第77回 あなたの身体はあなたの食べたもので出来ている

アスリートフードマイスターの芦田圭子が
あの手この手で皆様の食べる飲むを応援させて頂きます!

こんにちは。
アスリートフードマイスターの芦田圭子です。
涼しくなり自宅近くの皇居にはランナーが増え始めました。
私も来月の軽井沢マラソン(ハーフ)に向け外ランを再開。外は気持ちがいい。

私のラン歴は短く一昨年の暮れくらいからなのですが、何ヶ月かしてある面白い変化に気づきました。
味覚と嗜好の変化です。
5kmくらいだとあまり感じないのに、10km以上走るとまずお腹がすごく減る。
そして生野菜とステーキ、出来ればポテトフライやマッシュポテトなどを添えたものが無性に食べたくなるのです。実際食べると美味しくてしっかりモリモリ、ぺろり。
私実は生野菜と牛肉があまり好きではなく、家では火をいれた野菜に豚肉か鶏肉か魚がメイン。外でもまず頼みません。量だって少ないし、炭水化物に至ってはほんとにちょっぴり。
なのになぜ?

これは身体が正しく反応している、ということです。
エネルギーが切れ、疲労し、修復と調整が必要。だから糖にタンパク質にビタミンAやC、クエン酸を欲しがる。(生野菜はレモンとオリーブオイル、塩胡椒で食べる人なので)
私の場合、長距離走った後や負荷の高い筋トレを行った後に限りこの現象が起きます。これを繰り返すうち、疲労が残ったり ばてたりしなくなりました。それに味を占め、日常生活の食事も以前にも増して無駄がなく、しっかりしたものに変化。体重は変わっていません。

個人差があるのでみなさんに当てはまる訳ではないのですが、普段からきちんとした食生活を送っていれば、どんな時にもいつ、何を、どのくらい食べたらいいのかある程度体が教えてくれます。
「なかなかウェイトが増えない。だからもっと食べなきゃ。」
「なかなか痩せない。甘いものやアルコール減らさなきゃ。」
「ファーストフードやコンビニ弁当ばっかりじゃバランスのいい身体にならないよな。」
「仕事で晩ご飯が遅くなっちゃって、太っちゃうんだよね。」
みんなわかっているのに、実行出来ていないだけ。

だから先ずこのふたつを叩き込みましょう。
「今のあなたの身体はあなたが今まで食べてきたもので出来ている」
「これからのあなたの身体は今からあなたが食べるもので出来上がっていく」
ね。シンプルでしょ。

今の自分の体に満足しているなら今までの食事は正しい。
でも満足していないなら、これから食べるものを改善するべきです。
で、何を食べるかはあなたのなりたい身体次第。
なりたい身体に必要な要素を把握し、それを構成・補助・調整するものをきちんと摂取しましょう。
量は不足しない・食べ過ぎない。当たり前のことです。アスリートは特に不足しないことが大事。
一般人は逆ですね。食べ過ぎないことが大事。
いつ食べるか。なるべく決まった時間に食べましょう。
栄養素を効率良く吸収し、体に負担をかけないためです。

なりたい身体になるために、自分の中の食に関するセンサーを働かせ、常にアンテナを立てておく。そうすれば自分に何が必要で何が不要か判断できるようになっていきます。
後は「実行する」のみ。
これが1番大変で、1番大事なこと。
いくら知識があっても実行できなければ何も変わりません。
身体の声に耳を傾け、自分をコントロールし、理想の身体を手に入れましょう。
食欲の秋ですから、ご用心(笑)

●アスリートフードマイスター
芦田 圭子 (あしだ けいこ)
トレーニングの目的は「美味しく食べて飲むため♪」と公言してはばからないフィットネスクラブスタッフ兼インストラクター・パーソナルトレーナー。
銀行や有料老人ホーム勤務を経てフラワーデザイナーへ。その間に膠原病と診断されたり拒食症を経験したことから、自身の健康のため今の職業へ転職。それゆえ高齢者指導とシェイプアップが得意分野。 介護予防運動指導員・基礎心理カウンセラー・アスリートフードマイスター他取得。

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第76回 ケガを予防するための食事

アスリートフードマイスターの張谷綾が
明日から使える情報を提供します!

皆さんこんにちは。アスリートフードマイスターの張谷綾です。

アメリカンフットボールは、いよいよ本格的なシーズンに突入しました。社会人リーグは週末の度に試合です。普段仕事をしながら、週末はガツガツ当たりに行く…過酷過ぎますね(苦笑)。私も、このスケジュールをどう乗り切ろうか、ずっと頭を悩ませています。
というのは、アメフトは何と言ってもケガの多いスポーツです。日本体育協会が出しているスポーツ指導者用テキストを見ても、ケガ発生率はアメフトがダントツで1位!!です。そんな状況なので、チームには必ずドクターとトレーナーが帯同しています。

私達家族にとって、試合に勝つこと以上に彼らに仕事をさせないことが一番の願いです。そのためには、ケガをしない身体づくりが重要になってきます。今回は、ケガを予防するための食事についてお話していきます。

