:
  〈主食、主菜、副菜、果物、乳製品〉
  一汁三菜に果物と乳製品をプラスした食事

試合直後の選手ロッカールームには軽食が用意されています。内容はチームにより異なりますが、おにぎり、バナナ、おだんご、オレンジジュースなど素早く糖質補給できるものが多いようです。
ここで梅干しおにぎりやオレンジジュースを選べばクエン酸も摂れるため、疲労回復の促進が期待できます。

試合後の夕食で大切にしていること
・栄養フルコース型
・様々な食材を使う
・消化がしやすい食材、調理法にする
・食が進むメニューにする
・帰ってきたらすぐに食べられるよう用意しておく

試合後というのは、お腹をすかせて帰ってくることもあれば、疲れすぎて食欲がないということもあります。どんな状態であっても、しっかり食べて栄養を摂り少しでも早く身体を回復させてほしいため、食欲の湧く食事を用意するようにしています。(以前は栄養面を考えてコラーゲン鍋を出すことが多かったのですが、食欲が湧かないと言われてから好物を出すようになりました)

【試合当日の夕食】

夕食メニュー

  • スパイスカレー(スパイス多種類、鶏挽肉、たまねぎ、にんじん、トマト、にんにく、しょうが)
  • 雑穀米、ゆで卵
  • 野菜スープ(豚肉、にんじん、かぼちゃ、ブロッコリー、トマト、たまねぎ、キャベツ、しめじ)
  • 馬レバーの赤ワイン煮
  • ピクルス(にんじん、きゅうり、赤パプリカ、黄パプリカ、カリフラワー、プチトマト)
  • ヨーグルト(いちご、ブルーベリー、はちみつ)
  • 果物(キウイ、オレンジ)

この夕食のポイント
・カレーはルウではなくスパイスを使う(辛みスパイスは控えめ)
・生野菜サラダではなく具沢山スープで消化のしやすい温野菜をたっぷり摂る
・ピクルスとすっぱい果物でクエン酸を摂る
・レバーで鉄分を摂る

カレールウを使わない理由は、油脂を摂りたくないからです。食べ慣れた味で美味しいのですが、試合後は内臓も疲れているため、消化に負担のかかるものは控えます。また、カレーに使うスパイスには抗酸化・抗炎症・疲労回復・食欲増進・・・など、試合後にぴったりな効能がたくさんあります。(胃腸のことを考え刺激の強い辛みスパイスは控えめにします)
どれだけ疲れて帰ってきてもカレーだと必ずお代わりをしてくれるので、我が家の試合後にはカレーが合っているようです!

疲労回復が遅れたまま週明けの練習が始まりそのまま次の試合を迎えてしまうと、溜まった疲れでパフォーマンスは低下し怪我のリスクも高まってしまいます。ついつい試合前の食事に重きを置きがちですが、試合後に素早く栄養補給し疲れを持ち越さないよう気をつけることが、シーズンを乗り切るためにとても重要になります。

5回に渡って我が家の食事を紹介させていただきました!いかがでしたか?
我が家で実践していることは、あくまで「杉浦恭平」に合わせた食事なので、他の選手に合うとは限りませんが、いつも『栄養フルコース型』の食事を摂ることを意識しています。これはどの選手にとっても同じように基本になることです。
情報が溢れていて何が正しいのか、何を取り入れるべきなのか見極めることが難しいですが、毎食『栄養フルコース型』の食事を続けることを基本にし、その上で新しい食材や食事法を選手本人の身体で試していくことが一番良いのではないかと思っています。ご覧いただきありがとうございました!

●アスリートフードマイスター1級
杉浦 杏奈 (すぎうら あんな)
Jリーグでプレーするサッカー選手、杉浦恭平を夫に持つ。
結婚を機に栄養学の勉強を始め、毎日の食事で夫をサポート。基本のスポーツ栄養をベースに新しい食材や食事方法を取り入れ、試行錯誤しながら”杉浦恭平に合った食事は何か”を大切にしている。

杉浦恭平選手(アスリートフードマイスター3級)
静岡学園→川崎フロンターレ→愛媛FC→川崎フロンターレ→ヴィッセル神戸→ベガルタ仙台→ツエーゲン金沢(2017年現在)

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第162回 サッカー選手の食事〜試合当日《試合前》〜

アスリートフードマイスター1級の杉浦杏奈が
現役サッカー選手の妻ならではのリアルなアスリートフードについてお伝えします。

こんにちは、杉浦杏奈です!旦那さんはサッカー選手の杉浦恭平です。
第四回目となる今回も、現役サッカー選手の妻ならではの内容をお届けします。よろしくお願いします!

