ジュニア・アスリートフードマイスターの尾澤真紀が
ジュニア期の『元気に食べて強くなる』をテーマにお伝えします!
こんにちは。ジュニアアスリート・フードマイスター、尾澤真紀です。
皆さん、体重管理はできていますか?夏になると露出が増え、見た目とか気になりますよね…
少しでもかっこよく見えるよう、『減量』しようとする方もたくさんみえると思います。
この『減量』、もちろんスポーツ選手にとっても大事で、体重コントロールが必要な競技では、食事も気を付け、日頃からチェックしなければなりません。
ですが例えば、間違った減量によって、その競技が思うように続けられなくなってしまったらどうでしょう。そんなこと、考えたこともありませんよね。
今回は、特にスポーツをする女子に知っておいてもらいたいお話です。
さて、小学生、中学生となり、女子は体脂肪が増え、女性らしい体つきになりますよね。
そこで、『この脂肪が邪魔だ!』『もっと体重を落として記録を出したい!』と思い、間違った無理な減量を行う女子が多いのです。
自分にとって理想的な体型を手にし、これから競技をもっと頑張ろうとしているところですが、この間違った減量のせいで、ケガだけでなく、女性としての機能を妨げる可能性があることは知っていますか?
無理な減量をしたまま、激しいトレーニングを続けることにより、月経周期が乱れ、中には数か月間、月経が来なくなってしまうことがあります(これを、運動性無月経と言います)。そうすると、女性ホルモンが減少し、骨代謝に影響を与え、骨密度が低下し、骨が脆くなりやすくなるのです。その結果、骨折を繰り返し、思うように競技ができなくなってしまいます。
そして、女性ホルモンン少ない状態が続いていると、子宮も委縮してしまい、無月経を放置していると生殖機能に異常が出てしまいます。この危険性があまり知られていないのです。
この、無月経による女性ホルモンの減少による疲労骨折が起こりやすいのは、実は大学時代。
高校時代までは、生まれてから中学時代にかけて蓄えた骨量がありますが、高校時代に使い果たし更に、激しいトレーニングと食事制限で身体が耐えられなくなるのです。
下積みの中学時代ではしっかりした骨だったのに、これからという大学時代にスカスカの骨で、骨折を繰り返すようでは、それまでの努力がもったいないですよね。
特に、10代は一生のうちでも骨密度が急激に高まり、生涯の骨の強さが決まる大事な時期なので、無理な減量をせず、しっかり骨の材料となる栄養を摂る必要があります。
骨を強くするためにもちろん摂ってほしいのは『カルシウム』で、牛乳・ヨーグルトなどの乳製品、豆腐・納豆などの大豆製品、小魚類、ひじきなどがありますが、中でも乳製品は吸収率が高いので、1日1回は摂れるといいですね。
そして、カルシウムの吸収を助ける『ビタミンD』は、魚やキノコ類に多い栄養素です。
このビタミンDは食事からでなく、身体を日光に当てるだけでも合成されます。ずっと室内で外に出られない時でも、窓から手を出して日光に当てればそれで大丈夫です。
骨の材料として大事なのが『コラーゲン』ですが、タンパク質からつくられるので、肉・魚など色んな種類のものを食べるようにしましょう。
また、タンパク質は、身体はもちろんの事、ホルモンもつくっています。ホルモンバランスを保つためにも、できるだけ毎食取入れましょう!
競技の結果をまずは優先しがちですが、その先のことを考えて、後悔しないためにも、今見直せることがあれば見直していただきたいです!
●ジュニア・アスリートフードマイスター
尾澤 真紀(おざわ まき)
愛知県出身。管理栄養士。スポーツクラブ勤務を経て、現在は給食会社で厨房業務に携わる。スポーツ栄養士を目指しており、休日などボランティアで地元の高校の部活動の生徒に向け、栄養アドバイス等を行う。
大学時に栄養教諭の免許を取得。
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