第148回 食の大切さとアスリートフードマイスター

アスリートフードマイスター2級でアスリートフードセミナー講師の林くみ子が
成長期のジュニアアスリートを支える“アスリートフード”についてお伝えします。

皆さまこんにちは!アスリートフードマイスターの林 くみ子です。
早いもので、私のコラムも最終回になりました。

最終回、何のお話にしようか迷いましたが、やはり全ての回を通してお伝えしている食の大切さと、アスリートフードマイスターという資格についてお話しさせていただきたいと思います。

最近耳にされる方も多いとは思いますが、身体は食べた物でできていて、食べた物で動いているという言葉…細胞、血液、骨、筋肉、皮膚etc…身体をつくる以外にも、寝る、遊ぶ、仕事をする、考える、運動をする、どれをとっても全て食べ物からの栄養が関わっています。もちろん、どんなに食べる物に気を使っていても、病気や怪我をする場合もあります。食事は薬ではありませんので、それらを食事だけで治癒する事は難しいです。

しかし、いつ何をどう食べるか?を知る事で、怪我を少なくしたり、治りを早くしたり、免疫力を高めたり、持っている力を最大限に発揮できたり、疲れを減らしたりする事は可能です。
でも、たった一度の食事を見直したところで、それらを改善する事は出来ません。毎日の食事や補食に何を選ぶか?いつ摂るか?それを積み重ねる事で、数ヶ月、数年後の健康な身体を手に入れ、スポーツをされている方であればパフォーマンスのアップも期待できる。それをいかに多くの方々に理解していただき、これならやってみたいと思っていただくか?それを伝える事が、アスリートフードマイスターの仕事だと私は思っています。

一握りの著名なアスリートだけではなく、頑張って部活やクラブチームに通う子供達、毎日家事をこなし、仕事もし、子育てをするジュニアアスリートのお母様方や、忙しく働きながらも貴重なお休みを使って子供達に野球やサッカーを教えているお父様方や学校の先生方、ご自身の健康のために日々頑張っているランナーの皆さんなど…とにかくたくさんの方々に食の大切さや、スポーツと食事の関係性を知っていただきたい。

もしかしたら、その中から未来のオリンピック選手が出てくるかもしれません。世界で活躍するスポーツ選手が出てくるかもしれません。そんな夢を持ちながら、これからも食の大切さをお伝えできれば、と思っています。難しい事ではなく、特別な事でもなく、たくさんお金がかかる事でもない。いつもの食事をどう摂るか?何と組み合わせるか?コンビニや外食店で何を選ぶか?それだけの事なのです。

これからも、自分自身の知識を磨き、できるだけ多くの方々のお力になれるよう日々努力してまいりたいと思います。そして、アスリートフードマイスターの資格者が増え、共に活動できる仲間が増える事を願っております。
最後までお読みいただきありがとうございました(^^)
アスリートフードセミナーや料理教室などで、皆様にお目にかかれる日を楽しみにしております!

林 くみ子

ある日の朝ご飯♪
週に一度、休日の朝ぐらいはゆったりと朝食をいただきたいですね!

●アスリートフードマイスター2級
林 くみ子 (はやし くみ子)
女性誌を中心にフードスタイリングの実績多数。
アスリートフードセミナー講師としても幅広く活動、アスリート少年の食アドバイスには定評がある。
日本唯一のゴルフ専門チャンネル「ゴルフネットワーク」にてレシピ開発、フードスタイリング、太平洋クラブでのゴルファー向けランチメニュー開発にも携わっている。

【ブログ】アスリートフードマイスター・フードスタイリスト☆Kau Kau Kitchen☆

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第147回 補食を上手に活用しよう

アスリートフードマイスター2級でアスリートフードセミナー講師の林くみ子が
成長期のジュニアアスリートを支える“アスリートフード”についてお伝えします。

皆さまこんにちは!アスリートフードマイスターの林 くみ子です。

コラムも4回目になりました。今回は、補食についてお話しをさせていただきたいと思います。青少年の食育指導をしていてよく耳にするのですが、コーチや監督に「お弁当は、白米を2リットルの弁当箱にいっぱい詰めてきなさい」、「お弁当の後すぐにパン、おにぎり、ドーナツなどの炭水化物を摂りなさい」などと言われ、子供達は嫌々それを食べている。という話しです。

たくさん食べる事は、体を大きくするためには確かに有効だと思います。だからと言って、一度に闇雲に食べれば良いかというと、そうではありません。人間は、一度に消化できる量も決まっており、たくさん食べればそれが全て体の為に使われるわけでもありません。それどころか、消化できずに体調を崩してしまう場合もあります。せっかく頑張って食べたものも無駄になってしまいますね!何より、食事をする事が嫌になってしまうお子さんもいます。

では、どうすれば食べた物を無駄にせず、食事を楽しむ事ができるのでしょうか?
1日の食事を三食ではなく、何度かに分けて摂る、一食ではなく、1日分のトータルで栄養を考える事で、効率良く、無理なく、無駄なく栄養を摂る事ができます。一食に食べきれないほどのご飯を無理して食べるのではなく、練習前後の小腹が空いた時におにぎりを食べたり、おやつにパンを食べる事で、1日に必要な分の栄養を無理なく効率良く摂る事が可能です。それが補食ですね!!

おにぎり、パン、バナナなど、少しずつ手軽に食べられるものを用意する事が、大切です。
我が家には育ち盛りの男の子がおりますが、学校から帰ってきて練習に行く前に、おにぎりを食べたり、私が家にいるときには、冷凍うどんをチンして卵と麺つゆをからめて出したり、食パンやバケットにシラスとチーズを乗せてトーストし、海苔をのせて出したり…子供にも、自分にも負担がかからない程度に、手軽にできるものを補食として出しています。長く続ける為には、無理をしない、頑張り過ぎない事が重要ですね♪


シラスとチーズのバケットトースト♪
カルシウムも摂れる、成長期の子供達に嬉しい補食です☆

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林 くみ子 (はやし くみ子)
女性誌を中心にフードスタイリングの実績多数。
アスリートフードセミナー講師としても幅広く活動、アスリート少年の食アドバイスには定評がある。
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第146回 成長ホルモンて何?

アスリートフードマイスター2級でアスリートフードセミナー講師の林くみ子が
成長期のジュニアアスリートを支える“アスリートフード”についてお伝えします。

皆さまこんにちは!アスリートフードマイスターの林 くみ子です。

第一回は身長のお話し、第二回は筋肉のお話しをさせていただきましたが、どちらにも共通して出てきた成長ホルモン。第三回は、この成長ホルモンについてお話しをさせていただきたいと思います。
成長ホルモンは、成長期の子供にしか関係ないのでは?と思われている方も多いようですが、そうではありません。一回、二回とお話しさせていただいたように、骨の合成や、筋肉の合成に大きくかかわる成長ホルモンには、もう一つ重要な役割があります。それは体にある物質を、エネルギーとして使える物質に変える働き、代謝と言われる働きです。人間が生きていくためには、身体の中でエネルギーを作ることが欠かせません。その過程で重要な働きをする成長ホルモンは、老若男女問わず全ての人に必要なホルモンです。
骨や筋肉の合成、代謝、これらに欠かすことのできない成長ホルモンをたくさん分泌させ、それを上手く、無駄なく利用する事は、アスリートにとっての永遠の課題とも言えるパフォーマンスのアップや強靭な身体を作るために重要なカギになることは間違いありません。では、その成長ホルモンをできるだけ多く分泌させるためには何が必要か?どのような食事が必要なのでしょうか?