まず、サッカー選手のスケジュールです。
—————————-
火曜日~金曜日:練習
土曜日:試合(メンバー外の選手は練習)
日曜日:リカバリー(メンバー外・試合に出なかった選手は練習試合)
月曜日:オフ
———————-
火曜日:練習期
水曜日:練習期
木曜日:試合2日前
金曜日:試合前日
土曜日:試合当日
    (試合前)
    (試合直前)
    (試合直後)
    (試合後)
日曜日:試合翌日
月曜日:オフ
—————————-
チームや監督にもよりますが、上の段のような一週間を毎週繰り返します。
そして我が家では下の段のように区切って食事を考えています。

今回は、ついに試合当日の、試合前の食事についてです!

試合当日の食事で大切にしていることは、
・様々な種類の糖質を摂ること
・ビタミンB1、ビタミンC、クエン酸を摂ること
・こまめな糖質補給、水分補給

まず、様々な糖質を摂る理由は、それぞれ消化にかかる時間が異なることから、試合時にエネルギーとして使われる時間にも差が出てくることを期待しています。また、1つの糖質を大盛りで出すよりも、様々な種類の糖質を少しずつ出す方が美味しく食べてくれているように思います。

次に、糖質をエネルギーとして使うためのビタミンB1、緊張やストレスで消耗しやすいビタミンC、疲労予防・疲労回復を期待してのクエン酸。
ビタミンB1といえば豚肉や玄米ですが、消化に時間がかかるため我が家では試合当日の試合前に出すことは控えています。代わりに、鮭・ぬか漬け・きなこなど、含有量は多くなくても少しでもビタミンB1を含む食材を使います。
ビタミンCとクエン酸は、柑橘類と梅干しで摂ります。柑橘類は毎日毎食、梅干しもほぼ毎日食べていますが、試合当日はいつも以上に意識します。朝の生絞りジュースはりんごよりレモンの割合を増やしたり、グレープフルーツを食べることも多いです。

そしてこまめな糖質補給。例えば、先日行われた13:00キックオフの試合の日、旦那さんは以下のようなスケジュールで糖質を摂っていました。
—————————-
 7:00 朝食
 9:30 トマトパスタ、おにぎり、グレープフルーツ
10:30 バナナ
11:30 ゼリー飲料など
12:15 (ウォーミングアップ)
13:00 (試合キックオフ)
13:45 (ハーフタイム)
      ゼリー飲料など
—————————-
水、スポーツ飲料、経口補水液などで常に水分補給
—————————-

試合開始3時間前までに食事を終えて、その後はおにぎりやバナナ、試合直前はゼリー飲料などで糖質補給。これが基本ですが、そのときの体の調子に合わせて旦那さん自身が自分の感覚で食べる内容と量を調整しています。

しっかりと水分が摂れていることも非常に大切です。水分不足は脱水症状を起こすだけでなく、パフォーマンスを低下させます。喉が乾いてから飲むのではなく、常に水分量が満たされているように、少しずつこまめに飲んでおくことが重要です。

【試合当日の朝食】(13:00キックオフ)

朝食
・おにぎり(梅干し、鮭)
・味噌汁(じゃがいも、たまねぎ、豆腐)
・餅(きなこ、黒糖)
・ぬか漬け(きゅうり、大根)
・果物(グレープフルーツ、バナナ)
・生絞りジュース(レモン、オレンジ、りんご)

◯おまけ◯
試合当日の朝でもピリピリした様子はなく、普段と同じように見える旦那さんです。私は旦那さんが自分のペースで過ごしながらいつも通り家を出発できるようにと心がけています。今年はチームカラーが赤なので、赤い箸置きでさりげなく応援も!

次回は試合後の食事についてです。試合までの食事も大切ですが、試合後にどれだけ早く疲労回復し、翌週の試合に備えられるか。サッカー選手にとってとても大切な内容になります。お楽しみに!