 まずは、何度も言いますが“バランスのよい食事”が大前提です(第52回参照)。その上で、特にシーズン中は気をつけて食事メニューに取り入れていきたいものがあります。

①カルシウム(骨強化)
聞いたことがあると思いますが、カルシウムから骨や歯がつくられます。カルシウムは体内ではつくることができない上に排泄や汗で流れ出てしまうので、常に不足しがちです。この状態が続くと、今ある骨からカルシウムを持って行こうとするので、奪われた骨がもろくなり、将来的に骨折しやすくなったり骨粗鬆症になったりします。そのため、食事からしっかりと摂取する必要があります。
カルシウムは乳製品・小魚・海藻類・大豆製品・緑黄色野菜・ごまなどに含まれますが、吸収率はそれほど高くありません。吸収率を上げるために、魚やきのこ類に含まれるビタミンDを摂りましょう。さらに、ビタミンKはカルシウムが骨になるサポートをしてくれます。納豆や緑黄色野菜、海藻類に多く含まれます。我が家で苦戦している魚・きのこ・海藻が大当たりなんですね(苦笑)。和食にすると比較的バランスが摂れるので、我が家の朝食は必ず和食、そして、吸収が早いと言われるひきわり納豆を出すようにしています。

②コラーゲン+ビタミンC(骨、関節、腱、靭帯強化)
 ケガを予防するためには、身体の組織をつくるたんぱく質を摂ることが大切です。たんぱく質が含まれる食材(肉・魚・豆製品・卵・乳製品)を毎食摂りましょう。
 それから、たんぱく質の一種であるコラーゲンは関節などの結合組織を強化します。牛すじや鶏の軟骨、魚の皮、イカやタコなどにも含まれます。そして、コラーゲンの合成を助けるのがビタミンCです。野菜や果物もたくさん摂りましょう。
主人は学生時代に前十字靱帯と半月板を損傷しており、いまだに季節や気候で膝に違和感があるようです。痛みが出そうな時はコラーゲンの食材も気にしながら出すようにしています。(写真は牛すじの煮込み)

もちろん、ケガの予防には集中力を切らさないこと、そのためには糖質を十分に摂る必要があります。脂質、たんぱく質もエネルギーに変わりますが、脳のエネルギーになるのは糖質のみです。一度に蓄えられる量も決まっていますから、毎食しっかりと摂るようにしましょう。
また、練習や試合で疲れを溜め込んでしまうのもケガの一因になります。体力回復メニューで、翌日まで疲れを持ち越さないようにしましょう(第60回参照)。

 ケガは起こってしまう時は仕方がありませんが、食事にも気をつけて生活している人はケガの治りも早いと言います(ケガをした時も、上の①②を意識してください)。スポーツをずっと続けていくために、食にも目を向けていけるとよいですね。

●アスリートフードマイスター
張谷 綾 (はりたに あや)
高校生まではスポーツ栄養士を目指していました。他界した祖父の影響で、教育関係の仕事へ。数年前、授業で栄養学を教えている時に、やっぱり楽しいな…と民間の栄養学関係の資格を取り始めました。ジュニアの資格は、渋谷1期生です。将来的には、ボランティアでアマチュアスポーツチームや個人のサポートができたらと思っています。

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第75回 噛む力を鍛える

ジュニア・アスリートフードマイスターの尾澤真紀が
ジュニア期の『元気に食べて強くなる』をテーマにお伝えします!

こんにちは。ジュニアアスリート・フードマイスター、尾澤真紀です。

アスリート食が広まってきて、スポーツされる方に中に、運動前はどんなものを食べたらいいか、運動後にはどんなものを食べたらいいかなど、考えながら食事をされている方も増えてきていると思います。
実際に、栄養素の事なども質問されることがあり、それらがパフォーマンスに繋がると思う嬉しいです。
ですが、それらの栄養素、ただ身体の中に入れればいいというわけではありません。

突然ですが、普段よく噛んで食べていますか?
小学校の時に、先生から『よく噛んで食べましょう!』と言われていました。
もしかしたら、大人よりもジュニアアスリートたちの方が意識しているかもしれませんが・・・
実際、『硬いもの』より『柔らかいもの』が好まれ、噛もうとしない人が増えています。
『柔らかいメニュー』が増えることで、噛む回数も減り、その回数は、弥生時代のなんと約6分の1と言われています。

さて、昨日一日の食卓に並んだものを思い出してみてください。
噛みごたえのあるものはありましたか? ハンバーグや煮物など『柔らかいメニュー』ばかりになっていませんか?
普段の食事、よく噛むことで身体にいいことがたくさんあるので、いくつかご紹介します!

まず、食べ物を噛むと唾液が出ますよね。唾液というのはアミラーゼという消化を助けてくれる成分を含んでいて、よく噛むことでたくさん出てきます。
つまり、噛むほど食べたものが細かくなり、唾液によって消化されやすくなります。
せっかく摂った栄養素なので、できるだけ無駄のないように取り込みたいですよね!

また、細かくなることで胃や腸の負担も少なくなります。
逆に、よく噛まずに早食いしてしまうとそのまま胃に運ばれ、消化するのに時間がかかり、消化不良が起こりやすくなってしまいます。特に、運動後は胃も疲れているので、余計負担もかけることにもなってしまいます!

ゆっくりよく噛んで食べることで、脳にある満腹中枢が刺激されて、少ない量でお腹がいっぱいになり、食べ過ぎ防止になります。
この満腹中枢が刺激されるのは、食べ始めてから約20分。食べ過ぎが気になる人は、時間を意識してみるといいですね。

そして、意外にもスポーツとも繋がっています!!
噛む力が備わっていれば、しっかり歯を食いしばることができます。
瞬発系の競技や、ここぞという時に歯を食いしばることで、集中させ、パワーを発揮できるのです!

