第67回 女子アスリートの無月経と疲労骨折

ジュニア・アスリートフードマイスターの尾澤真紀が
ジュニア期の『元気に食べて強くなる』をテーマにお伝えします!

こんにちは。ジュニアアスリート・フードマイスター、尾澤真紀です。

皆さん、体重管理はできていますか?夏になると露出が増え、見た目とか気になりますよね…
少しでもかっこよく見えるよう、『減量』しようとする方もたくさんみえると思います。
この『減量』、もちろんスポーツ選手にとっても大事で、体重コントロールが必要な競技では、食事も気を付け、日頃からチェックしなければなりません。
ですが例えば、間違った減量によって、その競技が思うように続けられなくなってしまったらどうでしょう。そんなこと、考えたこともありませんよね。
今回は、特にスポーツをする女子に知っておいてもらいたいお話です。

さて、小学生、中学生となり、女子は体脂肪が増え、女性らしい体つきになりますよね。
そこで、『この脂肪が邪魔だ!』『もっと体重を落として記録を出したい!』と思い、間違った無理な減量を行う女子が多いのです。
自分にとって理想的な体型を手にし、これから競技をもっと頑張ろうとしているところですが、この間違った減量のせいで、ケガだけでなく、女性としての機能を妨げる可能性があることは知っていますか?

無理な減量をしたまま、激しいトレーニングを続けることにより、月経周期が乱れ、中には数か月間、月経が来なくなってしまうことがあります(これを、運動性無月経と言います)。そうすると、女性ホルモンが減少し、骨代謝に影響を与え、骨密度が低下し、骨が脆くなりやすくなるのです。その結果、骨折を繰り返し、思うように競技ができなくなってしまいます。
そして、女性ホルモンン少ない状態が続いていると、子宮も委縮してしまい、無月経を放置していると生殖機能に異常が出てしまいます。この危険性があまり知られていないのです。

この、無月経による女性ホルモンの減少による疲労骨折が起こりやすいのは、実は大学時代。
高校時代までは、生まれてから中学時代にかけて蓄えた骨量がありますが、高校時代に使い果たし更に、激しいトレーニングと食事制限で身体が耐えられなくなるのです。
下積みの中学時代ではしっかりした骨だったのに、これからという大学時代にスカスカの骨で、骨折を繰り返すようでは、それまでの努力がもったいないですよね。
特に、10代は一生のうちでも骨密度が急激に高まり、生涯の骨の強さが決まる大事な時期なので、無理な減量をせず、しっかり骨の材料となる栄養を摂る必要があります。

骨を強くするためにもちろん摂ってほしいのは『カルシウム』で、牛乳・ヨーグルトなどの乳製品、豆腐・納豆などの大豆製品、小魚類、ひじきなどがありますが、中でも乳製品は吸収率が高いので、1日1回は摂れるといいですね。

そして、カルシウムの吸収を助ける『ビタミンD』は、魚やキノコ類に多い栄養素です。
このビタミンDは食事からでなく、身体を日光に当てるだけでも合成されます。ずっと室内で外に出られない時でも、窓から手を出して日光に当てればそれで大丈夫です。

骨の材料として大事なのが『コラーゲン』ですが、タンパク質からつくられるので、肉・魚など色んな種類のものを食べるようにしましょう。
また、タンパク質は、身体はもちろんの事、ホルモンもつくっています。ホルモンバランスを保つためにも、できるだけ毎食取入れましょう!

競技の結果をまずは優先しがちですが、その先のことを考えて、後悔しないためにも、今見直せることがあれば見直していただきたいです!

●ジュニア・アスリートフードマイスター
尾澤 真紀(おざわ まき)
愛知県出身。管理栄養士。スポーツクラブ勤務を経て、現在は給食会社で厨房業務に携わる。スポーツ栄養士を目指しており、休日などボランティアで地元の高校の部活動の生徒に向け、栄養アドバイス等を行う。
大学時に栄養教諭の免許を取得。

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第66回 食育現場レポート③ 立命館高校硬式野球部編

ジュニア・アスリートフードマイスターの岡嵜雄介が
学生スポーツの現場で取組まれている食育の実践をリポートしていきます!

ジュニア・アスリートフードマイスターの岡嵜雄介です。
私のコラムでは、学生スポーツの現場で行われている「食育」を中心に発信していきたいと考えています。
特に「身体を作りたい」、「大きくしたい」というご意見は多くのジュニア・アスリートを持つ保護者の皆様からご要望があるとお聞きします。
このコラムでは身体作りの観点で取組まれている食育現場をどんどん取材して行きたいと考えています。
第3回目は、京都にある立命館高校硬式野球部での食への取組みについてお伝えいたします。

立命館高校硬式野球部は、この春の春季京都府高校野球大会においてベスト4に進むなど近年力をつけている学校です。一見強豪私学に聞こえますが学校は府内でも有数の進学校で、強豪校とは異なり練習時間も平日1時間半、土曜日も授業という文武両道を掲げるチームです。今回は、2012年秋から同チームを指揮している吉田達朗監督にお話を伺ってきました。