●アスリートフードマイスター1級
杉浦 杏奈 (すぎうら あんな)
Jリーグでプレーするサッカー選手、杉浦恭平を夫に持つ。
結婚を機に栄養学の勉強を始め、毎日の食事で夫をサポート。基本のスポーツ栄養をベースに新しい食材や食事方法を取り入れ、試行錯誤しながら”杉浦恭平に合った食事は何か”を大切にしている。

杉浦恭平選手(アスリートフードマイスター3級)
静岡学園→川崎フロンターレ→愛媛FC→川崎フロンターレ→ヴィッセル神戸→ベガルタ仙台→ツエーゲン金沢(2017年現在)

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第161回 サッカー選手の食事〜試合前《消化》〜

アスリートフードマイスター1級の杉浦杏奈が
現役サッカー選手の妻ならではのリアルなアスリートフードについてお伝えします。

こんにちは、杉浦杏奈です!旦那さんはサッカー選手の杉浦恭平です。
第三回目となる今回も、現役サッカー選手の妻ならではの内容をお届けします。よろしくお願いします!

まず、サッカー選手のスケジュールです。
—————————-
火曜日~金曜日:練習
土曜日:試合(メンバー外の選手は練習)
日曜日:リカバリー(メンバー外・試合に出なかった選手は練習試合)
月曜日:オフ
———————-
火曜日:練習期
水曜日:練習期
木曜日:試合2日前
金曜日:試合前日
土曜日:試合当日
    (試合前)
    (試合直前)
    (試合直後)
    (試合後)
日曜日:試合翌日
月曜日:オフ
—————————-
チームや監督にもよりますが、上の段のような一週間を毎週繰り返します。
そして我が家では下の段のように区切って食事を考えています。

前回は試合前のグリコーゲンローディングについて書きましたが、今回は試合前の「消化」についてです。
上のスケジュールでいう木曜日、つまり試合2日前からはグリコーゲンローディングと同時に、消化しにくい食べ物を避けるよう気をつけます。

具体的には、我が家では以下のことを実践しています。
・玄米や雑穀は使わず白米にする
・食物繊維が豊富なものは食べない(こんにゃく、たけのこ、ごぼうなど)
・食物繊維が豊富でも糖質や栄養価の高いものは徐々に控える(納豆、かぼちゃなど)
・蒸す、煮る、茹でるなど、油を使わない調理法にする
・肉や魚も脂の少ないものを選ぶ
・葉野菜のサラダよりも、緑黄色野菜に火を通して食べる
・ナッツやごまなど、かたい皮や殻に包まれたものは食べない
・いちごやキウイなど、種が含まれるものは徐々に控える
・トマトの皮や、みかんなどの薄皮は食べない

(お腹をくだす可能性のあるもの、脂っこいもの、刺激の強いもの、食べ慣れないもの、などを食べないのは大前提です。)

試合前の食事というのは、試合のための食事です。そのため、エネルギーとなることが重要です。

食物繊維はエネルギーにはなりません。
また、食べたものを消化するということ自体にも意外とエネルギーは使われてしまいます。グリコーゲンローディングをしたい試合前には、消化に時間のかかる食事は適しません。
そして、試合前は緊張で消化力が弱まっていることもあるため、消化の負担になる可能性のあるものは避けます。

私が「消化」を大事にしているのは、胃腸に余計なものがない状態で試合を迎えてほしいからです。少しでも体が軽く、すっきりした状態で。長々と消化にエネルギーを奪われながらではなく、食べたものがすぐに吸収され、すぐにエネルギーへと変換される状態で試合を迎えてほしいのです。

【試合前日の朝食・夕食】

朝食
・鮭の炊き込み御飯大盛り(鮭、みつば)
・味噌汁(じゃがいも、たまねぎ)
・納豆(とろろ、しらす)
・かぼちゃ煮
・粉ふきいも
・ほうれん草の梅和え
・卵焼き
・漬物(きゅうりの塩糀漬け、赤かぶの甘酢漬け)
・ヨーグルト(バナナ、きなこ、はちみつ)
・生絞りジュース(りんご、レモン、オレンジ)


夕食
・豚丼大盛り(豚、たまねぎ、長ねぎ、レモン塩だれ)
・味噌汁(かぼちゃ、たまねぎ)
・蒸し鱈と蒸し野菜(鱈、じゃがいも、にんじん、かぶ、ブロッコリー、菜の花、レモン)
・白和え(豆腐、にんじん、ほうれん草、塩糀)
・いももち(じゃがいも、米粉)
・かぼちゃ煮
・きゅうりの梅和え
・ヨーグルト(バナナ、きなこ、はちみつ)
・果物(りんご、オレンジ)

試合2日前の食事と同じように、【栄養フルコース型】の中で芋類を多く使っていますが、試合前日はさらに白米をたくさん食べてもらうよう意識します。丼メニューにしたり、炊き込み御飯にすることも多いです。
そして、試合前日は試合2日前の食事以上に、消化しにくい食べ物を避けるよう気をつけています。

次回はついに試合当日の食事です。お楽しみに!