ここまでで『しっかり噛むこと』が大事ということは分かったけど、じゃあ食べるものすべて『柔らかいもの』から『硬いもの』にすればいいのか?!
そんなことはありません!それでは、食べることが苦痛になってしまいますよね。

では、噛む力を鍛えるためにできることは何か・・・
まず、食材を工夫しましょう!
噛み応えのあるもの、つまりしっかり噛まないと食べられないものを取り入れてみます。
例えば
野菜なら・・・れんこん・ごぼう・たけのこなど
果物なら・・・りんご・かきなど
魚介類なら・・・いか・たこ・貝類など
肉類なら・・・ひき肉より、かたまり肉
主食なら・・・食パンより、全粒粉のパン・ベーグル 白米より、玄米
その他・・・こんにゃく・油揚げなど

そして、調理法を工夫しましょう!
例えば
・煮込み料理の野菜の切り方を少し大きめにする
・煮込み料理や炒め物の加熱時間を短くして、噛み応えを残す

食材や調理法次第で噛み応えのあるメニューは作れます。
まずは一品から食事の中に取り入れて噛む力を鍛えていきましょう!

●ジュニア・アスリートフードマイスター
尾澤 真紀(おざわ まき)
愛知県出身。管理栄養士。スポーツクラブ勤務を経て、現在は給食会社で厨房業務に携わる。スポーツ栄養士を目指しており、休日などボランティアで地元の高校の部活動の生徒に向け、栄養アドバイス等を行う。
大学時に栄養教諭の免許を取得。

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第74回 食育現場レポート④ 野球・アメリカ独立リーグ編

ジュニア・アスリートフードマイスターの岡嵜雄介が
学生スポーツの現場で取組まれている食育の実践をリポートしていきます!

ジュニア・アスリートフードマイスターの岡嵜雄介です。
私のコラムでは、学生スポーツの現場で行われている「食育」を中心に発信していきたいと考えています。
特に「身体を作りたい」、「大きくしたい」というご意見は多くのジュニア・アスリートを持つ保護者の皆様からご要望があるとお聞きします。
このコラムでは身体作りの観点で取組まれている食育現場をどんどん取材して行きたいと考えています。

第4回目は、ジャンルを飛び出し、学生スポーツではなくプロスポーツの現場、しかもアメリカ独立リーグ(野球)の食事情について話をしていきたいと思います。

今回は、 米プロ独立リーグ/アメリカンアソシエーションリーグ・グランドプレーリー・エアホッグスに在籍する日本人、三好貴士さんにお話を伺いました。
三好さんは、グランドプレーリー・エアホッグスの1塁コーチ兼内野守備走塁コーチをされています。アメリカの独立リーグでもコーチをしている日本人は三好さんただ一人だそうです。今回は、そんな三好さんからみたアメリカの選手の食事情とご自身の食事情を質問形式で伺いました。

●一般的な食事スケジュール
 ホームゲームの時は、ナイトゲーム終了後寝るのが午前4時~5時になるため、お昼前に起床します。そのため昼食はアパートで自炊が多いです。ホームゲーム以外は遠征していることが多いため、基本的には種類や品数に凝った食事は難しく、ご飯、アボガド、目玉焼き、味噌汁、ヨーグルトといったものが中心となっています。
 その後、球場入りして練習を行い、試合前にクラブハウスマネージャーが作ったミートソースパスタを選手は食べています。(日によってメニューが異なる)三好さんは自分で持参したものを食べているようで、基本はお昼前に食べたメニューに近いものをタッパーに詰めているようです。
 試合後にはクラブハウスで、ミートローフ、サラダ、トウモロコシ、グリーンビーンズなどが出てきます。アメリカのいろいろなリーグ事情を知っている三好さんが言われるには、このメニューはマイナーリーグでもかなり良いらしいです。


三好さんが持参するタッパー飯(ご飯、卵焼き、アボガドなど)

●マイナーリーグでも食にこだわる選手
 ビジターの試合には長距離バス移動が多いこのリーグでは、食事環境が悪いにも関わらず、数人ほどかなり食事に気を使う選手たちがいます。特徴としては、炭水化物を極力抑え(ほぼ食べないぐらい)、チキンなどプロテイン系の食材を多く食べるのが特徴的です。


元日本ハム、テキサスレンジャースでもプレーしたジェイソン・ボッツ選手の持参サラダ

●体重や体脂肪を気にしている選手
 リーグを見渡しても体重を実際にはかっている選手はほとんどいないが、睡眠、食事、プロテイン摂取のタイミングにかなり気を使っている選手が多いです。それからそれに付随してトレーニングをしっかりしています。


キューバ人選手がクラブハウスで食べる食事(ステーキ、ブラウンライス、イモ類)

●プロテインやサプリメントを摂取している選手
 プロテインをパウダーで取る選手が多いのはさすがアメリカでとても多いです。ただ、それだけでなく、ココナッツミルク、アーモンドミルク、アーモンドバター、フルーツ(バナナ等)などをシェイクにしています。体に良いと言われるような食品、食材を多く取り入れています。

●日本の食事情と1番の違い
これは間違いなく炭水化物とプロテイン(チキン、ツナなど)の摂取量でしょう。筋肉を作るための努力(食べること、寝ること、トレーニング)の意識は日本とは比べ物にならない感じがします。こちらはそういうことをする人は知識もすごく豊富です。

 このように今回のコラムで取り上げたアメリカ独立リーグの食事情では、日本と環境が違う点が多いためイメージしにくいが、すぐ取り入れても良さそうなアイデアは数多くあると感じた。特に、ココナッツミルクやアーモンドミルクなどプロテインとシェイクするものは直ぐにでも応用できそうである。
 また、筋肉や身体を作る為に寝ることも現在では注目されており、そのような点もこの長距離バス移動が多い選手でさえ、気を配っているあたりは勉強になるのではないだろうか。今まで学生の食への取組を中心にコラムをまとめてきたが、プロから学ぶ、海外から学ぶべきものは多いようにこのコラム通じて感じるのであった。