前回にも少し触れている通り、成長ホルモンを分泌させるために重要な事、それは筋トレ、食事、睡眠の三点です。

まずは筋トレ。筋トレをしたあとは筋肉繊維が傷ついている状態です。それを修復させようとして成長ホルモンが分泌し始めるのです。

そこに必要な栄養素であるたんぱく質(肉、魚、豆、卵、乳製品など)を取り入れる事で、傷ついた筋肉を修復し、炭水化物(ご飯、パン、麺など)を摂ることで、枯渇したエネルギーをチャージしつつ、インスリンを分泌さて、アミノ酸の吸収を促します。また、成長ホルモンの材料となるアルギニン(肉、豚ゼラチン、マグロ、海老、大豆食品)や亜鉛(牡蠣、牛肉、レバー、魚介類、ナッツ類)を意識して摂る事も重要です。食事のタイミングと食材を選ぶ事が、いかに多くの成長ホルモンを分泌させ、それを無駄にする事のないように利用するかのカギになります。

そして、最後に睡眠。眠りについた一時間後ぐらいから成長ホルモンが分泌しはじめます。最も多くの成長ホルモンが分泌される時間帯は夜10時から午前2時だと言われています。だとすると、夜9時には眠りにつく事がもっともベストという事ですね!さすがに、毎日必ず9時に寝るのは難しいとは思いますが、週に一度でも早めに就寝するように心掛ける事や、日々の生活を夜型ではなく朝型に切り替えるよう心掛ける事が大切ですね♪特に、成長期の子供たちには、9時までとは言わなくても、なるべくそれに近い時間には寝るようにしてもらいたいものです。寝る子は育つ!とはよく言ったものですね。野球やサッカーのコーチをされている方々が、練習の重要性や、ご飯をたくさん食べる事の重要性を口にしている事はよく耳にします。しかし、睡眠の重要性を話している場面を見る事はほとんどありません。練習(筋トレ含)、食事のほかに、睡眠が重要である事、ただ沢山ご飯を食べるだけではなく、いつ何を食べるか?も視野に入れていただけると、強靭な身体を作り、パフォーマンスのアップにも繋がってくると思います。

我が家も例外ではなく「早く寝なさい」バトルが日々続いております(-_-;)
早く寝ること、何をいつ食べるか?の重要性を日々語っておりますが、理解してもらうのはなかなか難しいですね(^^;それでも母は言い続けます・・・

ちょっと奮発♪ある日のご褒美リカバリー弁当☆
栄養満点の鰻弁当!疲れも忘れちゃいますね!
たまにはこんなサプライズで、栄養だけではなく、やる気もチャージ(^_-)-☆

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林 くみ子 (はやし くみ子)
女性誌を中心にフードスタイリングの実績多数。
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第145回 やっぱりアスリートはフィジカルだよね‼

アスリートフードマイスター2級でアスリートフードセミナー講師の林くみ子が
成長期のジュニアアスリートを支える“アスリートフード”についてお伝えします。

みなさまこんにちは!アスリートフードマイスターの林 くみ子です。

第二回目のお話は、強い身体を作るために必要な食事についてお話をさせていただきたいと思います。質の良い筋肉を付け、強靭な身体(フィジカル)を作る事は、多くのアスリートが課題としている事の一つなのでははないでしょうか?もちろん、質の良い筋肉を付け、強い身体を作るためにトレーニングは不可欠です。しかし、いくらトレーニングを重ねても、適切な食事を摂っていないと、筋肉が付くどころか、自らの筋肉を削ってエネルギーにかえてしまう。言い換えれば、筋肉を減らす事にもなりかねません。

ではどのような食事を摂る事が、筋肉量を増やす、もしくは保つ事に繋がるのでしょう?まず第一に、使ったエネルギーの分は補給してあげる事が大前提です。トレーニングで使った分のエネルギーを補給しなかった場合、体はエネルギー切れを起こさないように筋肉内に貯蓄してあるグリコーゲンや脂肪、筋肉を使ってエネルギーに変えようとします。せっかく鍛えた筋肉が減ってしまいますね!そんなことにならないように、使ったエネルギーの分は食事で補う事が大切です。
第二に大切なのはタイミングです。トレーニングをして筋肉が傷付くと、約30分後ぐらいから、成長ホルモンが分泌し始めます。このゴールデンタイムに、筋肉修復に必要な栄養を与えてあげる事がとても重要で、それをするのとしないのでは、疲労の蓄積具合や、筋肉の修復具合が変わってきます。よくトレーニングジムで筋トレをされた方がプロテインをシャカシャカして、カーっ!と飲み干されている光景、あれこそが筋肉修復の鍵だったのですね(^^)

プロテインで傷んだ筋肉を修復されるのも一つの手段ではありますが、それを食べ物に置き換えるとどのような食事をすれば良いのでしょう?本来であれば、一汁三菜のバランスの良い食事を運動後1時間以内に摂る事が望ましいのですが、それもなかなか難しい話です。まずは手軽に摂れる捕食から修復を図るのはいかがでしょうか?
糖質7対タンパク質3と、出来れば抗酸化作用があるビタミンCを摂る。イメージしやすい食べ物に置き換えると、コンビニの鮭おにぎりと100%のオレンジジュースという感じです。

それも難しいという場合は、ゼリー飲料やカステラ、あんぱんを食べるだけでも、エネルギーが枯渇した身体には嬉しいチャージになります。エネルギー切れを起こした身体が第一に必要とする栄養素は糖質、そして筋肉の材料になるタンパク質や抗酸化作用のあるビタミンCなどと続きます。時間に少し余裕がある方はお弁当という選択肢もありますね!この場合も必要な栄養素は同じですが、アスリートに不足しがちな鉄分(レバー、ほうれん草、赤身肉、あさり等)や、疲労回復効果が期待できる梅干しなどに含まれるクエン酸も取り入れる事をおすすめします。

余談になりますが、鉄分が不足して貧血になるアスリートは多くみられ、最近息切れがする。疲れがとれないという症状がある場合には、貧血を疑ってみてください。

話がそれましたが、筋肉を修復するために必要な材料となるタンパク質というと、鶏のささみは有名ですね!たしかにささみは脂質も少なく、筋肉を作るための材料としてはとても有効な食材です。しかし、鉄分やビタミンなどの栄養素は少なく、疲労回復や足りない鉄分などの栄養を補うという意味では豚肉や牛肉の方が栄養密度も高く有効的です。筋肉=鶏肉に固執するのではなく、今日は疲れているからビタミンBの多い豚肉にしよう!とか、最近息切れが早いし疲れがとれにくいから貧血かも?だから今日は鉄分の多い牛肉にしよう!など、一つの食材にこだわらず臨機応変に食材を選ぶ事も、強い身体を作るためへの近道になるはずです。

ある日の部活弁当

筋肉修復のタンパク質、鉄分補給の為に牛肉の時雨煮
タンパク質の補充に錦糸玉子
トマト、人参のカロテンは、身体の酸化を防ぎます。
豆苗、すだちのビタミンCで疲労回復、鉄の吸収も高めます。
小松菜は、鉄やカルシウムなどのミネラルが豊富です。

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林 くみ子 (はやし くみ子)
女性誌を中心にフードスタイリングの実績多数。
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第144回 何を食べたら背が伸びますか?