●食事強化のきっかけ
 吉田監督がまだコーチだった2011年秋、同チームは近畿大会で天理高校と対戦し、惜しくも延長で敗れた。この試合はスコアこそ接戦の延長戦だったが、内容は圧倒的な力の差があったと吉田監督は語る。その力の差は、技術の差もさることながら圧倒的な体格の差を選手達は痛感したそうだ。
「今のままでは勝てない。」という思いと、以前から部としてプロテインを購入していたが、実際には飲んでいないという現状も重なった。そこで、吉田監督の発案から3リットルタッパーに白米を詰めてくるということから再スタートした。そして夏を終え新チームになってから食事に加え、ウエイトトレーニングを本格的に導入した。

●冬の取組み
 立命館高校が春の大会で躍進した理由の一つとして、冬の取組みがある。
 以前の3リットルタッパーは平日に実施し、休日は業者から温かいご飯を宅配してもらい、それをはかりで一人1,5キロずつ計って食べてきた。業者から届く温かいご飯は、冬の弁当の冷たいご飯に比べて食が進むと吉田監督は言う。この話は、前回のコラムでも紹介した向日市野球スポーツ少年団の生野監督も同じことを話していた。
 またそれに加え、体重測定も冬場になり毎日行うようになった。そして同時に冬場のウエイトトレーニングも週5回に頻度を上げて行っていった。その結果チーム平均体重は春のメンバー全員で68キロまでアップした。立命館高校の春の大会のメンバー20人のうち18人が175センチ以下ということからこの平均68キロという数値は冬の成果の現れだと感じる。


●立命館ならではの取り組み
 立命館高校には、他のチームにはない珍しい取り組みがある。それはプロテインの中身である。市販のプロテイン2杯に対して、きな粉2杯をウエイトトレーニング後に必ず摂取している。
 このきな粉がポイントだ。
 始まりは、プロテインのコストを抑えるのに何か方法はないかと考えていたところ、監督の同級生で、きな粉屋を営む方に、特別なきな粉の存在を知らされたのがきっかけだった。きな粉といってもスーパーなどにあるきな粉と違い、細かくひいた良質なきな粉である。本来なら固形物なのでプロテインと混ぜた時は分離するが、このきな粉はプロテインと同じように混ざる。 吸収率はプロテインよりは低いが、味が濃厚になりおいしいそうだ。
良質なきな粉なため、スーパーなどで販売しているきな粉より価格は高いが、安いプロテインの6分の1の価格で購入できる。そう考えるとコストパフォーマンスの面で優れている。


●夏に向けて
 最後に、これから夏に向けてどの様な対策を考えているかを吉田監督に聞いてみた。
1、リカバリー
2、食べやすくするのが大切
3、とにかく炭水化物
この3つがキーワードになります。せっかく作った身体を夏の追い込みで元に戻っては意味がありません。追い込みをしながら身体を維持するのが今後の対策です。

 今回のコラムで取り上げた立命館高校硬式野球部の食の取組みは、進学校がお手本とすべき取組みだ。練習時間や能力の差は食事や他の要素で埋めることが十分可能であるということがこのコラムを通じてわかった。

●ジュニア・アスリートフードマイスター
岡嵜 雄介(おかざきゆうすけ)
野球歴20年。高校、大学、社会人野球(企業)、独立リーグなどでプレー。
引退後、広告代理店での企画営業を経て、2011年度より教壇に立つ。2012年度の夏のインターハイではホッケー部の監督としてインターハイベスト8進出。2013年度、京都で初めてプロアマ規定解禁の高校野球の指導者となる。
特に学生スポーツにおける「食育」に興味を持ち、日々実践、研究している。

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第65回 アメリカでもアスリートフード!

アスリートフードマイスターの池田 清子が
実践している食生活のほか、海外の食事情などについてもお伝えします。

今春は夫でありマウンテンバイクプロアスリートである池田祐樹選手の海外転戦に同行し、アメリカ・ベルギー・ドイツにトータル約5週間滞在してきました。
宿泊したのはホテルやキッチン付きの宿など全7カ所。振り返ってみると、やはりキッチン付きの宿が最も食事に関してストレス無く過ごすことが出来ました。

遠征中はアメリカのチームメイトと過ごす時間が最も長く、私は殆どの夕食作りを担当させてもらいました。その中でもマウンテンバイク選手の友人を招待した食事会で選手から大好評だったアスリートメニューをご紹介します。

レースを4日後に控えていたため、意識したのは低脂肪・高タンパク質でありながらバランスのよい栄養と食物繊維、糖質を摂れること。そして7名中6名がアレルギーやパフォーマンス向上のため、グルテン(小麦製品)を摂取しない食生活を実践していたので全てのメニューにおいて小麦を使わないことを踏まえて献立を組みました。とは言え、大人数となる食事会が決まったのが当日!『買い物に行かずに冷蔵庫にあるもので調理』ということも前提にありましたので、いかに工夫して調理するかも腕の見せどころ。献立を組んだら友人に「こんな感じでどう?」と確認。「パーフェクト!」の返答に張り切ってキッチンに立ったのでした。

〜献立〜
・ジャスミンライス(刻んだ人参とケールも一緒に炊きました)
・キヌア(2時間浸水して炊きました)
・具沢山サラダ(7種類の葉・スモークサーモン・パプリカ・トマト・ビーツなど)アボカドが苦手な選手のため、アボカドだけ別添えに。
・豆腐ハンバーグと赤ワインソース
・ブロッコリー・人参・芽キャベツのグリル野菜(焼く前にココナッツオイルをまんべんなくのせて、塩コショウ)
・ササミのグリル(焼く前に塩コショウで味付け)