三好さんが所属するグランドプレーリー・エアホッグスのスタジアム

●ジュニア・アスリートフードマイスター
岡嵜 雄介(おかざきゆうすけ)
野球歴20年。高校、大学、社会人野球(企業)、独立リーグなどでプレー。
引退後、広告代理店での企画営業を経て、2011年度より教壇に立つ。2012年度の夏のインターハイではホッケー部の監督としてインターハイベスト8進出。2013年度、京都で初めてプロアマ規定解禁の高校野球の指導者となる。
特に学生スポーツにおける「食育」に興味を持ち、日々実践、研究している。

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第73回 良質な油を摂ろう

アスリートフードマイスターの池田 清子が
実践している食生活のほか、海外の食事情などについてもお伝えします。

こんにちは、アスリートフードマイスターの池田清子です。今回はアスリート、特に減量中には敬遠されがちな“オイル・油”について実践していることをご紹介します。

プロマウンテンバイクライダーの池田祐樹の妻として普段は食事面などサポートに徹していますが、今年6月に行われた「ヒルクライム イン おんたけ」というレースに、私も選手として初めて挑戦してきました。コース概要は距離にして24km・平均勾配5.3%・御嶽山を標高890mから2180mまで一気に駆け上がる(登りのみ)、というもの。選手の気持ちになって、少しでもサポートに役立てたいという想いからでした。

このレースはマウンテンバイクプロレーサーの夫・池田祐樹選手も毎年恒例のレースの為、既に参戦することが決まっていました。レースまで約4週間。食事の面では“より一層、登りに対応出来る身体造り”を意識しました。一言で言えば『減量』ですが、元々体脂肪が8%前後の夫です。「ただ痩せる」という訳にはいきません。連日のハードなトレーニングとリカバリーに必要なエネルギーと栄養素は過不足無く摂りながら、尚かつ体調は絶対に崩さない減量がスタートしました。

減量=食事は全てノン・オイル?いえいえ、その逆。オイルを味方につけて、身体の中から痩せ易い体質を作ろうではありませんか。

オイルは生きていく上でエネルギーになったり、良質な肌を保ったりする為に身体にとって必要不可欠なもの。極端に排除してはいけません。ただ、そのオイル=脂質をどこから摂るかが重要です。

 私たち夫婦は消化に消耗するエネルギーを回復に回すことなどを考慮して、肉や魚、卵や牛乳、ヨーグルトなどの乳製品も含めて実験的に動物性食物を摂ることを止めてみました。動物性の脂質はコレステロールが高く、身体に蓄積され易いこともよく知られていると思います。
しかし大事な脂質を全て失ってはアスリートとしてもパフォーマンスに影響がでますし、それ以前に何より健康でいたいですよね。そこで、前記した様に見直したのが植物性の“オイル”。以前から気を遣ってはいましたが、一層良質なものに着目。使用頻度を増やしたり新しく購入したりして、早速毎日の食事に取り入れました。

今愛用しているオイルはこちら
(左から)
・ココナッツオイル
・インカグリーンナッツオイル
・えごま油

これらのオイルには、必須脂肪酸“オメガ3脂肪酸“の一つである“α–リノレン酸”が豊富に含まれていて、脂肪を燃焼する効果や中性脂肪を下げる働きがあります。“α–リノレン酸”は青魚にも多く含まれているEPAやDHAに変換され、血管を強くする効果があります。
また“オメガ9脂肪酸”が含まれるアボカドやクルミなどのナッツ類も摂取しています。

更にこれらのオイルの“使い分け”をしています。
例えば、ココナッツオイルとインカグリーンナッツは加熱してもオメガ3が変化しにくいので、パンケーキや野菜のオーブン焼き、炒め物など火を使う際に使用します。えごま油は生のまま食した方がおススメです。私はサラダのドレッシング代わりに使用。野菜に塩・コショウ・バルサミコ酢を垂らし、最後にえごま油を細くひと回し。オイルをかけることで、野菜の味が一層引き立ちとても美味しいのです。

減量中は特に、“見えない油”にも注意が必要です。外食や加工食品ではどのような原料・油を使っているかまでは中々分かりません。揚げ物はカラッと上がる程、残念ながら身体に蓄積され易い油です。また、もう一つ“油の酸化“も注意が必要です。私が学生時代アルバイトをしていたドーナッツ屋では、月に数える程しか油を変えていませんでした。酸化した油は身体も酸化させます。酸化=老化につながります。保管も大事。インカグリーンナッツオイルもえごま油も「開封後は冷蔵保存」と書かれています。他のオイルもコンロの火や日光が当たる場所には絶対に置いてはいけません。いくら良質なオイルでも酸化しては元も子もありませんね。

搾取の製法も表示してあると尚よいですね。私は薬を使って種子から搾取する方法ではなく(市場に出回っている大半が、抽出の為の溶剤を使用するなど化学的な処理がなされています)、プレスして抽出する圧搾法を出来るだけ選びたいと思っています。また、容量も大きいと酸化が進んでしまいますので新鮮なうちに使い切れる量を選びたいものです。個人的には、開封後2ヶ月以内に使い切ること目安としています。また、オーガニックの油は多少値が張りますし、置いているお店も限られています。しかし良質な油を必要量(摂り過ぎにも勿論注意)摂取することは、病気などを防ぐ要因の一つとなったり、身体を作る大事な栄養素として活躍してくれたりと、長い目で見れば経済的だと私は考えています。身体の代謝を促し、ダイエットに余計なお金をつぎ込まなくてもいいかも知れませんしね!