アスリートフードマイスター2級でアスリートフードセミナー講師の林くみ子が
成長期のジュニアアスリートを支える“アスリートフード”についてお伝えします。

みなさん、はじめまして。今回より計5回、このコラムを担当させていただくことになりました、アスリートフードマイスターの林 くみ子と申します。アスリートフードセミナー講師もさせていただいております。育ち盛りの中学校一年生、バスケットボールとイケメン先輩に夢中(笑)の息子をサポートしているママでもあります。

スポーツをしている成長期のお子さんをサポートする保護者向けの料理教室をしていて一番質問される事、それは「何を食べたら背が伸びますか?」という質問です。
とても難しい質問ですね・・・コレを食べれば背が伸びる!という答えはありません。
身長は、遺伝的なものが大きく影響しています。ただ、遺伝だからもう背が伸びないと諦める必要もありません。サポートする大人が子供達にできる事、それは身長が伸びる為の環境をととのえてあげる事です。身長を伸ばすために必要なもの、それはカルシウムだけではありません。
骨の約80%はカルシウムでできていますが、残りの約20%はたんぱく質でできています。
では、カルシウムとたんぱく質をたくさん摂れば良いのでしょうか?答えはNO!です。
骨の合成を促進させるためには成長ホルモンが必要です。成長ホルモンに必要な栄養素は、肉、マグロ、エビ、大豆製品などに含まれるアルギニンと、牡蠣、レバー、ナッツ、牛肉などに含まれる亜鉛です。
ただし、この二つを摂れば成長ホルモンが分泌される訳ではありません。この二つの材料と、適切な睡眠、筋トレをすることで、成長ホルモンが分泌されます。もちろん、成長ホルモンが分泌されれば骨ができるわけでもありません。骨を作るために必要な栄養素であるカルシウム(牛乳、小魚、桜エビなど)と、カルシウムの吸収を促すビタミンD(きのこ類、鮭、魚卵など)、カルシウムを骨に吸着させるために必要なビタミンK(納豆、大葉など)、骨の材料になるたんぱく質(肉、魚、豆類、乳製品)、コラーゲンを合成させるビタミンCも必要です。
このように、身長を伸ばす環境をととのえるために必要なことはたくさんあり、一言で「コレ!」という答えはありません。適切な睡眠、筋トレ、そして材料(栄養)をきちんと与えることが骨の成長には不可欠です。
それともう一つ大切なこと!今食卓に並んでいるものが、身体のためにどうして必要なのか?早く寝ることがなぜ大切なのかをお子さんにも教えてあげて下さい。そうすることで、もうちょっとゲームをしたいけど今日はもう寝よう。この野菜はあんまり好きじゃないけど、頑張って食べよう!と思ってくれるかもしれません(^^)
それを長く続ける事で、お子さん自身が食への関心を持ち、一年後、三年後の強い身体、健康な身体、を作り、パフォーマンスのアップ、身長の伸びにもつながってくるはずです。

ある日の朝食

たたききゅうりのナムル
人参と牛蒡のきんぴら
かぼちゃの煮物
ピーマンとジャコ炒め
焼き鮭
牛筋煮
大根と油揚げの味噌汁
胚芽米

いろいろな食材をバランス良く摂る事が、パフォーマンスのアップ、身長のアップにもつながります。

●アスリートフードマイスター2級
林 くみ子 (はやし くみ子)
女性誌を中心にフードスタイリングの実績多数。
アスリートフードセミナー講師としても幅広く活動、アスリート少年の食アドバイスには定評がある。
日本唯一のゴルフ専門チャンネル「ゴルフネットワーク」にてレシピ開発、フードスタイリング、太平洋クラブでのゴルファー向けランチメニュー開発にも携わっている。

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第143回 トラママのつぶやき「レースに向けての食事」について

アスリートフードマイスター2級の篠原知美が
数々のトライアスロン出場経験から“アスリートフード”についてお伝えします。

 みなさま、こんにちは。アスリートフードマイスターの篠原知美です。あっという間に最終回(≧▽≦)
何を書こうか悩みましたが、何人かの方からリクエストを頂きました「レースに向けての食事(基本編)」を今回はお話したいと思います。
 「トレーニング期」は第1回でお話しましたが、糖質+たんぱく質、ビタミン、ミネラルをバランスよくしっかりと摂ります。そうそう、糖質と炭水化物は別モノだよね?と思っている方が少なくないのですが、糖質と食物繊維を合わせたものを炭水化物と呼びます。
糖質は、単糖類・少糖類・多糖類と3つに分類されます。ブドウ糖や果糖など、食べてすぐ甘みを感じるものが単糖類、いも類のデンプンなど噛んでいくうちに甘みを感じるものが多糖類。構造がもっとも単純な糖である単糖類が消化・吸収が速くなります。東京マラソンのエイドでも、すぐにエネルギーになるようにと、ブドウ糖が配れられていますね。

【試合期 】目安:試合の1週間前ころから(注:競技や強度によって異なります。)
運動をされている方なら『カーボローディング』は聞いたことがあると思いますが、炭水化物の中の食物繊維はエネルギーを作らならないため、エネルギー源となる糖質を多く摂る『グリコーゲンローディング』をします。(カーボローディングよりアスリートっぽい響きw)
運動をする際は、筋肉と肝臓グリコーゲンを多く蓄えている方がエネルギー切れをおこさず、持久性パフォーマンスも高まるために、試合前には糖質の多い食事を摂り、筋肉と肝臓のグリコーゲン量を通常より増加させます。グリコーゲンローディングは、2時間以上運動を継続する種目、マラソン、トライアスロン、サッカー、テニス、その他などに効果的のようです。