中でも大好評だったのが豆腐のハンバーグです。
作り方をご紹介します。
<材料>
豆腐
99%オイルカットターキーの挽肉(鶏の挽肉はヘルシーでおすすめです)
たまご
キヌア(炊いたもの)
刻んだケール

コショウ
醤油

これらをしっかり混ぜて、オリーブオイルで焼き目を付けたら、オーブンに入れて焼きます。
同じフライパンに赤ワイン・ゆず・醤油・砂糖・水・塩を入れて煮詰めるとソースが完成。
簡単なのにずっしりとしたボリュームもあり、食べ応えバッチリです。キヌアとケールはアメリカで出会ったお気に入りの食材。栄養価が高く評価されています。

全て現地のスーパーマーケットで調達したものでしたが、アメリカと日本の食材をコラボレーションすることで、無事満足していただけるアスリートフードを作ることが出来ました。特に豆腐はどこへいっても万能で、その魅力が海外でも評価されているようで何だか私まで誇らしかったです。出来上がった料理はカウンターテーブルに並べ、ビュッフェスタイルで各々好きな量を取ってもらいました。みんな「豆腐で作るハンバーグは初めて食べたけど、美味しい!」と写真を撮りながら、お代わり。

後日その写真をみた他の選手からも「行きたかったよ。次回は絶対呼んでね」と言ってもらったので、「次も頑張るぞ!」とますます張り切ってしまう私です。

●アスリートフードマイスター
池田 清子(いけだ さやこ)
アスリートフード研究家。夫はマウンテンバイクプロライダー、池田祐樹選手(トピーク・エルゴンレーシングチームUSA所属)。モデル事務所でのマネージャー経験を活かし、現在は夫のマネージメントを行う。「五感で食べる」をモットーに、カラーコーディネーターの資格を生かした色彩豊かな食卓と、満足感と栄養バランスを兼ね備えた献立を研究する日々。

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第64回 朝のランニング前、何を食べて走る。

ジュニア・アスリートフードマイスターの菅野 真喜が
季節に合わせた食事トレーニングで「何を食べるか」「なぜ食べるか」を発信します!

6月末は私にとって初めての100kmウルトラマラソンを控えております。
スタート時間が朝の5時という事もあり、ここ2ヶ月ほどは朝ランがメインです。
平日は4時に起床して5時から1時間~1時間半ほど走り、週末は3~4時間のロング走をしています。

朝の涼しい時間帯に走る人も多いと思いますが、朝起きてすぐに何かを食べるは中々おっくうなものです。以前、ランニングに関するWebアンケートを見た時に朝走る前に何もとらない人が多かったのと、眠気覚ましなのか、ランニング前にコーヒーを飲む人が多かった事にビックリしました。
コーヒーに含まれるカフェインには疲労回復に効果がありますが、利尿作用もあるので、朝の体が脱水した状態でのコーヒーだけを飲んでのランニングはさらに脱水症状をおこす可能性があるのでオススメできません。コーヒーで水分補給はできません。

30分程度の軽いジョギングなら朝にスポーツドリンクか柑橘類で水分と糖分を補給する程度で充分ですが、朝食前に1時間以上走る場合は軽く食べておかないと後半に突然スタミナ切れと疲労がやってきます。逆に食べ過ぎてしまうと、食事から走るまでの時間が短いのでお腹に負担がかかってしまいます。

エネルギーになるもので、長くスタミナが持続し、朝起きてすぐに食べることができ、そしてお腹の負担にならないもの。
そんなわがままな要望を満たしてくれる朝ラン前に食べる【ビタミンACEケーキ】をご紹介します。
焼くのではなく、電子レンジで蒸しパンの様に作るので朝のランニング前でもお腹への負担が少ないです。それに今の季節は真夏より紫外線が強いので、朝から疲れを残さない&お肌のために紫外線にも負けない抗酸化作用のある緑黄色野菜を使ってみました。

材料(パウンド型15cm分)
小麦粉…150g、ベーキングパウダー…15g、オリゴ糖…大さじ1、トマトジュース…100ml、卵…1個
お好みの具材(アスパラ、かぼちゃ、パプリカ、シュレッドチーズ)
1) 具材(野菜)は事前に下茹でか電子レンジで加熱をする。
2) 具材以外の材料を合わせ、パウンド型に半分流し入れ材料を入れた後にさらに半分を入れ、表面に野菜の残りを盛り付ける。
3) 電子レンジで500℃で6~7分程度加熱する(ラップはしない)
4) 竹串を通して生地が串につかなければ出来上がり。

出来立てより一晩置いた方がパウンド型からも取り出しやすくなりますし、しっとりとするので、前日の夜に作っておくのがオススメです。ランニング前に食べる場合は充分な水分補給も忘れずに。
季節に合わせた野菜を使って、朝の目覚めに眩しい彩りを意識してみてはいかがでしょうか。

●ジュニア・アスリートフードマイスター
菅野 真喜(かんの まき)
乳製品関係の仕事をする一児の母&北海道フードマイスターでもある走歴5年の市民ランナーです。2013年は年間5本のフルマラソン完走とサブフォー(4時間切り)を達成し、今年はウルトラマラソンにも挑戦!。一年通して走り続ける体力&すばやい疲労回復を維持する事を心がけています。

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第63回 アスリートにも試してほしい今話題のドリンク!