●アスリートフードマイスター1級
杉浦 杏奈 (すぎうら あんな)
Jリーグでプレーするサッカー選手、杉浦恭平を夫に持つ。
結婚を機に栄養学の勉強を始め、毎日の食事で夫をサポート。基本のスポーツ栄養をベースに新しい食材や食事方法を取り入れ、試行錯誤しながら”杉浦恭平に合った食事は何か”を大切にしている。

杉浦恭平選手(アスリートフードマイスター3級)
静岡学園→川崎フロンターレ→愛媛FC→川崎フロンターレ→ヴィッセル神戸→ベガルタ仙台→ツエーゲン金沢(2017年現在)

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第160回 サッカー選手の食事 試合前 グリコーゲンローディング

アスリートフードマイスター1級の杉浦杏奈が
現役サッカー選手の妻ならではのリアルなアスリートフードについてお伝えします。

こんにちは、杉浦杏奈です!旦那さんはサッカー選手の杉浦恭平です。
第二回目となる今回も、現役サッカー選手の妻ならではの内容をお届けします。よろしくお願いします!

まず、前回も書いたサッカー選手のスケジュールです。
—————————-
火曜日~金曜日:練習
土曜日:試合(メンバー外の選手は練習)
日曜日:リカバリー(メンバー外・試合に出なかった選手は練習試合)
月曜日:オフ
———————-
火曜日:練習期
水曜日:練習期
木曜日:試合2日前
金曜日:試合前日
土曜日:試合当日
    (試合前)
    (試合直前)
    (試合直後)
    (試合後)
日曜日:試合翌日
月曜日:オフ
—————————-
チームや監督にもよりますが、上の段のような一週間を毎週繰り返します。
そして我が家では下の段のように区切って食事を考えています。

では、前回の続きとなる木曜日からみていきましょう!

上のスケジュールでいう木曜日、つまり試合2日前からは
・グリコーゲンローディング
・消化しにくい食べ物は避ける
この二つを念頭に置きます。

加えて
・ビタミンB群
・ビタミンC
・クエン酸
これらの栄養素をいつも以上にたくさん摂るよう意識します。

グリコーゲンローディングとは、試合に向けてエネルギー源となる糖質を身体に蓄えることです。
サッカーも90分間プレーする持久力を要するスポーツのため、グリコーゲンローディングをします。

しかし、サッカーは毎週試合があり練習も試合前日まで行われます。マラソン選手のようなグリコーゲンローディングではなく、Jリーグのスケジュールに合ったグリコーゲンローディングを考えなければなりません。

我が家では、試合二日前からゆるいグリコーゲンローディングを取り入れています。
なぜ「ゆるい」かというと、グリコーゲンローディングを意識しすぎて失敗した経験があるからです。

私は 結婚当初、栄養の勉強をし始めてまず覚えたのが「グリコーゲンローディング」でした。
試合に向けて炭水化物をたくさん食べてもらわなきゃ!と、試合2日前からは夕食に大盛りのパスタ、朝も大盛りのごはん。
ごはん、パスタ、うどん、もち、じゃがいも・・・
試合2日前から炭水化物ばかりのメニューで、量も多め。そんなグリコーゲンローディングを毎週続けていたところ、旦那さんの体重が増加してしまいました。(毎週続けていたという部分も失敗の要因です)

体重が増えるということは、身体が重くなり動きにくくなるということ。大失敗です。

グリコーゲンローディングだからといって、消費カロリーとのバランスを無視してはいけません。
そして、いくら糖質を蓄えても、それだけではエネルギーに変えることはできないのです。当時の私は糖質を蓄えることしか考えていませんでした。

蓄えた糖質をエネルギーに変えるには、豚肉などに含まれるビタミンB1が必要です。そしてニンニクやネギなどに含まれるアリシンという物質と一緒に摂るとビタミンB1の吸収率が上がります。

これ以外にも、様々な栄養素が絡み合うことでそれぞれの効果が発揮されます。
そのため、どんなときでも【栄養フルコース型】が基本になるのです。

下にある二枚の写真は試合2日前の朝食と夕食です。
練習期と変わらないように見えますが、【栄養フルコース型】の中で芋類を多く使うようにしています。
全体量を変えず、ごはんやパスタばかり食べなくても、おかずを芋類にすることで高糖質になります。
また、練習期の果物は、柑橘類と旬な果物を出すようにしていますが、試合前は柑橘類とバナナを出します。
これが我が家の「ゆるい」グリコーゲンローディングです!