<食事について>
☆ 試合 約1週間前~4日前 ☆
 50%糖質食
(普通の食事に近いもの)でバランスのよい食事 + しっかり休養(睡眠)
1日のエネルギーの半分を糖質で摂るようにします。
以前はこの期間に、高たんぱく質、高脂肪、低糖質+疲労困憊運動(オールアウト)をしていましたが、脂肪を多く摂ると胃腸の調子が悪くなるなど、体調を崩してしまうこともあり、現在は50%糖質食を中心にするよう改良されているようです。
運動量を減らすと消費カロリーも減るので、摂取カロリーにも注意!食べ過ぎて体重、体脂肪を増やさないように。

☆ 試合3~1日前 ☆
 高糖質・低脂肪食、ビタミン・ミネラル
は減らさずしっかりと!
 糖質が多く、できるだけ脂肪の少ない食品を。和食は、基本的に高糖質食。生ものはできるだけ摂らないように。
 例えば、 牛&豚肉ならモモ肉、ヒレ肉。鶏肉なら皮なし肉やササミ。 魚介類なら、タラ、カツオ、貝、イカ、えびなど。脂質の多い料理、油、バター、ドレッシング、マヨネーズなどは控えめに。 主食(ご飯、うどん、パスタ、パンなど)や果物などの糖質を豊富に含む食品を多く摂るように。
普段、ご飯を1杯食べる人なら1.5~2杯。その分、脂質を減らす。パスタや丼ぶりものなどは、簡単に糖質が摂れます。そのため、試合前日はパスタを食べる方が多いですね。

<運動について>
試合約1週間前から前日まで、運動は徐々に時間を短くして行き、強度もピリっと刺激を入れる程度で中程度から軽度に。しっかり睡眠を取り疲れをためないように。
上記のグリコーゲンローディングを実施すると、個人差はあるものの、筋肉中のグリコーゲンは通常の2~3倍、肝臓中のグリコーゲンは2倍程度に増加すると言われています。

 これらは、マラソンなど2時間以上運動を継続するスポーツに適していますが、その他のスポーツの場合は、高糖質食を試合の前日のみ、または2~3日前からでも大丈夫です。
 グリコーゲンローディングがうまくいくと体重が増えます。グリコーゲンは水に溶けた状態で筋肉に蓄えられるため、筋肉内の水分量が増えるからです。体重が増えすぎてしまうと、パフォーマンスにも影響してしまいます。グリコーゲンローディングを行う場合は、ぶっつけ本番ではなく、事前に試してみて、自分のベストコンディションになるよう調節してください。

☆ 試合当日 ☆
 個人差はありますが、消化・吸収には約3時間かかると言われています。また、緊張をすると普段より消化に時間がかかることもあります。試合の開始時間から逆算して食事を摂る時間を考えましょう。
糖質を多めに、脂質やたんぱく質をその分少なめに。食物繊維は消化に時間がかかり、腹痛やお腹がゆるくなることもあるので控えめに。量も胃もたれしない程度に。
 遠征中などは、ホテルのビュッフェのこともあります。何を食べて何を控えるか、どのくらい食べるかなど自分で選べる力をつけるように。
スタート時間が近く、すぐにエネルギーに替えたい時は、消化・吸収が速く血糖値が急激に上昇しやすい、GI値が高い食品を。
GI(グリセミックインデックス):血糖値の上昇度から食品ごとの消化速度と体内での利用効率を指数化したもの。
GIが高い食品:砂糖、食パン、もち、白米、ブドウ糖など。
GIが低い食品:脂肪や食物繊維が多いもの。酢を使った食品など。牛乳・乳製品、大豆製品、食物繊維の多い食品と一緒に食べるとGIは低くなり血糖値の上昇はゆっくりになります。  

レース中 の補給食については、第2回でお話ししましたのでそちらを参照のこと(笑)。


写真:宮古島トライアスロン、レース当日のホテルでの朝食

☆ 試合期の注意点 ☆
試合期は、緊張や精神的なストレスで食欲が落ちたり、胃腸の調子が悪くなったり、眠れなかったりしがちです。できるだけ普段と同じような食生活をします。胃腸の働きも低下しますので、生もの、食べなれないものなどは控え、脂肪が少ない食事を摂ります。ストレスで体内のビタミンCの必要量が増えるため、ビタミンCを多く含む野菜や果物をいつもより多く摂るように。食物繊維を多く摂ると、腹痛や下痢の原因にもなるため、普段と変わらない程度に摂るように。水分は糖質を含むスポーツ飲料などを、喉が渇いたな、と思う前に摂るように。

今回まで5回に渡り、「トラママのつぶやき」にお付き合いいただき、どうもありがとうございました。
「おいしく、楽しく、意識して!」を合言葉に、みなさまの食事が楽しく、カラダにもココロにも栄養をいっぱい与えて、パフォーマンスUPにつながりますように。
春からのシーズンも頑張っていきましょう(^_^)/


写真:東京マラソン2016前夜のわが家のお夕食

次回からは、アスリートフードマイスター同期で、お料理のプロのスーパーママ。林くみ子さんにバトンタッチです!

●アスリートフードマイスター2級
篠原 知美 (しのはら ともみ)
子育てをする2児の母でありながら、現役トライアスリート。第1回木更津トライアスロン(スプリントの部)での初代チャンピオンをはじめ、数々の大会で入賞経験あり。
2015年全日本トライアスロン宮古島大会では、完走率が52.2%という悪天候の中、また故障中にもかかわらず見事完走を果たす。
自らが競技を通して得た経験から、パフォーマンス向上を目指す上で、食の大切さを実感。国際線客室乗務員という前職の経験を活かし、現在アスリートフードマイスターとして、トライアスロンをはじめ、スポーツをする方々への食事指導、AFM養成講座のアテンドスタッフとして後輩の学習サポートや説明会にてアスリートフードマイスターの啓蒙活動に参加中。

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第142回 トラママのつぶやき「プロテインは筋肉をつくる?!」

アスリートフードマイスター2級の篠原知美が
数々のトライアスロン出場経験から“アスリートフード”についてお伝えします。

 みなさん、こんにちは。アスリートフードマイスターの篠原知美です。食事や栄養についていろいろ質問を受けますが、今回はその中でも質問の多い『プロテイン』についてお話しすることにします。