さて、レース当日。減量にも成功し、風邪も引かずに迎える(これはとても重要!)ことが出来ました。結果は、マウンテンバイク部門で夫婦ともに「優勝」でした(マウンテンバイカー女子の部は私一人でしたが!)。ヒルクライムをキッカケに見直した油ですが、これからも上手に付き合いたいと思います。油は敵ではなく、味方なのです。

アスリートでなくとも、油にフォーカスすることは成人病などを防ぐ大事な一歩となるでしょう。外食が避けられない方も「出来る限りどのような油が使われているか表示を見る」「家庭用の油など選択出来る環境から見直してみる」ことから始めてみてはいかがでしょうか。

●アスリートフードマイスター
池田 清子(いけだ さやこ)
アスリートフード研究家。夫はマウンテンバイクプロライダー、池田祐樹選手(トピーク・エルゴンレーシングチームUSA所属)。モデル事務所でのマネージャー経験を活かし、現在は夫のマネージメントを行う。「五感で食べる」をモットーに、カラーコーディネーターの資格を生かした色彩豊かな食卓と、満足感と栄養バランスを兼ね備えた献立を研究する日々。

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第72回 スポーツをする時の適切な水分補給

ジュニア・アスリートフードマイスターの菅野 真喜が
季節に合わせた食事トレーニングで「何を食べるか」「なぜ食べるか」を発信します!

前回も少しふれましたが、6月末のサロマ湖100kmウルトラマラソンに出場しました。
当日は快晴、気温も30℃近くまで上がった様です。結果としては55kmでリタイアです。
暑い中、水分のとりすぎと水を体にかけて体を冷やし過ぎたため、お腹を壊し脱水症状になりました。

前日に100kmウルトラを7回完走している方と話をして、一度だけ完走できなかったのが暑い大会の時、体の冷え過ぎでお腹を壊し途中棄権をしたそうです。それ以来タオルを持って走り、時々お腹を触って冷たくなっていたらタオルでお腹をさすると汗がふきだし温度調節をしてくれるので「レース中、時々お腹を触って冷たくなってないか確かめるといいですよ。お腹が冷えると足も思うように動かなくなりますので」と言われたのに!私も同じ失敗をしてしまいました。

野外でスポーツをする人は喉が渇く位の水分不足によりおこる脱水症と共に、水分の取り過ぎで体内の塩分濃度が下がり、こむら返りや気力も無くなる「低ナトリウム血症」にも注意が必要です。

「暑いときはこまめに水分をとりましょう」と言われますが、こまめに水分をどれくらいの量をどれくらいの間隔で飲むのが適切か。スポーツ飲料を販売する製薬会社の方に聞きしましたところ、
一般的に体で吸収される水分量は「30分で150~200ml」水分は腸で吸収されるので、吸収されやすい温度は「5℃~15℃くらい」だそうです。ランニング中に携帯した水が温かくなり温度が20℃以上になった水分は飲んでも胃で停滞する時間が長くなるため腸での吸収が遅れ、脱水症状になる場合もあるそうです。

スポーツ時、脱水症や低ナトリウム血症にならないためには糖分と塩分を含み、冷蔵庫で冷やした位の温度の水分を30分間隔でコップ1杯程度飲むのがもっとも適切かと思います。
糖分を含み水分も補給できる食品として夏のマラソン大会ではエイドにスイカが置かれる場合があります。

レース中に食べるスイカはまた格別に美味しいです。みんな体が求めるのか、まっさきにスイカに塩をたっぷりかけて食べます。私も暑い大会で何度スイカに助けられたことか!
また今回のウルトラマラソンの様に暑い中長時間走ると糖分を含んだ飲み物は甘すぎるように感じ、体が受けつけなくなってきます。そんな時に体になじむのが麦茶でした。糖分を含んでませんが、こうばしい香りにホッとしリフレッシュできます。
高温多湿の日本の夏の気候にはやはり昔からある夏の食べ物や飲み物が自然と体になじむ様です。

余談ですが、サロマ湖100kmではスペシャルドリンクを預ける事ができます。
暑くなる事は予想していたので後半のスペシャルドリンクは紫蘇とレモンで味をつけた手作りの経口補水液(水1ℓに対し、砂糖40g、塩3g)を用意しました。元気な時に試飲するとそれはそれは不味い飲み物(笑)でしたが、このスペシャルドリンクが美味しく感じるか、体に効くのか体感する前にリタイアしたのが非常に残念です。

●ジュニア・アスリートフードマイスター
菅野 真喜(かんの まき)
乳製品関係の仕事をする一児の母&北海道フードマイスターでもある走歴5年の市民ランナーです。2013年は年間5本のフルマラソン完走とサブフォー(4時間切り)を達成し、今年はウルトラマラソンにも挑戦!。一年通して走り続ける体力&すばやい疲労回復を維持する事を心がけています。

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第71回 アスリートのための果物1日200g摂取!

アスリートフードマイスター今川千恵子が「アスリートに参考にしてもらいたい!」
と思ったことを、スポーツの種類を問わず発信していきます!