【試合2日前の朝食・夕食】

朝食
・ごはん(白米)
・味噌汁(さつまいも、たまねぎ、大葉)
・ゆで卵(醤油糀漬け)
・鶏肉の梅和え(鶏胸肉、梅干し、大葉)
・納豆(しらす、ねぎ)
・漬物(きゅうり、長芋、塩麹)
・トマト
・ヨーグルト(バナナ、いちご、ブルーベリー、はちみつ)
・生絞りジュース(りんご、みかん、レモン、にんじん)


 
夕食
・ごはん(さつまいも、白米)
・味噌汁(かぶ、かぶの葉、春菊、ゆず)
・肉じゃが(じゃがいも、たまねぎ、にんじん、豚ロース)
・キャベツサラダ(キャベツ、りんご)
・マリネ(湯むきプチトマト、パプリカ、たまねぎ、きゅうり)
・おひたし(ほうれん草、しらす)
・かぼちゃ煮
・高野豆腐(長ねぎ)
・ヨーグルト(バナナ、デーツ、きなこ、はちみつレモン)
・果物(オレンジ、いちご)

次回も試合前の食事についてですが、その中でも「消化しにくい食べ物は避ける」ことについてです!
実はこれを一番考えて試合前の食事を作っています。お楽しみに!

◯おまけ◯
キャンプの終盤、旦那さんが顔を骨折してしまいました。手術の必要はなく、数日後からすぐに練習できていたのでよかったのですが、骨がくっつくまで少し時間がかかるということでした。
そんなときはコラーゲンスープを作ります!骨といえばカルシウムを思い浮かべますが、骨の幹となるのはコラーゲンです。手羽元や鶏ガラを臭み消しの青ネギや生姜と一緒に圧力鍋でしっかり煮込んで、スープだけを冷蔵庫で冷やすと、ぷるっぷるのコラーゲンが現れます。脂が浮いて固まるので、取り除けば完成!
製氷器に入れて冷凍しておけば手軽に使えます。味噌汁にも煮物にもちょい足しでコラーゲンが摂れて便利です。もちろん、コラーゲン鍋にすれば塩で味を整えるだけで最高に美味しいです!
煮込んだ手羽元の身も、旨味は抜けていますがカレーに入れたりいろいろと使えます。
コラーゲンの吸収率をあげるビタミンCも一緒に摂って、カルシウムやマグネシウムもしっかり摂って、早く骨折が治りますように!

●アスリートフードマイスター1級
杉浦 杏奈 (すぎうら あんな)
Jリーグでプレーするサッカー選手、杉浦恭平を夫に持つ。
結婚を機に栄養学の勉強を始め、毎日の食事で夫をサポート。基本のスポーツ栄養をベースに新しい食材や食事方法を取り入れ、試行錯誤しながら”杉浦恭平に合った食事は何か”を大切にしている。

杉浦恭平選手(アスリートフードマイスター3級)
静岡学園→川崎フロンターレ→愛媛FC→川崎フロンターレ→ヴィッセル神戸→ベガルタ仙台→ツエーゲン金沢(2017年現在)

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第159回 サッカー選手の食事〜練習期〜

アスリートフードマイスター1級の杉浦杏奈が
現役サッカー選手の妻ならではのリアルなアスリートフードについてお伝えします。

はじめまして、杉浦杏奈です!旦那さんはサッカー選手の杉浦恭平です!
今回からの5回、コラムを担当させていただくことになりました。
現役サッカー選手の妻ならではの内容をお届けします。よろしくお願いします!

私は栄養の知識ゼロだった結婚当初「試合に向けて何曜日に何を食べればいいの?誰か教えてー!」と、思っていました。
本屋さんへ行ってもインターネットでいくら検索しても、プロサッカー選手向けの献立表など出てきません。 先輩奥さんたちに聞こうにも、カーボローディングって何?たんぱく質って何?と本当に無知だったので、恥ずかしくて聞けませんでした。
今思うと、とてもとても偉大な先輩奥さんたちに恵まれた環境だったので、手取り足取り教えてもらえばもっと近道できたのに、と思います。
(結局、ある程度知識を得て何の話かわかるようになってから、ようやく栄養の相談をさせてもらうようになりました)

そんな経験があったので、現役サッカー選手は何曜日に何を食べているのか? 我が家で実践していることを書いていきます!