アスリートフードマイスター今川千恵子が「アスリートに参考にしてもらいたい!」
と思ったことを、スポーツの種類を問わず発信していきます!

アスリートの皆さん、スポーツを楽しんでいますか!?アスリートにとって水分補給がより気になる季節となりました。アスリートのためのドリンクと言うと、スポーツドリンク、牛乳、オレンジをはじめとした果汁100%のジュースを思い浮かべるのではないでしょうか。

店頭にはたくさんのスポーツドリンクが並んでいます。大きく2つに分けると、主にエネルギー補給を目的としたアイソトニック飲料、そして素早い水分補給のためのハイポトニック飲料があり、目的に合わせて選ぶことが大切です。

牛乳にはスポーツというネーミングがついた商品もあります。しかし各メーカーを比べてみたところ、
スポーツというネーミングがなくても無脂肪や低脂肪でカルシウムやたんぱく質を多く含んだ牛乳はいくつもありました。
アスリートとはいえ、スポーツドリンクばかり飲んでいても飽きることもあるでしょう。また牛乳が苦手な人もいます。このような時に選択肢が色々とあったらいいと思いませんか?何といっても不足することなく栄養を補うことはとても大切です。

私はスポーツや健康にいいかもかもと思うものは一度試してみます。今回はその中からお勧めのドリンクを3つ取り上げます。今話題でもある「アサイ」「ココナツウォーター」「カムカム」です。
ところで皆さんはこれらのドリンクにどんなイメージをもっていますか?セレブが飲んでいる流行りもの?それともスポーツには関係ない?
いえいえ、それはあまりにももったいないです!最近ではどれもみな手軽に購入出来るようになり価格も手頃です。そして何より栄養価の高い「スーパーフード」なのです!アスリートにこそ飲んでもらいたいと思います。

◆◆◆「スーパーフード」とは一般の食品と比べてビタミン、ミネラル、アミノ酸といった必須栄養素や、抗酸化作用、免疫力を上げる働きのあるフィトケミカルが豊富な食品。積極的に摂ることで身体の機能を高めると期待される。

★「アサイ」
アサイはアサイボウルよりドリンクが手軽に利用できます。豊富なポリフェノールが有名ですが、エネルギー補給に必要なアミノ酸、オレイン酸、ビタミンEが含まれ、カルシウム、鉄分もたっぷりです。横浜Fマリノスの中澤佑二選手は貧血予防と疲労回復を目的に愛飲しているそうです。選ぶ時はこれら栄養素がしっかり含まれているかを確認して下さい。

★「ココナツウォーター」
ココナツが成熟する前の果実の中にある透明な液体で、人の体液と電解質成分が似ているため「天然のスポーツドリンク」と言われています。体内の水分バランスを調整するカリウムやマグネシウムなどミネラルが豊富で脂質はゼロ。予想以上の浸透圧の高さに驚き今ではお気に入りのスポーツドリンクになりました。

★「カムカム」
ペルー産で何とビタミンCの含有量が世界一!今大注目の果実です。ビタミンC含有量はアセロラの2倍、レモンの約50~60倍と言われています。ビタミンCはコラーゲンの合成、鉄分の吸収を高める、シミの元になるメラニン色素の合成を抑える(アウトドアスポーツは紫外線対策を忘れずに!)などに必要です。ビタミンCの王様「カムカム」はまさにアスリートの救世主?!徐々にですがスーパーをはじめ見かけるようになってきました。スポーツの後に飲むと疲れた身体が癒されます!

いかがでしょうか?みなさんもお気に入りを見つけて下さいね!

●アスリートフードマイスター
今川 千恵子(いまがわ ちえこ)
ヨガインストラクター、パーソナルトレーナーとして首都圏を中心に活動。野菜ソムリエ、ベジフルビューティセルフアドバイザー、AEAJアロマテラピーインストラクター、JAMHAハーバルセラピスト、産業カウンセラーなどの資格を活かした指導も行う。
スポーツは夫と共にサーフィンを趣味ではあるが真剣に取り組んでおり、体力作りのためにランニングも行う。あらゆるスポーツ観るのも好きで、自他共に認める大のスポーツ好き。

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第62回 できるだけ多くのエネルギーを体に貯蓄する方法

ジュニア・アスリートフードマイスターの一色ふみが
楽しいお話やレシピを書いていきます!