アスリートのみなさん、毎日の食事で果物をきちんと摂れていますか?野菜は意識して食べているけれど果物は…という方もいるかもしれませんね。また、果物ってどの位食べればいいのでしょう?厚生労働省と農林水産省「食事バランスガイド」によると、1日200g(可食部150g)の果物を摂ることを推奨しています。

では、何故果物を摂ると良いのでしょうか?果物にも野菜と同じくビタミン、ミネラル、食物繊維が
豊富に含まれています。野菜は生で食べることもありますが、主に火を通した調理法で食べることが多いですね。ここでひとつ覚えておきたいのが、ビタミンの中には熱によって失われやすいものがあるということです。そこで、主に生で食べる果物でしっかりとビタミン補給をすると良いという訳です。中でも特に失われ易いのはビタミンCです。

さてここから、アスリートの視点で抑えておきたい果物の栄養ポイントと、目標1日200g摂取に参考になる目安をお伝えしたいと思います。

~抑えておきたい栄養ポイント~
★「ビタミンC 」
・風邪予防
・ストレスを感じる時 → 体内のビタミンCは失われ易いので補給が必要
・鉄分の吸収を高める → 貧血予防
・コラーゲンの生成に不可欠 → 骨、筋肉作り
・ケガをした時しっかり摂りたい栄養素 → 骨折にはカルシウム、ビタミンD ∔ ビタミンC
肉離れにはたんぱく質、ビタミンB1 ∔ ビタミンC
捻挫にはコラーゲン ∔ ビタミンC
*ビタミンCを積極的に摂る必要あり

【キウイフルーツ、イチゴ、パイナップル、カキ、オレンジ、温州ミカン、グレープフルーツ、レモンなどの柑橘類】

★「糖質」
・糖類で果物に多く含まれる果糖、ブドウ糖 → 脳や運動時のエネルギー源
→ クエン酸を含むものと一緒摂ると疲労回復を促進

【バナナ、ブドウ、メロン、オレンジ、カキ、ナシ、サクランボなど】
【クエン酸を含むものは、レモンやグレープフルーツの柑橘類、パイナップル、ナシ、ウメ、お酢など】

★「抗酸化物質(ポリフェノール、リコピン、β―クリプトキサンチンその他)」
・活性酸素による体のダメージを防ぐ → 内的ストレスの緊張感、外的ストレスの紫外線から身を守る

【リンゴ、ブドウ、イチゴ、ビワ、スイカ、カキ、温州ミカンなど】

★「食物繊維」
・腸内環境を整える → 免疫力が上がりコンディションを整えるのに役立つ

【モモ、スモモ、洋ナシ、カキ、リンゴ、キウイフルーツ、イチジク、マンゴー、バナナなど】

~果物を1日200g摂取するには?~
最後にいくつかの手軽に食べられる果物の重さや量を取り上げてみます。
*バナナ1本 120~150g
*キウイフルーツ1コ 80~100g
*温州ミカン1コ 100g
*オレンジ1コ 200g
*グレープフルーツ1コ 300~500g
*リンゴ1コ 250~300g
*カキ1コ 150~200g
*モモ1コ 200g
*ブドウ1房 150~300g
*イチゴ1コ 15~16g、(7コで約100g1日に必要なビタミンC摂取量)
*パイナップル、スイカ、メロン ⇒ 写真参考:各100g
「新ビジュアル食品成分表」「目で見る食品カロリー辞典」より

こうしていくつかの果物の重さや量を把握しておくと、200gの摂取が簡単に摂れるようになると思います。果物のもつ力をもっともっとスポーツの食事に活かしてくださいね!次回は「アスリートのための野菜1日350g摂取!」です。

●アスリートフードマイスター
今川 千恵子(いまがわ ちえこ)
ヨガインストラクター、パーソナルトレーナーとして首都圏を中心に活動。野菜ソムリエ、ベジフルビューティセルフアドバイザー、AEAJアロマテラピーインストラクター、JAMHAハーバルセラピスト、産業カウンセラーなどの資格を活かした指導も行う。
スポーツは夫と共にサーフィンを趣味ではあるが真剣に取り組んでおり、体力作りのためにランニングも行う。あらゆるスポーツ観るのも好きで、自他共に認める大のスポーツ好き。

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第70回 コンビニでアスリート飯!

ジュニア・アスリートフードマイスターの一色ふみが
楽しいお話やレシピを書いていきます!

こんにちは!ジュニア・アスリートフードマイスターの一色です。
今回はコンビニを利用したアスリートフードの提案です!

スポーツと食事は深く関係していて大事だということはわかっていても、スポーツを楽しんでいる人の中には料理が苦手だったり、忙しくて作る暇がなかったり、独身1人暮らしで料理が面倒だ、という方はたくさんいらっしゃいます。

しかしアスリートにとって食事はすべてではないと私は思っています。もちろん完璧な栄養バランスの食事を毎日摂っていればそれに越したことはありませんが、これまでフルマラソン4時間台だった人が食事を変えたら3時間台になれる、というわけではありません。結果は、食事以前に本人の実力や練習があってのことです。

なので、食事に関してあまりストイックになり過ぎることはないと思っています。
とはいえ30点の食事よりは40点の食事、40点よりは50点、という感じで、その人がラクに頑張れる範囲で少しでも体に良いものを見つけて食べることが理想です。

そういうわけで、今回は身近なコンビニを利用した「コンビニ活用アスリート飯」を考えてみました!

最近のコンビニはお惣菜のクオリティも高く、種類も豊富になってきています。
今回はマラソンレースに出る人を例にし、コンビニで買える惣菜・冷凍食品だけで『試合期』のレシピを考えてみました。

●材料●
買ってきた材料はこちら。

・おにぎり(ツナマヨなど高脂質な具は避ける)
・即席しじみの味噌汁
・冷凍うどん(ゆで)、肉入りカット野菜(冷凍) 
※この二つで「さっぱり冷やしうどん」を作ります。レシピは後ほど。
・カボチャの煮物
・バナナ
・100%オレンジジュース
(おやつに高糖質なカステラやあんまんなどを加えても良い)

持久系レースなので、本番3日前くらいから糖質中心の食事でエネルギーを溜め込むことが大事。
↑カーボローディング(※前回コラム参照)