 プロテインとはたんぱく質のことですが、一般に『プロテイン』というと、粉末を入れて牛乳や豆乳、水で割ってシャカシャカするヤツですね。運動をされる方は特にですが、『プロテイン』はとても人気があるようです。今回いう、『プロテイン』はそのサプリメントのものをさすことにします。
 先日、ダイエット中のAさんが、「夕食後のデザートにプロテイン!寝る前にも。」と言っているのを聞きました。Aさんは、ご飯、納豆、肉野菜炒め、豆腐のみそ汁など、たんぱく質もしっかりと食事で摂っていました。アスリートフードマイスター的にもちょっと興味があり
「なぜ、プロテインを飲むのですか?」と尋ねてみると
「プロテインを飲むと筋肉がつくのです!」と自信満々な回答が返ってきました。
そうなんです。「プロテインを飲めば(飲むだけで)筋肉がつく!」と思っている方がいまだに少なくないのです。
以前、まだ運動という運動ができないような小さなお子さんに、夕食後お腹いっぱいのところに、あま~いチョコ味のプロテインを牛乳で割って毎晩飲ませている、というお母さんもいらっしゃいました。
確かに、就寝前、そして筋トレや筋肉を使うような運動をした後は、成長ホルモンの分泌が盛んになるため、そこでいち早く(30分以内、遅くとも1時間以内)たんぱく質を補給すると、筋肉の修復・強化に効果があります。もしそのタイミングでたんぱく質を含むバランスのよい食事ができれば最高なのですが、なかなか運動直後にそのような食事を摂ることは難しいでしょう。そこで開発されたのがサプリメントとしてのプロテインです。ボディービルダーさんたちが、筋トレの直後にシャカシャカしているイメージですね。
 プロテインはそれだけで筋肉増強効果がある訳ではありません。運動と併用し、さらにたんぱく質以外の栄養素も充分に摂取しなければ効果は期待できません。 
話は戻りまして、Aさんはダイエット中で、しかも筋肉をつかう、また汗をかくような運動は特にしていません。しかし、栄養は気にされて食事もしっかり摂るようにされています。そのように充分な食事をした上にプロテインを飲むと・・・どうなるでしょう??
Aさんの場合、痩せるために、また筋肉をつけて体脂肪を減らすために飲んでいるようなのですが、今の状態では、飲んだ分が“プラスのカロリー”になってしまい、結果的に体重が減らない(逆に増えている)原因になっているのでは?ということが判明しました。
 『プロテイン』といっても、たんぱく質の量が多いもの、たんぱく質量は少なく炭水化物やビタミン、ミネラルと一緒になって“代替食”的な役割を果たすもの(よくあるダイエット系)など、種類はいろいろあります。
アメフトやラグビー、野球の選手などとにかくカラダを大きくするために、1日でかなりのカロリーを摂らなくてはならない人、食べなければならないのに食が細く、カロリーがとれない人、運動後すぐに食事が摂れない場合、その他の理由がある場合などはよいでしょう。だからといって、『プロテイン』だけ摂っていればよいのでしょうか?
 たんぱく質は、炭水化物、脂質に並ぶ3大栄養素の1つで、カラダの組織である筋肉、内臓、骨などの主成分となっています。また酸素や抗体、ホルモンなどを作るためにも必要です。 
たんぱく質(の摂取量)が不足してしまうと、筋肉量の低下、骨量の低下、病気に対する抵抗力の低下、ケガの治りが遅い、貧血、肌あれ、そして子どもの場合は、成長障害などの問題も出てきます。
 しかし、たんぱく質は体内で使われる量が決まっています。
成人の1日の推奨量は、男性で60g、女性で50g(体重 x 1g)です。運動をする人はそれより少し多めに摂りますが(摂取量の1.2~1.5倍くらい)、どんなに摂っても 体重 x 2gまで(体重が60kgなら120gまで)。それ以上摂取したたんぱく質は、エネルギー源となったり(1gあたり4kcal)、体脂肪として蓄えられたりします。その上 摂り過ぎは、腎臓や肝臓に負担がかかり機能を低下させると言われています。ちなみに、1食で消化吸収できるのは、20gくらいとも。
日本の現代人の日常的な食事内容ではたんぱく質が不足することはあまりないそうです。この程度のたんぱく質量であれば『食事バランスガイド』を参考に食事をすることにより、無理なく充分な量を摂取できるようです。

 たんぱく質の目安量としては、お肉の重量の約20%として計算します。それで計算してみると100gの肉のたんぱく質量は約20g。脂が多い肉の場合のたんぱく質量は重量の約15%ともっと少なくなります。ちなみに、たんぱく質は肉や魚だけではなく、ご飯(お米)にも重量の約2.5%含まれています。牛乳で『プロテイン』を割る場合、牛乳自体にもたんぱく質は含まれていますので(200ccで6.6g)、『プロテイン』の分とダブルになります。
 たんぱく質を摂る時は、たんぱく質の合成に必要な炭水化物、ビタミンB群(特にB6)、亜鉛などを一緒に摂るとより効果的です。
ゆえに、食事から得られるたんぱく質の必要量が足りない場合に、その不足分を『プロテイン』などで補給することによって、過度な摂り過ぎを防ぐことができます。

***『プロテイン』についてのまとめ **********
①アスリート!というような運動をされない普通の人、先に述べた理由などが特にない人は、日々の食事からたんぱく質を摂れていれば、あえて『プロテイン』は追加しなくても大丈夫!
逆に、余剰に摂った『プロテイン』は体脂肪になってしまう。
②『プロテイン』を飲むだけで筋肉がつく!のではなく、運動と合わせてでないと効果は期待できない。
③『プロテイン』自体にもカロリーがあるため、代替ではなく追加で飲んでいるとカロリーも追加になってしまう。特にダイエット目的の人は要注意!
④一般に『プロテイン』には添加物なども入っているため、できれば自然の食材から摂ることをおススメします。また海外通販などで“激安商品”は要注意!たんぱく質量、添加物などの成分表示があいまいだったり、読めなかったり。できれば、きちんと成分表示のある正規のもの、メジャーどころや信頼できる大手会社のもの、信頼できる『プロテイン』を選ぶように。
目的に合わせて、きちんとカロリーや栄養などを考えて摂れるのがBESTですね!!!
⑤余談:牛乳を飲む時は、基本の正しい姿勢(ポーズ)で!
 背筋をぴんと伸ばし、左手を腰にあて、牛乳を持つ右手の小指は立てること!(笑)
 牛乳の脂質が気になる人は低脂肪のものを。

お食事は「おいしく、たのしく、意識して!」
今週も元気に過ごしましょう(^_^)/

農林水産省「食事バランスガイド」
http://www.maff.go.jp/j/balance_guide/

●アスリートフードマイスター2級
篠原 知美 (しのはら ともみ)
子育てをする2児の母でありながら、現役トライアスリート。第1回木更津トライアスロン(スプリントの部)での初代チャンピオンをはじめ、数々の大会で入賞経験あり。
2015年全日本トライアスロン宮古島大会では、完走率が52.2%という悪天候の中、また故障中にもかかわらず見事完走を果たす。
自らが競技を通して得た経験から、パフォーマンス向上を目指す上で、食の大切さを実感。国際線客室乗務員という前職の経験を活かし、現在アスリートフードマイスターとして、トライアスロンをはじめ、スポーツをする方々への食事指導、AFM養成講座のアテンドスタッフとして後輩の学習サポートや説明会にてアスリートフードマイスターの啓蒙活動に参加中。

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第141回 トラママのつぶやき「ケガをした時には」

アスリートフードマイスター2級の篠原知美が
数々のトライアスロン出場経験から“アスリートフード”についてお伝えします。

 みなさん、こんにちは。アスリートフードマイスターの篠原知美です。
先日、息子が階段で転倒し、足首を骨折。ギプス&松葉杖になってしまいました(>_<)
・・・ということで(苦笑)、今回はケガとその回復食についてお話することにします。

まず『骨折』。骨はカルシウムとコラーゲンで形成されています。バランスの良いお食事はもちろんですが、骨折の場合は骨の主な成分であるカルシウムやたんぱく質、コラーゲンを作るために必要なビタミンC、カルシウムの吸収をUpするためにビタミンD(サケ、ブリ、サンマなどの魚類、きのこ類など)を多く摂るようにします。
次に、『肉離れ』は筋肉の一部が切れたり裂けたりしている状態です。筋肉を再生するために、たんぱく質を充分に摂るようにします。
『ねんざ』は、靭帯が切れたり、伸びたりしている状態です。靭帯は、コラーゲンが多いので、たんぱく質とビタミンCを!