こんにちは、ジュニア・アスリートフードマイスターの一色です!
今日は、カーボローディング(グリコーゲンローディング)のお話をしようと思います。

初回の「朝ごはんが大事な理由」の記事で、肝臓には糖質を貯めておけるタンクの役割があるというお話をしました。
血糖値が下がってきたら、肝臓に“貯金”しておいた糖質を使ってエネルギーにして脳や筋肉の働きをカバーするという内容です。

持久力系のスポーツをする方は、この“肝臓の糖質貯金”がとても大事になってきます。
トライアスロンやマラソンなど長距離を走り続けるスポーツは大量のエネルギーが継続的に必要となりますので、エイドで補給ができても低血糖によるハンガーノックが起きることもあり、少しでもいいコンディションで走り続けるには“肝臓の糖質貯金“が多い方が有利です。

肝臓に貯めておける糖質の量は決まっていますが、実は一時的にその容量を増やすことができます。その方法がカーボローディング(カーボ=炭水化物)です。

●カーボローディングの方法●
試合3日前くらいから、三食を炭水化物中心の高糖質な食事に変える。

こうすることで、肝臓や筋肉に“貯金“できる糖質を、一時的に通常の1.5~2倍蓄積できるようになります。

●カーボローディング中の注意点●
・食物繊維や脂質はひかえる。(消化不良や胃腸の負担を減らすため)

・米があまり食べられない人は、パスタや餅、ベーグル(パンより高糖質で脂質が少ない)なども食べやすい。
また糖質の多いじゃがいもやカボチャなどをおかずに使うのも良い。

・試合当日も糖質メインだが、朝は特にできるだけ消化の良いものを。(力うどんやおにぎり、大福やお団子など)

・“糖質貯金“の手助けをするクエン酸を一緒に摂るようにする。(クエン酸は柑橘系のフルーツに多く含まれる。オレンジジュースやカットフルーツなど)

・糖質なので甘いものももちろんローディングメニューとしてOKだが、ケーキなど洋菓子には脂質も大量に含まれてしまうので、甘味で摂るなら和菓子を。

主人もトレランをやっているので、レース前のカーボローディングは必須です。
我が家では、味に飽きないようにポテトサラダや根菜たっぷりスープをメニューに加えたり、米をたくさん食べられるチャーハンにしたりします。

カーボローディング中は食事が炭水化物メインになるので、どうしても飽きてしまいがちです。しかし食事はできるだけ美味しくもりもり食べたいですよね。

そこで、カーボローディングに適した炭水化物デザートをご紹介します。

【ほんのり甘い♪カボチャのデザート】

1、カボチャを皮ごと小さめにカットし、レンジで柔らかくなるまでチンしたら熱いうちにフォークなどでしっかりつぶします。(皮が苦手な方は取り除いてOK)

2、ラップにギュッと丸く包むなどして形を作り、器に盛り付けてヨーグルトとフルーツを添えてできあがり!

カボチャのもつ自然の甘みで美味しくいただけるデザートです。甘めが好きな方はハチミツをかけるのもいいですね。
カボチャはしっかり炭水化物なので、カーボローディング中のデザートとして効果的です。

★暑い夏のお勧めアレンジとして、ラップに小分けして輪ゴムで口をしばったものを(↓写真参照)冷凍庫で凍らせ、食べたい時間の30分くらい前に冷凍庫から取り出し、自然解凍でシャーベット状にしてから食べると冷たくて美味しいです。

トッピングは他にバナナやコーンフレークも糖質摂取として良いアイテムですね!
盛り付けで美味しそうに見せるのも料理のコツ。
好き嫌いの克服や食の細い方にもぜひ、目でも楽しめる献立を♪

●ジュニア・アスリートフードマイスター
一色 ふみ(いっしき ふみ)
レザーメーカーでデザイン製作の仕事を経て2009年に青年海外協力隊に参加。エチオピアに派遣され首都の職業訓練校にて皮革の指導をし、二年間の活動ののち帰国。帰国後はレザー業界から離れ、食育とジュニア・アスリートフードマイスターの資格を取得。現在は協会で講座のアテンドスタッフをしている。夫はトレイルランナー。自身もアウトドアやスポーツを趣味とする。

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第61回 やめられない!飲酒のコツ②

アスリートフードマイスターの芦田圭子が
あの手この手で皆様の食べる飲むを応援させて頂きます!

アスリートフードマイスターの芦田圭子です。
前回に引き続き「飲むのをやめられない!」そこのあなた。
飲酒のコツ(!)を伝授致します。今回は7つのうち残り4つです。

1.チェイサーをお供に
2.グラスは小さめ・一口づつ
3.食事と共に
(第53回をご参照下さい)

4.会話や雰囲気を楽しむ
5.締めだけ我慢
6.休肝日を作りましょう
7.動いた分だけ飲める!?

4.会話や雰囲気を楽しむ
食とはそもそも何か?生命を維持するもの、体を作るもの、が第一義です。
だからこそアスリートにとって食は重要なのですが、人間にとっての食の意味はそれだけにとどまりません。人とのコミュニケーション、癒し、休息、イベント、モチベーション・・・。人間ならではの意味=楽しみがあります。そうでなければただの原料=エサです。
人との会話を楽しんだり、空間や雰囲気、五感で感じるものを楽しめる食は、体だけでなく心を豊かにしてくれるでしょう。アスリートにとってそれも、とても大事なこと。
お酒も会話や雰囲気を楽しむゆとりをもって飲めば、自然と飲みすぎることはありません。飲食はそれを取り巻く環境によって大きく変えることができます。せっかくの飲酒、楽しんで体や心に効かせてあげましょう。


セッティングして雰囲気も楽しみましょう

5.締めだけ我慢
飲んだら締めは我慢しましょう。飲んでいいけど「その代わり」締めを我慢する。それも夜の場合のみ適用、となれば実行出来そうですよね?
前回書いたように食事はトータルバランスです。アルコールには糖質のカロリーが含まれるため、この分を食事のカロリーに組み込まないといけません。夜は摂取したカロリーを消費する時間が少なく、体内に蓄積されてしまいますから過剰摂取は禁物。
気持ち良く飲んで後は寝るだけ、なのですから、締めのご飯類や麺類などの炭水化物だけカットし、お酒と合う副菜をバランス良く楽しんで頂きましょう♪