おにぎりとうどん、副菜のかぼちゃ、バナナで糖質(炭水化物)を多めに摂り、エネルギー貯蔵を助けるクエン酸(オレンジジュース)も一緒に。脂質は抑えて。

●超簡単♪「さっぱり冷やしうどん」の作り方●
1.冷凍うどん(ゆで)をザルにあけて流水でサッと解凍。
2.肉入りカット野菜(冷凍)一袋をレンジで解凍して、解凍したうどんに乗せてポン酢をかけるだけ♪ 油を使わないので脂質も抑えられ、さっぱり食べられます。

うどん以外のメニューはただ袋から出すだけなので、まったく時間も手間もかかりません。

コンビニも捨てたものじゃありません。
もちろんコンビニ食には添加物や塩分が多めだったり、加工により栄養素が抜けていたりするので、毎日コンビニ食では体に良くはありません。

しかし、野菜が少なく揚げ物だらけの弁当で済ますよりは惣菜をいくつか選んで食べたほうがいいですし、疲れて自炊したくない日はコンビニに頼っていいと思います。

余裕ができたら一品だけは自分で作ってみるとか、コンビニよりスーパーの惣菜の方がまだ添加物は少ないのでそれをチョイスするとか、また外食であればバイキングのサラダバーで必要な栄養素をバランスよく選んで食べるなど、選択肢はいくらでもあります。

食事に無理は必要ありません。
便利なものはうまく活用して、今より少しだけ質の高い食事を目指すだけで十分だと思います。
疲れて考えるのがしんどくなった日は、好きなものを好きなだけ食べたっていいと思います。
なぜなら100点の料理を毎日食べていれば必ず記録が伸びる、というわけではないからです。記録を伸ばすのに一番大事なのは、1にも2にも結局はトレーニングの成果なのです。

ただ、そのトレーニングを効率よく行いそれに耐えうる体を十分に作っていくためには食事が大事だ、ということです。
忙しい日々で、もしも心に余裕ができたら自分で料理する頻度を少しづつ増やしていって、少しでも質の高い食事が摂れるようになるとベターです。

「30点より40点」を頭の隅に置いて、無理なくアスリートフードを楽しんでいきましょう!

●ジュニア・アスリートフードマイスター
一色 ふみ(いっしき ふみ)
レザーメーカーでデザイン製作の仕事を経て2009年に青年海外協力隊に参加。エチオピアに派遣され首都の職業訓練校にて皮革の指導をし、二年間の活動ののち帰国。帰国後はレザー業界から離れ、食育とジュニア・アスリートフードマイスターの資格を取得。現在は協会で講座のアテンドスタッフをしている。夫はトレイルランナー。自身もアウトドアやスポーツを趣味とする。

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第69回 冷蔵庫の掃除、いつしましたか?

アスリートフードマイスターの芦田圭子が
あの手この手で皆様の食べる飲むを応援させて頂きます!

こんにちは。
アスリートフードマイスターの芦田圭子です。
いきなりですが皆様にひとつ質問があります。

「あなたのお家の冷蔵庫、最近いつ掃除しましたか?」

実はこれ、アスリートフードマイスターの講座で講師の方に質問されました。
受講者は25名くらいだったでしょうか。1ヶ月以内に掃除した方が一人もいなかった…(恥ずかしながら自分も含め)という衝撃的な結果でした(T_T)

なぜこんな質問が必要なのか。
アスリートにとって食事とは、「競技に適したカラダを作るもの」が第一義。もうひとつ重要なのが「体調を崩さない(≒怪我をしない)もの」なのです。
言われれば当たり前のことですね。普段の飲食にいくら気を配っていても、試合の前日にノロウィルスにやられてしまったら、体調を崩し成果への影響はおろか出場そのものが危ぶまれます。
先ほどの質問に戻りましょう。その試合前日の食事が、1ヶ月掃除をしていない冷蔵庫から出てきた食材で作られたとすればどう思いますか?これが質問の意図です。

アスリートのパフォーマンス向上に「バランスの取れた食事」は重要です。
でもそれ以上に「安全でリスクの少ない食事」を取ることが最も重要だと言えます。
極端に思うかもしれませんが、試合当日の食事に心のこもった手作り弁当よりもコンビニのおにぎりやサンドイッチの方が推奨されるのは、衛生的に食中毒のリスクが低いからなのです。
この為アスリートフードマイスターの講座ではリスクマネジメント=食の衛生管理を学びます。その中から幾つか、私自身実践していて直ぐに取り入れやすい技(!)をご紹介しましょう。

食中毒予防~台所編~
1.スポンジやたわしをこまめに替える&使い終わったら外に干す
高いスポンジやたわしを長く使うよりも安いものをこまめに替える。目安は1週間。
使い終わったらベランダで干し、水分を取る。
…水分が多いと菌が発生しやすくなります…

2.キッチンに不要なものを置かない
なるべくシンプルに、常に清潔に保つ。
…食事を作る場所に不要な菌の付着・増殖を予防します…

3.冷蔵庫を清潔に保つ&7分目の容量に抑える
冷蔵庫・冷凍庫の掃除をこまめに行う。目安は1週間。
ものを詰め込み過ぎないよう7分目位に。
…新鮮な食材に菌を付着・増殖させないようにします…
…冷蔵庫・冷凍庫の機能を正常に引き出せるようにします…

4.冷蔵庫に入れる前にひと工夫
包装は外して清潔な容器やビニール・袋などに入れ直す。
…食材がいくら新鮮で安全でも、包装は不特定多数の手や場所に触れているはずです…