ケガと言えば・・・、昨年宮古島トライアスロンに向けて練習中にBikeで落車し右足首の靭帯を断裂。レース当日まであと17日しかないのに、なんと全治1ヶ月の診断。当然すぐに足首は固定され、象のように腫れあがった足首を見て絶望的になりながらも、目標を「何が何でもスタートラインに立つこと!」に変更。あと17日で何ができるか?何をすべきか?を考えました。
①体重を増やさない!
②筋肉量を落とさない!
③回復を早める!

①体重を増やさない!
 ケガをした時は基本的に安静にします。運動量がゼロ、または激減するため、消費エネルギーが少なくなります。回復を早めるために、しっかりと食事を摂ることは大切ですが、
「消費エネルギー < 摂取エネルギー」
になると、体重、体脂肪が増えてしまいます。そうなると、トレーニングを再開した時に、減量から取り組まなければならず、以前のようなパフォーマンスを取り戻すまでにより多くの時間がかかってしまいます。そこで、食事の量を調節、またお夕食は早めに食べ終わるようにし(20時以降は食べない)、糖分の多い清涼飲料水を控え(実は大好き・汗)、体重を増やさないように努めました。

②筋肉量を落とさない!
 ケガをすると今までのようにトレーニングができなくなります。そして筋肉(量)は使わないと落ちてしまいます。安静にしなければならない時期は仕方がありませんが、医師のOKが出たら(トライアスリートは大いに指示に従わず自分で勝手に判断をしがちですがw)できるストレッチや筋トレをするようにします。私はレースに向けて、今まで家ではやったことがなかったスクワットを中心に、筋トレとストレッチを毎日暇さえあればやるようにしました。

③回復を早める!
 年齢が上がると、代謝も落ち、ケガの回復にもより時間を要するようになります。しかし、それを少しでも早めるために「食事と生活」に気をつけるようにしました。
食事については、先ほどお話しました通りに 摂るようにします。
次に、できるだけ『成長ホルモン』の分泌されるタイミングを逃さないようにします。
成長ホルモンは、骨の伸長や筋肉の成長、強化、代謝促進、血糖値や体脂肪など様々なことに関わってきます。特に、分泌のゴールデンタイムと呼ばれるのが、夜22:00~2:00。この時間にしっかりと睡眠をとることによって、子供の成長やケガの治癒、お肌の新陳代謝などがより進むのです。
ケガの時はもちろんのこと、普段の生活から「しっかりと睡眠をとる」ということはとても大切です。

この①②③をいつも以上に心がけた成果か、レース当日はスタートラインに立てただけでなく、ケガをしてからレース本番まで、1度も走らず、Bikeにも乗れずとも、Run:6.5km、Bike:157km、Run:42.195km(悪天候のため、Swim:3kmが中止となり、代わりにRunが追加されました)を無事、制限時間に余裕を持って走り切ることができました。
しかし、実際に完走できたのはこれだけではなく、家族、お仲間や沿道のみなさんの応援、同じくレースに出場している仲間たちとすれ違う度に声をかけあったり、ハイタッチをしたりして、たくさんパワーを頂いたお陰もあります。
人はスポーツなどにおいて“ 応援 ”されることによって、大変なことを乗り越えたり、驚くようなとてつもないパワーを発揮できたり、本当にすごいですよね!
これからも、母として、アスリートフードマイスターとして、食事の面でのサポート(応援)も頑張っていきたいと思います。


骨折した子のいるおうちのある日のランチ『カルシウム強化チャーハン』2人前
<材料>

・胚芽米など お茶碗大盛り2杯 炭水化物、ビタミンB1、E
・焼き鮭(またはフレーク) 切り身半切れ たんぱく質、ビタミンD
・小松菜 50g カルシウム、ビタミンA、C、鉄
・エリンギ、しめじ(またはしいたけ、舞茸などのきのこ類を) 40g ビタミンD
・ちりめんじゃこ 適量 カルシウム
・卵 2こ たんぱく質、ビタミンB2
・ごま 適量 ビタミンB1、カルシウム、鉄、マグネシウム
・塩コショウ、油 適量

①フライパンに油をしき、エリンギを炒める。
②溶き卵を入れ、固まってきたら、小松菜の芯の部分、ご飯を入れ炒める。
③ちりめんじゃこ、残りの小松菜を入れ炒め、塩コショウで味をととのえる。
④お皿に盛りつけ、ごまをふる。

●アスリートフードマイスター2級
篠原 知美 (しのはら ともみ)
子育てをする2児の母でありながら、現役トライアスリート。第1回木更津トライアスロン(スプリントの部)での初代チャンピオンをはじめ、数々の大会で入賞経験あり。
2015年全日本トライアスロン宮古島大会では、完走率が52.2%という悪天候の中、また故障中にもかかわらず見事完走を果たす。
自らが競技を通して得た経験から、パフォーマンス向上を目指す上で、食の大切さを実感。国際線客室乗務員という前職の経験を活かし、現在アスリートフードマイスターとして、トライアスロンをはじめ、スポーツをする方々への食事指導、AFM養成講座のアテンドスタッフとして後輩の学習サポートや説明会にてアスリートフードマイスターの啓蒙活動に参加中。