6.休肝日を作りましょう
肝臓の働きは実に素晴らしいもの。
口から摂取した栄養素の大半が小腸~毛細血管を経由し吸収され、肝臓へたどり着きます。肝臓はそれぞれの栄養素を分解・貯蔵・合成・排泄・エネルギー生産・供給など、あらゆる働きを行ってくれるのです。
逆に働きが悪くなると、せっかく摂取した栄養素を上手く活かせなくなるばかりか、心身共に悪影響を及ぼします。アルコールの摂取はそんな肝臓の働きに拍車をかけてしまうのです。
美味しいお酒を飲む為にも(!)週に2回くらいは休肝日を作ってあげるといいですね。

7.動いた分だけ飲める?!
これこそが真骨頂(笑)
アスリートにとって栄養とトレーニングは車の両輪と同じ。
バランスの良い効率的な体を作るには「しっかり食べて(程よく飲んで(!))しっかり動く」こと。
「いつもより食べる・飲む」のであれば当然、「いつもより動く」。
今日は飲み会!という日は少し早起きしてランニングしてみるとか、昼休みにトレーニングしてみるとか、採算を合わせてみましょう。体だけでなく気持ちも楽になり、より美味しく楽しくお酒を楽しめること請け合いです。


飲みたかったらしっかりトレーニング♪

総括:
アルコールは栄養的に絶対必要なものではありません。
それでも飲みたい!のであれば「その代わり」を守って体の負担を減らし、ストレスが少なく心にも効く飲み方をマスターして楽しみましょう♪

●アスリートフードマイスター
芦田 圭子 (あしだ けいこ)
トレーニングの目的は「美味しく食べて飲むため♪」と公言してはばからないフィットネスクラブスタッフ兼インストラクター・パーソナルトレーナー。
銀行や有料老人ホーム勤務を経てフラワーデザイナーへ。その間に膠原病と診断されたり拒食症を経験したことから、自身の健康のため今の職業へ転職。それゆえ高齢者指導とシェイプアップが得意分野。 介護予防運動指導員・基礎心理カウンセラー・アスリートフードマイスター他取得。

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第60回 外食のチョイス力

アスリートフードマイスターの張谷綾が
明日から使える情報を提供します!

皆さんこんにちは。アスリートフードマイスターの張谷綾です。

 さて、アメリカンフットボールは春のシーズンに突入しています。練習や試合で、そろそろ疲れがたまってきていませんか?今日は、そんな時の疲労回復メニュー、特に“外食のチョイス力”についてお話します。
練習や試合終了後、なるべく早く食事を摂ることは、体力回復や筋肉の修復につながります。皆さんはそのことをよく分かっていて、試合後に大きなスポーツバッグを持った人達がぞろぞろとレストランに入っていく姿を見かけます。
ただし、ここで問題があります。どんなものを選んでいますか?焼肉食べ放題で肉ばかり食べたり、安いからと大盛りの丼物のみだったりしませんか?繰り返しますが、食事もトレーニングの一部。強い身体をつくるためには“バランスのよい食事”が決め手になります。
 これから、チョイス力のポイントを示していきます。是非参考にしてください。

まず、外食で気をつけることは、何と言っても脂質の多さ。そして、野菜が少ない場合が多いです。和食は、定食に小鉢をつけるとバランスのよい食事になります。洋食や中華は、バターや油をたくさん使うので、高カロリーになりやすい点を覚えておきましょう。サラダバーのあるレストランがよいですね。
では、私が試合後に洋食レストランに行ったら…ということで、ずらっと並べてみました。

今回のポイントは、
①主食はしっかりと
失われたエネルギーを回復させるために、主食はしっかりと食べましょう。食欲が落ちている時は、スパイスのきいたカレーや食感の違うパスタなど、食べ方を色々と工夫してみてください。ただし、カレールーは脂質が多いので、かけすぎにご注意を。
②糖質にはビタミンB1
ビタミンB1が含まれている豚肉や枝豆をチョイス。ビタミンB1が主食の糖質をエネルギーに変えてくれます。また、玉ねぎ(サラダに入っています)やにんにくに入っているアリシンはビタミンB1の吸収を助けてくれます。ソテーのソースは油を避け、疲労回復に効果的なクエン酸が入っているポン酢にしました。肉を選ぶ時は、部位によってカロリーが違います。例えば、豚肉はバラ肉よりもカロリーが半分以下のもも肉を選ぶなど、脂身が少ないものを選びましょう。
③色の濃い野菜を多めに
緑黄色野菜を多めに摂りましょう。激しい運動によって身体に発生する悪いもの(難しい言葉で言うと、活性酸素)を除去してくれます(抗酸化作用)。今回は、ミネラル豊富な海藻サラダにしています。ドレッシングはノンオイルで。
④たんぱく質は2割増し
傷ついた筋肉を修復するために、たんぱく質はいつもの2割増しで食べましょう。たんぱく質の合成には、ビタミンC、ビタミンB6、亜鉛などが必要です。これらは、バランスのとれた食事であれば、自然と摂取できています。肉ばかり食べるのがよくないのは、この理由からです。
⑤飲み物に注意
カルシウムは、汗と一緒に外に流れてしまいます。牛乳が置いていない場合は、別に買って飲んでください。緑茶やコーヒー、紅茶にはタンニンが含まれていて、鉄分吸収の妨げになります。食前食後は避けた方がよいです。オレンジジュースは100%ではない場合、糖分過多になります。
⑥果物は柑橘系
ビタミンC、クエン酸が入っている柑橘系の果物を選びましょう。
⑦デザートも考えて
大学芋、かぼちゃを選びました。これらもビタミンが豊富で、糖質補給にもなります。