まず、サッカー選手のスケジュールです。
●————
火曜日~金曜日:練習
土曜日:試合(メンバー外の選手は練習)
日曜日:リカバリー(メンバー外・試合に出なかった選手は練習試合)
月曜日:オフ
————–
チームや監督にもよりますが、このような一週間を毎週繰り返します。

そして我が家では次のように区切って食事を考えています。
●————
火曜日:練習期
水曜日:練習期
木曜日:試合2日前
金曜日:試合前日
土曜日:試合当日
    (試合前)
    (試合直前)
    (試合直後)
    (試合後)
日曜日:試合翌日
月曜日:オフ
————–

では、練習期の食事からみていきましょう!

●練習期~火曜日・水曜日~
この時期は 【栄養フルコース型】の食事でバランスよくなんでも食べます。

【栄養フルコース型】:
  〈主食、主菜、副菜、果物、乳製品〉
  一汁三菜に果物と乳製品をプラスした食事

我が家では、この【栄養フルコース型】をベースに、試合前後で避ける食材も練習期は積極的に使います。
・栄養価は高いけれど消化に時間のかかるもの(玄米や雑穀などの穀類、ナッツなどの種実類)
・食物繊維豊富なもの(海藻類、きのこ類、豆類)
・お腹を下す可能性を避けて試合前には食べないもの(刺身などの生もの、甲殻類、貝類)
など。

試合前はカーボローディング、試合後は胃腸の疲れ、などを考えるため、食べられるものが限られてきます。この練習期で様々な食材から様々な栄養を摂ることで、一週間トータルで見たときにもバランスを取ることができます。

オフ明けでハードな練習になることも多い練習期。バランスの良い食事でしっかり栄養を摂り、疲れを残さず身体を整えて試合期を迎えることが大切です。

【練習期の朝食・夕食】

朝食
・寝かせ玄米(玄米、小豆)
・あら汁(ブリ、長ねぎ)
・納豆(納豆、オクラ)
・もずく酢(もずく、きゅうり)
・切り干し大根(切り干し大根、にんじん、油揚げ)
・卵焼き(ほうれん草、しらす)
・漬物(カブ、昆布、塩糀)
・プチトマト、ブロッコリー
・ヨーグルト(デーツ、ナッツ、はちみつレモン)
・生絞りジュース(りんご、レモン、オレンジ)

夕食
・寝かせ玄米(玄米、小豆、黒ごま)
・豚汁(豚肉、にんじん、ごぼう、里芋、長ねぎ、しめじ、こんにゃく、油揚げ)
・ぶり大根
・ネバネバサラダ(レタス、長芋、海藻、オクラ、もち麦)
・ほたるいかの酢味噌和え
・かぼちゃの煮物
・ほうれんそうのおひたし(干し海老トッピング)
・ひじき煮(ひじき、大豆、にんじん)
・きんぴら(れんこん、にんじん)
・黒豆
・ヨーグルト(ナッツ、ブルーベリー、はちみつレモン)
・果物(いちご、みかん)

次回は試合前の食事についてです。お楽しみに!

☆おまけ☆
いよいよ2月25日からJリーグ2017シーズンが始まります!!私の旦那さんが所属するツエーゲン金沢はJ2リーグで2月26日開幕戦です。
今シーズンの開幕戦はおもしろい対戦カードがたくさんあるので、是非試合を観にスタジアムに足を運んでみてください!

●アスリートフードマイスター1級
杉浦 杏奈 (すぎうら あんな)
Jリーグでプレーするサッカー選手、杉浦恭平を夫に持つ。
結婚を機に栄養学の勉強を始め、毎日の食事で夫をサポート。基本のスポーツ栄養をベースに新しい食材や食事方法を取り入れ、試行錯誤しながら”杉浦恭平に合った食事は何か”を大切にしている。

杉浦恭平選手(アスリートフードマイスター3級)
静岡学園→川崎フロンターレ→愛媛FC→川崎フロンターレ→ヴィッセル神戸→ベガルタ仙台→ツエーゲン金沢(2017年現在)

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