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第140回 トラママのつぶやき『レース中の補給食』

アスリートフードマイスター2級の篠原知美が
数々のトライアスロン出場経験から“アスリートフード”についてお伝えします。

 みなさん、こんにちは。アスリートフードマイスターの篠原知美です。今年もスギ花粉が飛び始めましたね。今日も鼻をムズムズさせながらBikeに乗ってきました。
 
今回もトライアスロン豆知識から(笑)
よく「トライアスロンをやっている」と言うと「じゃあ、鉄人、アイアンマン(IRONMAN)なのですね!」と言われます。トライアスリート=鉄人??確かに強靭な肉体と精神の持ち主も多いので鉄人かもしれません。しかし、正確に言うとそれはちょっと違うのです。
『IRONMAN』というのは、トライアスロンのロング(S:3.8km、B:180km、R:42.195km)のレースで、WTC(World Triathlon Corporation)の商標登録であり、その大会を完走した人に“IRONMAN”という称号が与えられます。
ちなみに、日本4大ロング大会の宮古島を完走すると『強人STRONG MAN』、佐渡は『ASTROMAN』、長崎五島は『BARAMON KING』、皆生は『勇者BRAVE』など、大会ごとにそれぞれの称号が与えられるのです。
そして、トライアスロンは2000年のシドニー大会より夏のオリンピック正式種目となりました。
オリンピックでは、ショート、スタンダード、またはオリンピックディスタンスと呼ばれるS:1.5km、B:40km、R:10kmの距離を競います。
そして「長いのと短いの、どっちがキツいの?」という質問もよく受けますが、距離が短くなるとそれだけスピードも速くなるため、心拍数は上がります。ですので、どちらがキツいかはその人によって、また同じ大会でもその日のコンディション(天気、気温、風、海の状態など)によってまったくキツさが違ってきます。ですので、タイムよりも順位が重要になります。
SwimからBikeに、BikeからRunに移る時(トランジション)、ウェットスーツを脱いだり、Bikeシューズを履いたり、Runシューズに履き替えたりなど、その時間もすべて競技時間に加算されます。
プールや温泉に一緒に行った時、着替えや準備がスムーズで速い方は、トライアスロンに向いていますね!(笑)
レース中は、トランジションの時間短縮のため、Bikeに乗りながら飲んだり、食べたりします。
ロングの場合、Bikeを約6時間こぎ続けなければならず、その後にフルマラソンが待っています。
例えば(ざっくり計算して)、体重60kgの男性が3kmを1時間で泳ぐと約550kcal、平均時速25kmで7時間Bike走行すると4000kcal弱、 そして42.195kmを走ると約2500kcal。合計すると7050kcal!
(体重や時間、その他によって消費カロリーは違います。)
マラソンだけでも1日のカロリー消費量に値するのに、その前にSwimとBikeがあるので、乗りながら補給をしていかないとエネルギー切れで倒れてしまいます。
消化吸収は人によって異なりますが、私の場合は基本的に、30分おきにスポーツドリンクなど糖質を含む飲料を飲み、約1時間おきにジェル、おにぎり、スポーツようかん、カステラなどを摂るようにしています。また足攣り防止のために塩分、カリウム、マグネシウムなども摂ります。最近は便利なことに、それらに特化し多く含むジェルやドリンクも市販されています。
宮古は気温が高く、より汗をかくため、熱中症になりやすく塩分の補給が非常に重要になります。
私は毎回、塩分とクエン酸を摂るためにフリーズドライの梅干しをまぶしたひと口サイズのおにぎりをいくつも作り、Bikeジャージのポケットにしのばせて(詰め込んでw)います。消化に時間のかかる海苔は巻かず、玄米ではなく白米で作ります。
ジェルも一般にはみなさんはカロリーオフや低カロリーのものを選んでいると思いますが、レース中は荷物にならないように、小さくても少しでもカロリーの多いものを、小さなパッケージでも200kcal以上摂れるようなものを選びます。その梅干しおにぎりとジェルなどを交互に摂ってハンガーノックを防ぎます。
梅干しを携帯する選手は多いですが、練り梅のチューブをブチューと吸っている(飲んでいる?)方もいます。以前、友人が現地で練り梅チューブが売り切れていたため、仕方なく似ている?とその隣にあったコチュジャンを買って、レース中にブチューしたそうですが、それは大失敗だった模様(笑)(よい子はマネをしない!)
その他、スポーツようかん(普通のようかんですが、片手で押して食べられるようになっています)、大福、カステラ、ブラウニー、バナナケーキ(宮古のお土産で有名なモンテドールなど)、手作りシリアルバーなど。あまりパサパサするものだと、口の中の水分が奪われてしまい、むせったり喉が詰まったりするので注意です。私の失敗談では、初めて那覇マラソンに参加した時に、沿道の方から、沖縄で有名な揚げドーナッツwを手渡され、それを頬張ったのですが...その後喉が詰まってしまい、走りながらそれはそれは苦しい思いをしました。とっても美味しかったのですけどね。レース後に、沖縄の友人から「それと◯んすこうはレース中に絶対食べてはいけないものだよ!(笑)」と聞きました(^_^;)
みなさん、自分が好きなもの、取りやすいものを考えチョイスしています。

 レース中のエイドには、食べ物はバナナ、オレンジ、レモン、塩おにぎり、梅干し、黒糖、塩など。
飲み物は、大会スポンサーによって異なりますが、水、アクエリアス、Cokeの3種類。
「激しい運動をするのにCoke??」と思われるかもしれませんが、トライアスロンの大会ではあるのです!Cokeには糖分はもちろんカフェインも含まれていて、血糖値がポーンと上がり元気が出ます。が急激に上がった血糖値はその後急激に下がり...そうなると、カラダはもうCokeしか受け付けなくなってしまいます。禁断症状のような感じですね(笑)
Bikeのスタート時からエイドにCokeはありますが、後々のことも考えて、できるだけCokeはRunに入ってから、後半で飲むようにしています。しかし去年の宮古では、Bike中盤で誤ってCokeのボトルを受け取ってしまい、えーーーと思いながらも喉はカラカラ。またそのCokeが冷えていておいしいこと(≧▽≦)お陰でBike残り80kmとRun42.195は、Cokeオンリーになってしまい、走りながら 「Coke、Coke、次のCokeはまだか~!」と。ちなみにエイドでは、そのCokeに疲労回復のクエン酸を含むレモンを絞って飲んでいました。とりあえず、いろいろ事件?はありましたが、出場した宮古は2回とも無事完走!
完走できたのは、トレーニングだけではなく、日々の食事(アスリートフード)のお陰だと本当に実感しています。そのあたりを次回お話できたらと思います。

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篠原 知美 (しのはら ともみ)
子育てをする2児の母でありながら、現役トライアスリート。第1回木更津トライアスロン(スプリントの部)での初代チャンピオンをはじめ、数々の大会で入賞経験あり。
2015年全日本トライアスロン宮古島大会では、完走率が52.2%という悪天候の中、また故障中にもかかわらず見事完走を果たす。
自らが競技を通して得た経験から、パフォーマンス向上を目指す上で、食の大切さを実感。国際線客室乗務員という前職の経験を活かし、現在アスリートフードマイスターとして、トライアスロンをはじめ、スポーツをする方々への食事指導、AFM養成講座のアテンドスタッフとして後輩の学習サポートや説明会にてアスリートフードマイスターの啓蒙活動に参加中。

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第139回 「おいしく、楽しく、意識して!」トラママのつぶやき