 色々と説明しましたが、結論は“バランスのよい食事”に尽きます。なお、今回のチョイスには魚ときのこが入っていません。帰宅後に、例えば「鮭ときのこのホイル焼き」などを食べるとよいですね。しっかりと睡眠時間を確保することも忘れずに!
 皆さんの活躍を陰ながら応援しています。頑張ってくださいね!

●アスリートフードマイスター
張谷 綾 (はりたに あや)
高校生まではスポーツ栄養士を目指していました。他界した祖父の影響で、教育関係の仕事へ。数年前、授業で栄養学を教えている時に、やっぱり楽しいな…と民間の栄養学関係の資格を取り始めました。ジュニアの資格は、渋谷1期生です。将来的には、ボランティアでアマチュアスポーツチームや個人のサポートができたらと思っています。

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第59回 持久力がUPする食べ方!

ジュニア・アスリートフードマイスターの尾澤真紀が
ジュニア期の『元気に食べて強くなる』をテーマにお伝えします!

こんにちは。ジュニアアスリート・フードマイスター、尾澤真紀です。

すっかり暖かくなり、外でトレーニングしやすい季節になりました。
夏の大会を控えた、ジュニアアスリート達にとって、これから大事な時期になると思います。
今回は、夏本番に向けて、厳しいトレーニングもこなせるよう、『持久力UPのための食べ方』についてお話しようと思います。
ここでのポイントは、『グリコーゲン(糖質)の補給方法』です。

運動中のエネルギー源になるものは、主に2つあります。
一つは、筋肉や肝臓の中にある【グリコーゲン(糖質)】で、筋グリコーゲンは筋肉を動かすエネルギー源、肝グリコーゲンは脳や神経系などのエネルギー源になります。
もう一つは、みんなのイメージの良くない、あの【脂肪】です。

この2つのエネルギー源は、運動の種類によって使われ方が違います。
短時間の運動や、比較的強度の高い運動では、【グリコーゲン】が主に使われ、
軽度の長時間の運動では、【グリコーゲン】と【脂肪】が使われます。

脂肪は、何㎏でも蓄えられますが、グリコーゲンは、貯蔵量に限界があり、成人男性で、筋肉に約250g、肝臓に約100gです。ちなみに、余った分は脂肪として蓄えられてしまうので、摂り過ぎにも注意しなければなしません。

このグリコーゲンが、もし、空っぽになってしまったら、どうなるでしょう・・
血液中の糖分(血糖値)が低下して、脳にエネルギーがいかず思考能力が低下、集中力も低下してしまいます。そうすると、ケガもしやすくなり、まさに本末転倒です。
みなさん、うっかり食事を食べずにトレーニングをしてしまい、ふらっとするなーなんて経験ありませんか?
そして更に、エネルギー源を得るために筋肉中のタンパク質が使われてしまい、筋肉がつきにくくなることもあります。
そういったことが、起こらないようにするために、グリコーゲンの補給をしなければなりません!!

ポイントは、タイミングです!
トレーニングの前に、これから使う分を補給してあげましょう。
初めから空っぽの状態で始めると、前に書いたようなことが起こってしまい、危険です。
直前に食べなくても三食ちゃんと食べる習慣ができていればOK!
朝練する場合は、早起きして、軽く食べましょう。忙しい朝は、持ち運びしやすいよう、おにぎりにしたり、サンドイッチにするといいと思います。

そして、トレーニング後に、使った分を補給するといいでしょう。
できるだけ早く(2時間以内)に補給することが大切です。運動直後と2時間後では、回復が3倍も違います。これが、その後のトレーニングにも影響してきます。

筋肉をつけるため、タンパク質を摂ることだけを意識するのではなく、糖質を含むご飯もしっかり食べましょう。

そして、効率よく糖質をエネルギー源に変えるため、ご飯と一緒にビタミンB1も摂りましょう。
これを多く含む食品は豚肉、うなぎ、大豆製品などです。ご飯を玄米にすると、ぬかからも多く摂れます。
身体が疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、身体に溜まった老廃物がうまく代謝されないこともあります。ビタミンB1はエネルギーの補給だけではなく、老廃物の代謝にも関わっています。

正しく食べて、疲れを貯めずにトレーニングをしていきましょう!

●ジュニア・アスリートフードマイスター
尾澤 真紀(おざわ まき)
愛知県出身。管理栄養士。スポーツクラブ勤務を経て、現在は給食会社で厨房業務に携わる。スポーツ栄養士を目指しており、休日などボランティアで地元の高校の部活動の生徒に向け、栄養アドバイス等を行う。
大学時に栄養教諭の免許を取得。

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第58回 食育現場レポート② 中学野球クラブチーム編

ジュニア・アスリートフードマイスターの岡嵜雄介が
学生スポーツの現場で取組まれている食育の実践をリポートしていきます!

