第19回 マラソン大会後の疲労回復

ジュニア・アスリートフードマイスター 平田 実がランナーである
自分の体験を通して皆様に役立つ、すぐ実践したくなる情報をお伝えします。

ジュニア・アスリートフードマイスターの平田実です。今回は、『マラソン大会後の疲労回復』についてお話し致します。

「試合終了後、できるだけ早く糖質補給した方が良い」と言われる理由は、運動直後に糖質摂取すると、筋肉のエネルギー源である筋グリコーゲンの回復速度が速いからです。
また、クエン酸は、筋グリコーゲンの回復を手助けしてくれます。これに、ダメージを受けた筋肉を回復させるために脂肪の少ないたんぱく質を摂れば、理想的です。

しかし、現実には思うように食べられないケースもあります。
試合直後に食欲が湧かないケースがある理由は、疲労感だけではありません。
食物を消化・吸収する消化器系は、副交感神経が優位なリラックスした状態の時に活発に働きます。試合直後は、興奮状態による交感神経が優位な状態なので、食欲が湧かないケースもあるのです。試合前に胃腸の調子が悪くないのにも関わらず、あまり食べられない場合があるのは、緊張により交感神経が優位な状態になっている可能性も考えられます。

私の場合、フルマラソンを走り終えた直後は、あまり食欲が湧きません。しかし、ゴール後30分経ったあたりから空腹を感じ始め、ゴール2時間後には、物凄い空腹感がやってきます。そのため、自分の体調に合わせた食事をするようにしています。

フルマラソンの時は、Goal後、できるだけ早く水分とBCAAを補給。荷物を取りに行き、着替えを済ませると大体30分ほどかかるので、その後に軽食。持参したエネルギーバーなどの補給食を食べたり、スポーツドリンクや100%果汁ジュースを飲んだりします。ゴール後のサービスで、おむすびやフルーツ、豚汁などを頂けたら、それらを利用したり、ゴール会場で販売されている食物を購入したりする場合もあります。また、あまり食べる気持ちが起きない場合を想定して、ブドウ糖を準備しておくこともあります。とにかく、夕食に影響の出ない程度に、何かを軽く食べておきます。そして、夕食は、糖質とたんぱく質が摂取できるものの中から、できるだけ消化の良いものを選んで食べるようにしています。

食べ物には、体力的な疲労だけでなく精神的な疲労を回復するという面もあります。
栄養学的に完璧なものばかり考えていると、精神衛生上あまり良くないかもしれません。しかし、だからといって油分が多いものや消化の悪いものを食べ過ぎたり、酒を飲み過ぎたりするなど、やりすぎると疲労回復が遅れてしまいます。翌日に試合がない場合の試合後の食事は、消化が良く栄養価の高いものの中から、自分の好きな物を選ぶと良いと思います。自分の身体の声をよく聴き、油ものを食べるなら量を考えるなどして、節度ある食事メニューを心掛けると良いでしょう。そして、十分にストレッチすることも忘れずに♪

●ジュニア・アスリートフードマイスター
平田 実(ひらたみのる)
走歴10年。温泉LSD(LSDの後、温泉を楽しむ)をこよなく愛するランナーです。ロング走の練習のためにLSDコースを色々開拓してきたのですが、最近では、レースよりもLSDの方が楽しくなっています。沿道の声援に応えながら(時には言葉を交わしながら)走るのが、私のランニングスタイルです。

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