アスリートフードマイスター2級の篠原知美が
数々のトライアスロン出場経験から“アスリートフード”についてお伝えします。

 みなさん、はじめまして、こんにちは。今回より計5回、このコラムを担当させていただくことになりました、アスリートフードマイスターの篠原知美と申します。
私より身長が2cm高くなった娘と、反抗期まっ最中の息子がいるママさんトライアスリートです。
数年前にトライアスロンを始めましたが、パフォーマンスアップのためには、「トレーニング」だけでなく、「休養」、そして「食事」が大事!ということを実感し、この資格を取りました。
私は管理栄養士ではありませんので、今までこのコラムを担当されていた方々のようなすばらしいことや、栄養についての詳細はご説明できないかもしれませんが、 母として、そして何よりも学んだことをトライアスロンの練習やレースを通して自分自身で実践し、経験したことなどをお伝えできればと思っております。
難しいことは書きませんので、気軽な気持ちで読んで頂ければ幸いです。

 みなさんは「トライアスロン」という競技をご存知ですか?
まず、泳いで(Swim)→自転車(Bike)こいで→走る(Run)!の3種目を続けて行うスポーツです。
陸上競技に短距離の100m~長距離のフルマラソン42.195km(またはそれ以上)があるように、トライアスロンにも
『スプリント』(Swim:0.75km、Bike:20km、Run:5km)
『オリンピックディスタンス』(S:1.5km、B:40km、Run:10km)
『ミドル』(S:2km前後、B:100km前後、Run:21km前後)
『ロング』(S:3km~、B:180km前後、Run:42.195km)
の種類があり、距離が異なります。
私は、元々陸上部の短距離100mの出身のため、どちらかと言えばスプリントが得意なのですが、スプリントからロングまでこなし、今年の4月には、全日本トライアスロン宮古島大会に3年連続で出場予定です。
宮古島トライアスロン(以下、宮古)は、Swim:3km、Bike:157km、Run:42.195kmの計202.195kmを13時間30分の制限時間内にゴールしなければなりません。途中に制限時間の関門もいくつもあります。
普段のトレーニングはもちろんのこと、この距離をこなすとなると、「何を」 「いつ」 「どのように」食べたらよいのか?
レース向けて、前日、当日、そしてレース後の回復食など、ここで学んだアスリートフード学がいかされます。

レースの日を目標に、 「トレーニング期」、「試合期」、「オフ期」と大まかにわけて食事計画を立てていきます。

トレーニング期とは・・・
レースに向けて練習量を上げていき、カラダを作り、また絞っていく時期です。トレーニングで失った分の糖質、たんぱく質の補給をはじめ、バランスのよい食事をしっかりと。旬のお野菜や果物をふんだんに摂ります。
“旬のもの“は、一般的に栄養価が高く、お値段もお手頃で、何よりもおいしい!
そして今の時季の旬のものと言えば・・・
お野菜では、白菜、小松菜、春菊、菜の花、ほうれん草、長ネギ、大根、ブロッコリー、カリフラワーなど。
最近は、カリフラワーとブロッコリーの中間のフラクタルな ロマネスコもよくお野菜コーナーで見かけますね。
立春とはいえ、寒さ厳しく冷えるので、お鍋にするとカラダも温まりますし、お野菜もたくさんの量を摂ることができます。
お野菜のビタミンBやCは水溶性のビタミンですので、最後に卵(たんぱく質)とご飯やうどんなど(糖質)を入れて雑炊にするとビタミンが溶け出したスープも一緒に摂れますね。。
またビタミンCは熱にも弱いので、生で食べられるものはできるだけそのままで。
我が家で人気なのが、数分でできるこちら!

【春菊と桜えびのサラダ】
①春菊は茎の硬い部分をよけ(硬い部分はおみそ汁などに使用)柔らかい葉っぱと茎の部分をお皿に盛ります。
②その上に、干し桜えび、ピーナッツ(などのナッツ)をパラパラと。
③スイートチリソースをお好みの量かける。
春菊のビタミンA、C、カリウム、食物繊維。そしてカルシウムたっぷりの干し桜えびと、ピーナッツには若返りのビタミンと言われるビタミンEなどが豊富です。

果物では、定番ですが、みかん、いよかん、デコポンなどの柑橘系。これらには、ビタミンC、クエン酸が豊富なため、練習後の疲労回復にもバッチリですね。
そして、この時季の代名詞のいちご!
いちごにはレモンよりビタミンCが多く含まれ、風邪予防、疲労回復、肌荒れなどに効果的。
また色素成分であるアントシアニンはポリフェノールの一種で抗酸化作用があります。
小粒なもの10粒、大粒で7~8粒食べれば1日に必要な量のビタミンCを摂ることができます。
また、カリウムも豊富でむくみ改善にもよいですね。しかし、利尿作用があるため、長時間の練習の時などは要注意!
いちご狩りの帰りは、トイレが近くなりませんか??(笑)

アスリートフードマイスター養成講座の説明会などでも私がよく言っているのが
『You are what you eat!』と 『おいしく、楽しく、意識して!』
You are what you eat!カラダは食べたものでできている!は最近よく耳にしますね。
『おいしく』はもちろんのこと、テレビやスマホを見ながらではなく、大好きな家族やお仲間などと会話をしながら『楽しく』食べることによって、消化・吸収・代謝が全然違うのです。
また、筋トレやストレッチをする時、どこの筋肉を使っているのか、鍛えたいのかなど、その部分を意識してやりますよね?胃腸も筋肉でできていますので
「栄養あるから仕方なく無理やり食べる」ではなく、
◯「これにはビタミンB1が多く含まれていて、それは糖質を効率よく燃やしてくれてエネルギーになる!」
◯「鉄分が多いので、ラストもバテないぞ~!」
◯「A選手も食べているから、自分もそうなれるかも!」
◯「ビタミンCいっぱいでタレントのBさんみたいにお肌ツルツルに~!」
などなど、意識して食べることによって、栄養価もより吸収できるそうです。
お子さんなどは素直なので、効果テキメンですね!苦手なお野菜もモリモリ食べてくれるように(^_^)b
これが“食育” ですね。

例えば、外食や中食(なかしょく:買ったものを家などに持ち帰って食べること)など、自分で食べるものをチョイスする時、自然によいもの、よい組合せを選べるようになると良いですね!

・・・という感じで、私の経験談を元に、トライアスロンという競技をご紹介しつつ、気軽に読んで頂けるような内容で進めて行きたいと思います。
次週もどうぞよろしくお願いいたします(^_^)/

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子育てをする2児の母でありながら、現役トライアスリート。第1回木更津トライアスロン(スプリントの部)での初代チャンピオンをはじめ、数々の大会で入賞経験あり。
2015年全日本トライアスロン宮古島大会では、完走率が52.2%という悪天候の中、また故障中にもかかわらず見事完走を果たす。
自らが競技を通して得た経験から、パフォーマンス向上を目指す上で、食の大切さを実感。国際線客室乗務員という前職の経験を活かし、現在アスリートフードマイスターとして、トライアスロンをはじめ、スポーツをする方々への食事指導、AFM養成講座のアテンドスタッフとして後輩の学習サポートや説明会にてアスリートフードマイスターの啓蒙活動に参加中。

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