5.タオルやふきんはこまめに交換
出来れば一食ごとに交換。
…不要な菌の付着・繁殖を防ぎます…

〓食中毒予防の3原則は「菌を付けない・増やさない・やっつける」〓
~ 出典:厚生労働省「食中毒」~

アスリートフードマイスターでは「体調を崩さない」ことを「リスクリダクション」と言い、これを基本に競技性や個別性を加味してアスリートのサポートをするのが目的です。
ご自分がアスリート本人もしくはサポート人であれば、それをよく理解しておくとより良い食環境を整えられることでしょう。
「木を見て森を見ず」ではなく「木も見て森も見て」という所ですかね。

余談ですが、先述の講座の次の日「昨日家の冷蔵庫を掃除した」という人がたくさんいました…(自分も含む)。皆様もこれを読んだら是非どうぞ。

●アスリートフードマイスター
芦田 圭子 (あしだ けいこ)
トレーニングの目的は「美味しく食べて飲むため♪」と公言してはばからないフィットネスクラブスタッフ兼インストラクター・パーソナルトレーナー。
銀行や有料老人ホーム勤務を経てフラワーデザイナーへ。その間に膠原病と診断されたり拒食症を経験したことから、自身の健康のため今の職業へ転職。それゆえ高齢者指導とシェイプアップが得意分野。 介護予防運動指導員・基礎心理カウンセラー・アスリートフードマイスター他取得。

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第68回 ウエイトコントロール(増量)でたくましく!

アスリートフードマイスターの張谷綾が
明日から使える情報を提供します!

皆さんこんにちは。アスリートフードマイスターの張谷綾です。

 今日は、ウエイトコントロール(特に増量)についてお話をしたいと思います。
 主人がやっているアメフトは、とにかくガタイのよい人が多いです。(女性の皆さん、必見です!)高校野球を観ていても、ここ数年、がっしりとした身体つきの選手が増えてきたなと感じます。トレーニングと食生活改善の成果ですね。
 増量は、ただ体重を増やせばよいというものではありません。できるだけ体脂肪はそのままで、筋肉をつけながら体重を増やしていくことが理想です。増量できずに困っている人は、今一度ご自分の生活を振り返ってみてください。

1.食事の回数は多く
 大前提として、食事は3食きちんと摂りましょう。特に、朝ご飯!欠食したり、パンだけだったり、そういったバランスの悪い摂り方は止めましょう。
 また、運動前後に捕食を摂りましょう。おにぎりやパン、100%のオレンジジュースなどがよいです。怪我の防止や体力回復にもつながっていきます。

2.たんぱく質をしっかりと摂る
 たんぱく質を摂ることで、筋肉量が増えていきます。肉の脂肪分を除去するために、部位を選ぶ、皮を取るなどの工夫をしましょう。こう書くと、「鶏のささみがいいから」と、そればかり食べる人がいます。たんぱく質は、肉だけでなく、魚、豆、卵、乳製品にも含まれます。それぞれによさがあるので、1日で全てが摂取できるようにしてください。
 ただし、たんぱく質は摂りすぎると体脂肪として蓄えられるので、食べ過ぎには気をつけましょう。また、1回の食事で摂取できるたんぱく質の量にも限界がありますから、3食でまんべんなく摂るようにしましょう。運動後はたんぱく質の再合成が行われるので、すぐに摂取すること、いつもより少し量を増やすことを心がけてください。

3.糖質は十分に
 筋肉をつけるためには、糖質も必要です。糖質を十分に摂ることで、たんぱく質が効率よく利用されます。しっかりエネルギーにするために、玄米、豚肉、豆類などに含まれるビタミンB1を一緒に摂ることで、吸収率が上がります。

4.ビタミン・ミネラルも摂る
 たんぱく質だけでは、筋肉をつくることができません。たんぱく質の合成には、ビタミン・ミネラルが必要です。野菜や果物もしっかりと摂りましょう。野菜の目安としては、「毎食必ず、色の淡い野菜と色の濃い野菜を両方とも食べる。緑黄色野菜は1日3種類以上、火を通した状態で片手いっぱい以上を摂り、その他の野菜は1日に5種類以上摂る。」(鈴木志保子著『スポーツ栄養学』ベースボール・マガジン社,2008年,106ページ)と、かなりの量が必要です。果物は毎食摂ることがベストですが、一人暮らしの人にとっては、あまり現実的ではないと思います。せめて1日に1回は出すようにしましょう。
 また、海藻や芋、きのこにもビタミン・ミネラルが含まれています。忘れずに摂りましょう。これらは食物繊維も豊富で、お腹の中をきれいにしてくれます。

5.こまめに水分補給
 水分補給の大切さは、皆さんよくご存知だと思います。熱中症予防だけでなく、身体の機能を維持し、代謝も高めてくれます。意識してこまめに摂るようにしましょう。

6.睡眠時間を確保する
 社会人で一番厳しい条件がここだと思います。なかなか難しいとは思いますが、なるべく夕食は早めに摂り、夜12時までには就寝できるとよいですね。

 よく勉強されている方は、栄養素にとらわれ過ぎて、数少ない種類の食品だけ摂ればよいと頑張ってしまう人がいます。食事の大きな目的の1つは、楽しむことです。それが心の安定にもつながり、栄養の吸収率も上がると言われています。家族や友人、恋人など、気心知れた人達と、色々な食事を楽しむ時間であってほしいなと思います。

●アスリートフードマイスター
張谷 綾 (はりたに あや)
高校生まではスポーツ栄養士を目指していました。他界した祖父の影響で、教育関係の仕事へ。数年前、授業で栄養学を教えている時に、やっぱり楽しいな…と民間の栄養学関係の資格を取り始めました。ジュニアの資格は、渋谷1期生です。将来的には、ボランティアでアマチュアスポーツチームや個人のサポートができたらと思っています。

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