ジュニア・アスリートフードマイスターの岡嵜雄介です。
私のコラムでは、学生スポーツの現場で行われている「食育」を中心に発信していきたいと考えています。
特に「身体を作りたい」、「大きくしたい」というご意見は多くのジュニア・アスリートを持つ保護者の皆様からご要望があるとお聞きます。
このコラムでは身体作りの観点で取組まれている食育現場をどんどん取材して行きたいと考えています。

第2回目は、中学校軟式野球のクラブチーム、向日市野球スポーツ少年団と門真ビッグドリームスの2チームでの食への取組みについてお伝えいたします。

●向日市野球スポーツ少年団の食への取組み
 向日市野球スポーツ少年団は、小学部、中学部の2部で構成されている軟式野球のクラブチームで、様々な学校の生徒が集まり活動しているチームである。
今回の取組みは中学部の食への取組みを聞いてきました。

 同チームは、クラブチームのため、主に食に関して力を入れているのは土日の練習日になる。
特に日曜日は、昼食に1kgの白米を食べることをチームの基準としている。
その1kgの量は、計量する徹底ぶりである。
 一方、土曜日は1kgなどの決まりを作らず、自由な日に設定してある。
この取組みについて同チームの生野武史監督はこう語る。
「食への取組みも自分たちの意志、選手個人が必要性を自分から感じないと続かないし、身にならない」とし、中学生に食にこだわる意義を話し、ミーティングや普段の練習中にも食の話を盛り込んでいる。実際に、自由日である土曜日の食事量は年々増えて来ているという。

●食のアイテム
 食事に対して飽きさせない工夫もしている。
向日市野球スポーツ少年団の食のアイテムがおもしろい。
 1つ目がおそろいの2リットルタッパーである。
その2リットルタッパーに白米を1kg。おかずは別のタッパーに用意して持ってくる。
みんなで集まっておそろいのタッパーで食事をする光景はなんとも微笑ましい光景だ。
 2つ目は、薪ストーブと七輪である。
同チーム森川コーチの「食べるなら温かいものを食べさせたい」という思いから、
炊き出しが始まった。
チームの練習場は、河川敷のため火を使用することができない。
そこで、練炭火鉢を使用して温かいスープや炊き出しを用意している。
 冬であれば河川敷は相当冷え込む。
しかし温かい食事が一品あるだけで子供たちの食はいっきに進むという。
 冬の練習では、おしるこなどが練習の間に用意されて、食事後でも子どもたちは喜んでおもちを何個も食べるそうだ。

●門真ビッグドリームスの食への取組み
 門真ビッグドリームスも様々な中学から集まって結成されている軟式野球のクラブチームである。
練習日は月曜日以外の毎日で、放課後各自集まって練習しているようだ。一見ハードな練習にも聞こえるが、平日は必ず19時半までには帰宅させるようにしている。
 同チームの橋口和博監督は言う「練習をいくらしても睡眠のゴールデンタイムと言われる22時から2時を逃しては、身体はできません。」
 食事に関しては、1年生は朝昼と1.3リットルタッパにご飯を詰めて来るところからスタートし、成長に合わせて2年生ごろから2リットルタッパにお弁当のサイズも変更していくそうだ。
 その成果もあって3年間で36キロも体重が増えた選手もいるそうだ。
ビックリされる数値かも知れないが、この取組みは決して強引ではない。チームの方針としては、好きな物を無理なく全員ができる範囲でやっていくこと。サプリメントは摂取させていないという。

●「お母さん」の協力
 同チームは保護者の方、特に母親のサポートが強力である。
監督から月1回チーム全員の体重と体組成のデータがメールで送られてくる。そのデータを「お母さん」も目にすることで親も子どもの体の状況を把握できると言う。
 補食でピーナツが良いと聞くと、「お母さん」ネットワークで情報が回るようになっている。
また、日々の食費は掛かるが、その点も「お母さん」ネットワークが活用されている。あそこのスーパーの卵が安いと聞くとその情報をメールで共有しあったりしているそうだ。

 今回のコラムで取り上げた中学軟式野球クラブチームの食の取組みは、繊細な心配りと情熱がないとできないと感じた。中学生のうちはまだ体重を気にしなくてもいいのではないかという意見もよく聞く。しかし食への取組みを行って、熱中症がなくなったとか、高校生になって怪我をせず良いスタートが切れる。など両チームも同様の感想が聞かれた。
 アスリートの食への取組みは、大人だけではなく、ジュニア世代から必要であり、情熱をもって取組まないと効果を発揮できないとコラムを通じて感じるのであった。

●ジュニア・アスリートフードマイスター
岡嵜 雄介(おかざきゆうすけ)
野球歴20年。高校、大学、社会人野球(企業)、独立リーグなどでプレー。
引退後、広告代理店での企画営業を経て、2011年度より教壇に立つ。2012年度の夏のインターハイではホッケー部の監督としてインターハイベスト8進出。2013年度、京都で初めてプロアマ規定解禁の高校野球の指導者となる。
特に学生スポーツにおける「食育」に興味を持ち、日々実践、研究している。

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